この記事はこんな方におすすめ
- 自分らしさが分からずモヤモヤしている子どもを持つ母親
- 「私の人生、このまま良いのかな」となんとなく疑問に感じている母親
- 「自分」とは何なのか、よくよく考えたことがない人
「自分らしさとは?」
誰もが一度は考えたことがある疑問だと思います。
上手くいかないことが続いた時や、
理由は分からないけど頭がスッキリしない時、
「自分てなんだろう、このままでいいのかな」なんて考えたりするのではないでしょうか。
思春期であればなおさらのこと、
親の保護から自立へと向かっていく中で
「自分てどんな存在なんだろう」と考えることも多くなるかと思います。
そこで今回は、自分とは何か、考えてみたいと思います。
「自分」て誰??
あなたは自己紹介をしたことがありますか?
自己紹介とは、「自分」という存在を誰かに説明することです。
つまり、そこで紹介できる内容が、「自分」ということになります。
「自分を見つけること」は意外と簡単そうですね。
名前、生年月日、住所、両親の名前、両親の職業、
出生地、職業、学歴、職歴、旦那さんの存在、子どもが何人いるか、
好きな色、好きな食べ物、行ったことある場所、趣味、、、、
自分を説明する情報はいくらでもありそうですね。
しかし、よく考えてみるとここに並んでいるような自己紹介で使う情報というのは、
自分以外の他人の情報ばかりじゃないですか?
名前は親が決めたもの、生まれた日も自分で決めてない、
学歴や職歴も自分以外にも持つことができる情報でしかありません。
自分を説明しようとすればするほど、自分ではない誰かや、外の情報を使わないと説明できません。
つまり「自分」とは、自分以外の情報が集まった集合体なんです。
あなたの携帯番号やマイナンバーは特定の番号が当てられていますが、それは0〜9という元々あった情報が集まって出来た存在です。
0〜9という数字以外をあなただけが持っているならそれはあなたのオリジナルですが、実際は情報を組み合わせて個人を特定しています。
「自分」というのも同じことで、「○○県○○市出身」「○年○月○日生まれ」「血液型△型」という元々あったたくさんの情報が集まってしか「自分」を説明することができません。
今の判断基準も誰かのモノサシ
普段、ぼくたちは選択をします。
実はその選択の判断基準も、小さい頃から誰かに刷り込まれた基準です。
たとえば、お風呂上がりに使うバスタオル。
1度使ったら毎日洗う家庭と、「きれいな体を拭くものだから」と3〜4日に1回の頻度で洗う家庭とありますよね。
もしかしたら、バスタオルはかさばるし乾くのに時間がかかるからフェイスタオルしか使ってないよって家庭もあるかもしれません。
どれがいいとかじゃないんです。
こーゆう話を聞いた時に、自分が当たり前だと思っているやり方以外の方法を聞くと、「え〜、ありえな〜い」ってなりませんか??
それが周りから刷り込まれた判断基準であり、他人のモノサシです。
「こんなこと当たり前でしょ」
「絶対これ大事でしょ」
「普通こっち選ぶでしょ」
これらぜーんぶ、
小さい頃から周りに影響を受けて、判断基準を身につけてきたわけです。
アインシュタインもこんな風に言っています。
常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう
今ぼくたちが当たり前に考えて常識だと思っていることも
実は小さい頃から他人の考え方や社会のルールを受けて身についたものだったということになります。
今回の話は、「自分とは何なのか」でしたね。
自己紹介で話す「わたしってこんな人です」は
全て自分の周りの情報でしかなく、判断基準すらも他人の影響を受けていたとは、、、。
本当の自分とはいったいどこにいるのでしょうか。。。
自分作りに影響を受ける3大要因
本当の自分の見つけ方の前に、自分作りに影響を受ける3大要因を紹介します。
今のあなたが他の人からの刷り込みによって判断基準を持っているように、あなたの子どももどんな人や物と関わるかで、今後どんな判断基準を持つかを左右されます。
子どもは今の環境からどんな影響を受けるでしょうか??
