子どもが宿題をやらない、勉強に力が入っていない、習い事をサボる。。。
そんな悩みを抱えているお母さんのために、今回は「なぜ子どもはサボるのか」を分かりやすく解説したいと思います。
まず、子どもがサボる理由を一言でいうと「やりたくないから」です。1番の大元がこれがです。そして人間の脳はとても賢くできているので、やりたくないことがあると無意識のうちに避けようとします。
これは大人のあなたでも同じで、たとえば掃除をしようと思ったのにすぐ雑誌やマンガを読み始めたりしてしまったり、ダイエットしようと決意したのにお菓子や炭水化物の誘惑に負けて夜食を食べたりなんてことってありませんか??
脳は「やらなければいけないこと」を避けようとする能力が異常に高いのです。だから、すぐに「もっともらしい理由」や「それっぽい用事」を作り出して回避しようとします。
ということは、サボらないようにするためには「やりたくないこと」を「やりたいこと」に変えればいいんです。今回の記事ではその方法までまとめました。
イヤなことを避けようとする能力
数年前から「これからの教育は子どもの創造力に力をいれるべきだ」と言われていますが、脳はとても優秀な創造力を持っています。しかしそれがプラスに働いてくれればいいのですが、時にマイナスに働くことがあります。
それが今回の話のメインでもある、「創造的回避(クリエイティブ・アボイダンス)」。簡単に言うと、「自分がやりたくないことから上手く逃げる能力」です。
子どもたちが家で勉強や宿題をやろうと机に向かっても、
「あ、そういえば宿題の前にやることがあった」
「ちょっとトイレに行ってから」
「お母さ〜ん、犬の散歩行こうかー??」
と他ごとばかりで肝心の全然宿題が進まない時、これが創造的回避です。
素直に「やりたくないからやーらないっ!!」だったら分かりやすいのですが、「いかにも必要そうな用事」や「もっともらしい理由」を生み出して肝心なことを避けようとする所が創造的回避のやっかいな点です。
誰しも「やりたいこと」以外はしたくない
これは、人間誰しもに「やりたいことだけをやって生きていきたい」という本能があるから起きる現象です。やりたいことだけやっていればそりゃ毎日楽しいですもんね。
これを読んでいるお母さんはきっと「そんな毎日が送れるほど世の中は甘くないでしょ」と思うかもしれません。しかし、この記事を最後まで読むと「なるほどね!」と思えるはずです。
子どもたちは、勉強や部屋の掃除は「やりなさい」と言っても全然動こうとしないのに、ゲームやユーチューブやスマホいじりときたら放っておいたら何時間でもやっていませんか??この違いが「やりたいこと」か「やりたくないこと」かです。
子どもでも大人でも、やりたいことだったら自分から積極的にやれるんですよね。
では、「やりたくないこと」ってどんなことでしょうか??
「やりたくないこと」とは、あなたの価値観に合わないこと
あなたの「やりたくないこと」には何がありますか??
もしパッと思い浮かばない時は、「やらなければいけないこと」を考えてみてください。
- 仕事に行かなきゃいけない
- 買い物に行かなきゃいけない
- 掃除をしなきゃいけない
- 苦手なあの人とランチに行かなきゃいけない
- ダイエットしなきゃいけない
当てはまった項目を、あなたは「やらなければいけない」と考えています。そう考えると他にもいろいろあるんじゃないでしょうか。子どもの場合は、勉強や部屋の掃除、習い事などが挙げられると思います。
この「やらなければいけないこと」が創造的回避を生み出す原因になっています。そしてあなたが「やらなければいけない」と感じていることは、あなたが「本当はやりたくない」と思っていることとイコールなんです。
なぜ「やらなければいけないこと」が「やりたくないこと」に繋がるのかと言えば、「やらなければいけない」と思っていることはたいていの場合が自分ではない誰か(親、先生、友だち、社会)の価値観を採用しているからです。
例えば、
「勉強は出来た方が良い」
「友達は多い方が良い」
「稼ぎは多い方が良い」
「体型はスリムな方が良い」
「部屋は綺麗な方が良い」
みたいな価値観です。子どもの頃から周りの大人に繰り返し繰り返し言われてきたことによって、「そうするべきだ」という価値観がいつの間にか出来上がってしまうんですよね。
でも、あなたがそれに対して本当に価値を感じていない場合、つまり「本当はそうでなくても良いんじゃない」と思っている場合、取り組もうとすると「やりたくないこと」として脳が認識してしまい、創造的回避が現れてきます。
「やりたくないこと」をやり続けると自己評価が下がる
「やりたくないこと」ばかりを続けていると、人はどんどん自信を失くしていきます。
そう言われたらあなたはどう感じるでしょうか。
あなたは「やりたくないこと」ばかりやっている人生をうらやましいと思いますか??
