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なぜ日本の子どもは年齢が上がるにつれて自尊感情が低下するのか。

かんかん

日本の子どもにおける大きな問題の1つとして「自尊(じそん)感情の低さ」があります。

「自分に自信がない」「自分は間違っていると思いやすい」

そんな子どもがたち多くいるということです。

日本の子どもたちに特徴的なのは、子どもが小さなうちは自尊感情が高い子が多いのですが、小学生→中学生→高校生と年齢が上がるにつれてどんどん割合が減っていくことです。

 

今回は、「なぜ日本の子どもは年齢が上がるにつれて「自尊感情」が低くなってしまうのか」、そして、「どのようにすれば自尊感情を高めることができるのか」を紹介したいと思います。

 

子どもの自尊感情が低くなる理由

子どもの自尊感情が低くなる理由にはさまざまあると言われていますが、その中の1つに、日本の学校のテスト・受験制度があります。

子どもの自尊感情が低くなる原因について、

「受験でみられるような『閉じた問い(回答範囲が限定された問い)』とそれに基づく評価が挙げられるのではないか」と小児科医でお茶の水大学名誉教授の榊原洋一氏は指摘します。

「たったひとつの正しい解を追い求める行為を繰り返していると、子どもは自分のできないことにばかり目が向くようになる」といいます。

これはつまり、日本のテストや受験で用いられている「たったひとつの正解」を見つけるような学習方法を繰り返していると、世の中の出来事に対しても、「正解はひとつなんだ」「間違えたらダメなんだ」という狭い視点でしか物事を考えられなくなってしまうということです。

それとは逆に、世界中のいろいろな分野のトップクラスで活躍する人たちは物事を多様な視点で見ることが出来るそうです。

シドニー大学の神経科学者、アラン・スナイダー教授の研究では、世界中のスポーツ選手、政治家などを調べた結果、どの分野においてもトップに立つ人は、多面的な方法で物事を見ようとしていることが分かりました。

 

テストの仕組みや受験の仕組みをすぐに大きく変えることはなかなか難しいため、日本の子どもたちには「正解はひとつだけではない」「物事には多様な視点がある」ということを同時に学べるようにしなければなりません。

そこでここからは、子どもが「多様な視点」を身につける方法をいくつか紹介します。

子どもが多様な視点を身につける方法

ポイントは3つです。

  • 「安心して話せる」
  • 「答えがたくさんあることを体験する」
  • 「さまざまな人の生き方を知る」

 

「安心して話せる」

子どもが何かをいう時は、自分なりに思考を巡らせて考えたことや思いついたことを話します。

しかし、発言をした時に「それは間違っている!」「こっちが正解だ!」と言われたらどうでしょう?大人でも少し落ち込みませんか?

「間違うのではないか」「ばかにされるのではないか」「否定されるのではないか」と感じてしまうと、自分の意見や思いを表現できず、「自分は間違っているから」と思うようになってしまいます。

自由に発言したり、気軽に質問や反論ができる雰囲気を作ることが重要です。

 

「答えがたくさんあることを体験する」

学校のテストや受験で「正解はひとつ」「間違えたらダメ」という体験をしてしまうのであれば、他の場所で「正解はたくさんある」「間違えてもよい」という体験をすれば良いのです。

日常的なことで言えば、本を読んだり映画を観たあとで家族で感想を伝え合います。感想とは「◯◯だと思った」「〜だと感じた」という内容で、そこには自由な答えが生まれます。

同じ物を観た時に家族で捉え方が違うことを共有することで、子どもはたくさんの視点があることを実感できます。

また、料理をすることもオススメです。

料理をすれば「正解はひとつではない」という体験ができます。レシピを検索すると、同じ献立でもさまざまな作り方があり、味の濃淡や風味の違いがあることがわかります。

また、料理では想定外のハプニングが起きることもあるので、そのつど柔軟に対応し、試行錯誤をする経験にもなります。

 

「さまざまな人の生き方を知る」

多様な視点を学ぶのに特にオススメなのが、いろんな人と出会うことです。

親や祖父母以外の人と話すことで、さまざまな人生観に触れることができます。

日頃の考え方、人生の楽しみ方、失敗体験やその乗り越え方など、人によっていろいろな選択肢があることを知ることで子どもの視野も広くなっていきます。

また、この考え方の延長線として「過去の人と出会う」ことも有効です。

偉人伝などの伝記や歴史上の人物が登場する本や映画を見ることで、多様な考え方を実感することができて、正解か不正解かだけでは評価されない世界観を学ぶことができるのです。

 

まとめ

今回は「なぜ日本の子どもは年齢が上がるにつれて「自尊感情」が低くなってしまうのか」、そして、「どのようにすれば自尊感情を高めることができるのか」を紹介しました。

安心して自分の思いが表現できる環境の中で「多様な視点」を学ぶことで、自尊感情が低下することなくいろいろな視点から物事を考えられるような人になることでしょう。

また、子どもが外から持ってきた新しい考え方や現代の新常識を親が否定してしまう場合にも注意が必要なので、親自身も、自分が正しいと思っていることが本当に現代でも正しいのか、つねに価値観を更新し続ける必要もあるようです。

 

参考書籍

「この本は、子育て参考本の永久保存版です!」

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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