現代の子どもは「頭でっかち」と言われることが多いようです。
もちろんこれは体の大きさに比べて頭が大きくてアンバランス、、、というような話ではなく、「理屈や知識ばかりで実践がともなっていない」という意味での頭でっかちです。
確かに、現代はインターネットを使えば何でも調べることが出来ますし、ビジュアル重視の図鑑や本からたくさんの情報を得ることができるようになっています。
しかし、人間が頭を柔軟に使うためには知識だけでは不十分で、「体験すること」が必要になります。
そこで今回は、子どもの創造力を養うために「なぜ体験することが大切なのか」、そして「どんなことを体験すれば良いのか」の2点に絞って話を進めたいと思います。
なぜ「体験」することが大切なのか?
知識を学ぶだけではなく「実際に体験すること(実体験)」が大切な理由は、シンプルです。
「物事への理解が深まる」からです。そして同時に、創造力を養うことにも繋がります。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の発達心理学者、シーモア・パパート名誉教授は「知識は理解するということの、ほんの一部に過ぎない。本当の理解とは"体験"から獲得するものである」という言葉を残しています。
また、『センス・オブ・ワンダー』や『沈黙の春』の著者であるレイチェル・カーソンも『「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない』と言い切っています。
机に座って学べることも有益ですが、それだけではダメで、むしろ実際に体験し、試行錯誤を繰り返す中で本当の学びが得られるということなのでしょう。そしてその過程で「創造力」も養われるのです。
どんなことを「体験」すればいいのか?
では、子どもの学びを深めるため、また創造力を養うためには、どんな「体験」をするのが良いのでしょうか。
今回は3つ紹介したいと思います。
何かに「なりきる」
何かに「なりきる」ことは、子どもが体験する上でとても大切なキーワードです。
例えば、電車が好きで運転手や車掌になりきって真似をする子どもは、動きや音を観察して実際にやりますよね。お姫様になりきる子どもも、動き方や言葉遣いを繰り返し真似る中でどんどん上達していきます。
この時、子どもたちは周りの大人に「やりなさい」と言われてやっている訳ではなく、自分から主体的に取り組んでいると思います。
そういった「なりきる」ことが子どもの体験を増やす重要な機会になります。
自然体験で五感を耕す
この数年話題に上がり続けている教育方法に「モンテッソーリ教育」があります。フェイスブックの創業者や棋士の藤井聡太さんなどが幼少期に受けていた教育方法としてとても有名です。
モンテッソーリ教育は子どもの自立を目指す教育方法として人気があるのですが、中でも「感覚教育」を大切にしていることでも有名です。
「感覚教育」というのは五感(視覚・聴覚・聴覚・嗅覚・触覚)を養うことで創造力や表現力を育みましょうという考え方であり、自然環境での体験や日常生活でお手伝いをたくさん行うなど、体を動かして五感を刺激することを重視しているのです。
もちろんここで言う「自然環境」というのは大自然の中だけでなく、近所の公園や保育園の園庭なども含まれます。
シンプルに言うならば、「子どもが自らの五感を使い、体を動かして何かをするということが重要」だということです。
何かを創作する
「何かを作る」「組み立てる」という行為は、直接的な体験です。
- 廃材を組み合わせて何かをする。
- 工作セットを組み立てる
- 折り紙を折る
- プログラミング教材を使ってロボットを動かす
これらは全て子どもの創造力を養う「体験」です。
自分で作りたい物を考えてそれに近づけるために試行錯誤することは、創造力を刺激しながら手を器用に使うことも求められるので、総合的に能力が育まれていきます。
まとめ
今回は、子どもの創造力を養うために「なぜ体験することが大切なのか」、そして「どんなことを体験すれば良いのか」について紹介しました。
体験することが大切な理由
知識を詰め込むだけよりも、物事への理解が深まるから。
どんなことを体験すれば良いのか
- 何かに「なりきる」
- 自然体験で五感を耕す
- 何かを創作する
子どもが実際に体験することがどんどん減ってきているので、豊かな創造力を養うためにも、子どもたちが自分の手足を使ってできる活動を取り入れていきましょう。
参考書籍
最後まで読んでくださってありがとうございました。