そんな生活を続けると脳は変な思い込みを持ってしまいます。
「(ぼくは)やりたくないことしかできない人間なんだ」
「(わたしは)毎日やりたくないことばかりやっている人間だ」
という思い込みです。
そうやって、「やりたくないこと」を続けていると知らず知らずのうちに自己評価が下がってしまうのです。子どもの頃からそんな生活を続けていたら、大人になる頃には口癖が「どうせぼくなんて」とか「こんな私なんか」と自分に自信がない状態になってしまうかもしれません。
「やりたくないこと」は「やらなければいけないこと」でした。ということは、
「◯◯しなきゃ」「次は◯◯やらなきゃ」と思いながら生活していると、どんどん自己評価が低くなってしまうことになります。
なぜなら、自分がやりたくないことをやっているからです。
子どもたちが勉強や宿題を嫌がるのも同じ理由です。子どもが「勉強しなきゃ」と思っているということは、おそらく本人が心からやりたいのではなく、親や先生の期待に応えるためだったり、周りから「良い会社に入るためには勉強が必要だぞ」と言われたからだったりするわけです。
もっといえば義務教育で、よく理由も分からないのに「勉強しなきゃいけない」環境があるから、やりたくないと思えてくるんだと思います。
僕自身が高校生までその状態だったのでよく分かります(笑)
「とりあえず勉強しなきゃ」「テストで良い点取らなきゃ」ってずっと思ってました。
でも、大学生になってから、ぼくの考え方は少しずつ変化していきました。
「やりたくないこと」を「やりたいこと」に変えることができたら、サボったり創造的回避で避けたりしなくて済むということを知ったからです。
どのようにして「やりたくないこと」を「やりたいこと」に変えるのか、その答えは意外とシンプルでした。
「やりたくないこと」は最初「やりたいこと」だった
少し考えて頂きたいのですが、
ぼくたちが今「やりたくないこと」は、もともとは「やりたいこと」だったと思うんです。
例えば、何か習い事をしている子がいるとします。
塾でもスポーツでもダンスでもなんでもいいのですが、おそらくその子は習い事を始める時には最初、自分から「やりたい!!」と思ったはずです。
「友だちがやっていたから」
「その世界のトップに憧れたから」
「親に薦められたから」など
理由はどうであれ、必ず最初は「やりたい」と思ったはずです。
しかしいざ始めてみると、どうでしょう。
ピアノを習い始めた子は自宅での地道な練習を「しなければいけなくなり」、
テニスを習い始めた子は素振りやダッシュを「しなければいけなくなり」、
塾に通い始めた子はゲームや友だちと過ごす時間が減って塾へ「行かなければいけなくなり」。
あっという間に、「やりたいこと」だった習い事が「やらなければいけないこと」に変わってしまいます。
大人でも同じですよね。
「お金を稼ぎたい」と思ったがゆえに人間関係に我慢してつまらない仕事を「しなければいけなくなり」、
「大きな家に住みたい」と願ったがゆえに広い範囲を掃除「しなければいけなくなり」、
「ダイエットしたい」と決意したがゆえに大好きな食事を制限「しなければいけなくなり」。
ぼくたちは、「やりたいこと」を実際に始めると、「やらなければいけないこと」に変化しやすいということをまず覚えておく必要があると思います。
そうやって、やらなければいけないことを増やし続けた結果、脳は創造的回避という能力を使ってぼくたちをサボらせようとしてきます。
「やりたい」が続く時
でも、これに当てはまらず、「やりたいこと」が「やりたいこと」のままということもありますよね。
たとえばあなたが「旅行に行きたい」と思ったとします。
旅行のことを考えるとワクワクしてたまらない状態です。
そんな時は、
- 行き先と日にちを決める
- ホテルの予約をする
- 周辺の観光地を調べる
- 服装を考える
とやることはたくさんありますが、ほとんどの場合ずっと「やりたいこと」のまま進んでいくんじゃないでしょうか。
言い換えると、「早く行き先を決めたい!!」「絶対このホテルを予約したい!!」「すぐに周辺の観光地を調べたい!!」という気持ちのままということです。人によっては旅のしおりや細かいスケジュール表まで作ったりして、とにかく「やりたい」が長続きします。
さて、旅行と家の掃除の違いはなんでしょうか。