子どもが影響を受けやすい3大要因は、親・先生・メディアの3つです。
親
発達心理学の世界では、成人が無意識に下す判断のうち、8〜9割が親のモノマネであるといわれています。
それくらい親からの影響は大きいのです。
子どもが、将来のなりたい職業に「公務員」「大企業」を選ぶのも親の言葉を影響を受けている可能性が大きいです。
「お金が大事」「安定した仕事に就く」「結婚するならこんな人」
ほとんどが親からの影響を受けています。
また、性格面でも、小さい頃から親から言われ続けたまんまの子になると言われています。
「ほんとに落ち着きがない子だね(笑)」「失敗ばかりする子だね(笑)」と何気なく言っているつもりでも、小さな子どもはまだ判断基準がないので、親から言われたことを判断基準の参考にします。
その結果、「ぼくは落ち着きがない子なんだ」「わたしは失敗ばかりする子なんだ」とその状態により近づこうとします。
先生
子どもが大きくなると、先生と呼ばれる存在の影響が大きくなります。
保育園や幼稚園の先生、学校の先生、習い事の先生、子どもの周りには先生がたくさんいます。
その先生たちは、一人一人違う価値観を持ち、それぞれの人生を生きてきて
その結果「これが正しい」と信じていることを子どもたちに伝えていきます。
その先生の口癖、子どもへの思い、時代の変化に対する敏感さなどなど、子どもたちが受ける影響は大きいです。
とりわけ、親から受ける影響と同じで、
先生から「君は◯◯だね」と言われることを子どもは自分の判断基準として
その姿に近付こうとします。
残念ながら、先生というのは大抵の場合選べません。
にも関わらず、親と過ごすよりも長い時間一緒に過ごす先生と子ども。
その先生が何を大切にして、どんな価値観を持っているのか。
子どもへの影響は大きいです。
メディア
メディアとは、テレビCM・ネット・雑誌・街で見かける看板などのことです。
大人が「いいな」「これ欲しい」と思うファッションも、日用品も、家電も、
たいていはどこかのメディアで見て、好きな芸能人が紹介していたからとか、とってもお得で便利そうだったからとか、そういう理由が多いと思います。
「流行」と呼ばれるものはまさにこれですよね。
子どものためにと与えるおもちゃや習い事も、自分で開発して「これは絶対に子どもに良い!!」と思ったわけではなくて、どこかの誰かが「これ良いですよ」と紹介していたもののはず。
これを読むと、親・先生・メディアの存在が子どもにとって悪いと思ってしまうかもしれませんが、
そうではありません。
他人から影響を受けることや刷り込みを受けることが悪いわけではなくて、「誰から影響受けるか」「自分がどんな刷り込みを受けているのか」が重要なんです。
子どもたちに伝えたいのは、
自分自身の価値観だと思っているものは実は誰かから影響を受けた価値観で、
自分のモノサシで堂々と生きているつもりでも実は他人のモノサシを使って生きている大人が多いんだよ
という事実です。
「本当の自分らしさ」とは??
さて、自分という存在が、実はほぼ全て「他人から影響を受けて出来ている」と分かりました。
「本当の自分」という大きな箱の中に、他人の価値観やどこかの誰かが決めたルールが山ほど詰まっているわけです。
ということは、あなたの「本当の自分らしさ」とは小さい頃からの他人からの刷り込みを取り出したあとにまだ残っているもの、
もしくは、全部取り出して空っぽになったあとに新しく入れるものということになります。
「本当の自分らしさ」の見つけ方
結論を言うと、今自分が持っているモノサシを捨てない限り、本当の自分には出会えません。
自分探しといってインドを放浪しても、
ヒマラヤ山脈の神聖な山に登っても、
自分のルーツは見つかりません。(※実際に行ったので確認済みです笑)
なぜなら、自分のルーツは育ってきた環境にあるからです。
ただ子どもたちは幸い、まだそのルーツを作り上げる途中にいます。
そこで、子どもたちに「本当の自分らしさ」や「自分のモノサシ」を持ってもらうために、
こんな質問をしてみてください。
「それを選ぶことで、誰を喜ばせたいの??」
すると、子どもたちは考えます。
ママかな、パパかな、◯◯先生かな、同じクラスの◯◯ちゃんかな。
その結果、
「じぶん!!」
と答えがでたら両手を上げて喜びましょう。
その子は他人のモノサシを使って他人を喜ばす前に、
自分のモノサシを持って自分を喜ばそうとしているということですから。
もしかして、
「そんなことを続けたら自分勝手な子にならないかしら」なんて考えてませんか?
その考え方がもうすでにどこかの誰かが決めたルールであり他人のモノサシです。
「自分勝手は良くない、周りに合わせなければいけない」というモノサシを持っているんです。
ママのため、パパのため、社会のためと考えるのは必要なことですが、その前に大前提として、
「自分自身も嬉しいことで、◯◯のためにもなることを選ぼう」と思えること。
それが本当の自分らしさを手に入れて生きている大人の姿ではないでしょうか。
というわけで、まとめです。
まとめ
ポイント
- 自分とは、自分以外の情報が集まった集合体
- 当たり前だと思っている判断基準や価値観もどこかの誰かが決めた他人のモノサシ
- 子どもの頃の自分作りに大きな影響を受けやすいのは親・先生・メディア
- 本当の自分らしさとは、他人のモノサシを一度捨てたあとに残っているもの
- 子どもが自分のモノサシを持つための質問は、「それを選ぶことで誰を喜ばせたいの??」
- 自分自身も嬉しいことで、他人も喜ぶ選択肢が理想的
この機会に一度、子どもと一緒に、どんな「他人のモノサシ」があるか、考えてみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでくださりありがとうございました。