昨今、子どもの「◯◯力」を育てようという話をよく聞きますが、それらの力の土台とも言えるべき子どもの「聞く力」に目を向けたことはありますか?
ネットが発達した現代、コロナ時代もあいまって、人と人が直接関わる機会は大きく減ってしまいました。
その代わりにスマホやタブレットの画面の中で文字や映像を通してコミュニケーションをとる機会が増え、結果として子どもたちは「目の前にいる人の話をじっくり聞く」という経験がしにくくなっています。
コミュニケーションとは「聞く」と「伝える」の両輪が揃ってはじめてスムーズに行われるもの。そのバランスが重要です。
そこで今回は子どもの「聞く力」を育てる方法を紹介したいと思います。
「聞く力」によって育まれること
「聞く力」は人の話を聞き、理解するためにとても重要なスキルです。
「聞く力」が十分に育つと次のような能力も養われます。
「聞く力」で養われること
- 学力
- 語彙力
- 集中力
- 忍耐力
- 共感力
これら全ての力が、「聞く力」を土台にしていると思うと重要な気がしてきますよね。
学力
先生が言っていることや動画教材で話される内容を理解するためには、まず第一に「聞くこと」が必要です。
「聞く力がしっかり育つことで内容がよく理解でき、理解することが楽しいからもっと聞きたくなる」という好循環が生まれます。
実はこれ、英語も同じです。大人になってから英語を学び始めたぼくの実体験ですが、リスニングができないと会話が成り立たないことにすぐに気がつきます。まずは聞くことを最優先に。これが外国語が上達する秘訣です。
語彙力
子どもの頃は聴力が非常に優れています。大人では聞き取れないような高音を聞き分けたり、数回聞いた歌をあっと言う間に覚えたり。
言葉を覚えていくステップも、まだ話せないうちから周りから聞こえてくるたくさんの音を「聞いて」いるからこそのたまものです。
なので赤ちゃんの頃から日常的に聞いている音が日本語であれば日本語を覚えていきますし、英語であれば英語を覚えていきます。すごくシンプルです。
また、成長の段階に応じて「聞く」ことで新しい言葉や表現を学んでいきます。
集中力
絵本の読み聞かせを聞いている時や相手の話を聞いている時というのは子どもがとても集中している時間です。
よって「聞く力」が育つということは集中力が育つということでもあります。
忍耐力
これも集中力に近いですが、相手が話している時には「最後まで相手の話を聞く」という忍耐力が必要です。相手の話を遮って自分の話したいことばかり話していると、相手もうんざりしてしまいますからね。
「聞く力」を持つということは、相手が話している時によそ見したり割り込んだりしないという忍耐力を養うことに繋がります。
共感力
子どもの頃は、「ぼくが」「わたしが」と自分を表現したい気持ちの方が強くあります。それも成長の過程として必要なステップなのですが、大人になる頃には相手の気持ちも聞ける力が必要です。
「聞く力」が高まることで「この人はこんな考え方をしているんだ」「そういう見方もあるんだな」と相手の思いに共感する力も身につけていくことができます。
では、「聞く力」の大切さが分かったところで次に「どのように子どもの聞く力を育てればいいのか」を紹介します。
「聞く力」の育て方
「聞く力」を育てる方法として、今回は3つ紹介したいと思います。
どれも何気ない日常生活の中で取り入れられることばかりですので、ぜひ実践してみてください。
(すでに実践している場合は「今、聞く力を養ってるんだなこの子は」と感じながら実践し続けてあげてください^_^)
本の読み聞かせ
「聞く力」を養う方法と聞いて1番最初に思い浮かぶのが「読み聞かせ」ではないでしょうか。
まずは文字の少ない絵本からはじめて、子どもの成長に沿って絵が少ない物語などを読み聞かせてあげましょう。
1日5分の読み聞かせでも十分です。話を聞くことで子どもの頭の中にはイメージが広がるので想像力を養うことにも繋がります。
親が子どもの鏡になる
22か国語に翻訳された名著『子どもが育つ魔法の言葉』(PHP文庫)の著者、ドロシー・ロー・ノルト博士は、「子どもは親を手本にして育つ。毎日の生活での親の姿こそが、子どもに最も影響力をもつ」といっています。
日本でもよく言われる「子どものは親の言うことはやらない。親のやることをやる。」と似たようなことですね。
子どもは身近な大人が自分の話を聞いてくれる時の姿をみて、「なるほど、人の話を聞く時はこうすればいいのか」と学びます。
伝言ゲームをする
これは、家族や友達と楽しみながら「聞く力」を育む方法です。
小学校などのクラスのレクレーションで伝言ゲームをした記憶がある方も多いのではないでしょうか。
ゲーム感覚で伝言をお願いすることで子どもは楽しみながら「聞く力」を習得ができます。
もちろんゲームですので間違っても怒ったりせず「次は正解できるようによく聞いてみよう!」と明るく終わりましょう♪
ワンポイント
そんな時はひと工夫。
「アレクサ」や「OK,Google」などのスマートスピーカーを活用しましょう。iPhoneの「Siri」でも良いと思います。
子どもに「カレーライスに必要な材料をアレクサに聞いてきて」「100+100の答えを聞いてきて」「聞いたらママにも教えてね」とお願いすれば立派な伝言ゲームになります。
もちろん人と対面で「聞く力」を育むことが1番の方法ですが、ゲーム感覚で遊ぶにはとても良い方法です。
まとめ
今回は、子どもの「聞く力」を育てる方法を紹介しました。
「聞く力」を育てる方法
- 本の読み聞かせ
- 親が子どもの鏡になる
- 伝言ゲームをする
「聞く力」は生涯を通して大切な能力です。家庭で実践できる所からお試しください^_^
参考書籍
最後まで読んでくださってありがとうございました。