答えは、「あなたが本当にやりたいかどうか」です。旅行はあなたが本当にやりたいことで、家の掃除はあなたが本当はやりたくないことなんです。
子どものスマホと勉強も同じ違いです。スマホいじりは子どもが本当にやりたいことで、勉強は本当はやりたくないことなんです。
つまり、「本当にやりたいこと」であれば、どんなことでも積極的にやり続けることができるということです。
「やりたくないこと」を「やりたいこと」に変える方法
ここまで読んだあなたが知りたいのは子どもがスマホいじりより勉強を「やりたい」と思うにはどうしたらいいかだと思います。(人によっては、掃除やダイエットを「やりたい」と思い続けられるようにするにはどうしたらいいのかを知りたいと思います。)
ここまでの話を踏まえてぼくたちに必要なのは、
- 「やりたいと思ったこと」を「やりたいこと」のままにしておく方法
- 「やりたくない(やらなければいけない)と思っていること」を「やりたいこと」に変える方法
ですよね。
それが、子どもたちがテスト勉強や宿題をサボらないことに繋がります。
というわけで最後に、子どもにも大人にも使えるとっても良い方法を紹介します。
「なぜそれをやるのか」を考えよう!!
どんな物事でも「やりたいこと」に変える方法があります。
まずは「なぜこれをやるのか」をよく考えることです。
勉強をする、習い事をする、掃除をする、仕事をする、ダイエットをする。
いろんなことについて「なぜ自分はこれをするんだろう??」と考えてみてください。
子どもと一緒に考えてみてもいいでしょう。
子どもが勉強する理由を考えたことがなさそうであれば絶対に考えておいた方が良いと思います。
例えばちょっと極端ですが、子どもが「勉強する理由→いい大学に入るため→大きな会社に入るため→裕福な生活を手に入れるため」になったとしたら、その出てきた答えに対して「本当に手に入れたいか」を考えてみます。
その結果もしかしたら、「普通の暮らしでいいから毎日笑って過ごせる家族が手に入れたい」と思うかもしれませんし、これからの時代「大きな会社に入ること=裕福な生活を手に入れること」にはならないと気づくかもしれません。
そうなれば、今勉強する理由や、勉強する内容が変わってくると思います。
「やりたい」ゴールを設定しよう!!
これらを踏まえてぼくが1番良いと思う方法は、「ゴールを設定する」です。
ぼくがこのブログを始めた理由にもなっているのですが、ぼくは「人生のコンパス」を持つことが大切だと思っています。詳しくはこちらの記事を読んで頂きたいのですが、ようするに「自分がこの先どうなりたいのか」を考えようということです。
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{人生のコンパス}を持とう!!毎日の"楽しさ"と"幸せ"を増やすために!!
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自分がどうなりたいのかが決まっていると、つまりゴールが設定してあると、
「やりたいこと=自分のゴールに近づくこと」になります。
テニスを習っている子どもが、ゴールを「大会で優勝すること」にしたとすると、その日からの素振りやダッシュ、ノックなどの練習はすべてゴールに向けたステップを1段1段登っていることになります。目標がハッキリしているので、「やりたいこと」がわかりやすいですよね。
もし、練習が「やらなきゃいけないこと」になってしまうのであれば、それはつまり「大会で優勝したくない」と言っているのと同じことになります。
本当にダイエットして痩せてスリムになりたいのであれば、「炭水化物抜きたい!!」「毎日筋トレしたい!!」みたいになるはずってことですね(笑)
逆にもしも明確なゴールがないと、
「やりたいこと=ラクなこと、簡単なこと」になってしまいます。
だから勉強よりもゲーム、掃除よりも雑誌、ダイエットよりも食事となってしまうのです。
というわけで、さいごにまとめますと
ポイント
- 子どもが勉強や宿題サボる理由は「なぜ勉強するのか」「自分はどうなりたいのか」という明確なゴールを持っていないから。
- 「やらなければいけない」と思っていると、創造的回避を脳が生み出すので、「やりたいこと」に変える必要がある。
- 物事をやりたいことに変えるには「自分がどうなりたいのか」というゴールを持とう!!
最後まで読んでくださってありがとうございました。