こんにちは、現役保育士の柴田和輝です。
数年前まで公務員として日本の保育園で働いていたぼくですが、
「海外の保育を知りたい!!」「海外ってどんな保育してるんだろう??」という思いから、
安定と言われていた公務員を辞めました。
そしてワーキングホリデービザを使ってオーストラリアへ留学し、
現地で英語を勉強してオーストラリアの保育士資格を取った上で、
約5ヶ月間、オーストラリアの保育園(チャイルドケア)で働きました。
その約5ヶ月間で現地の保育園で様々な経験をすることができたので、
その中で学んだこと、気がついたこと、日本の子育て•保育との違いなどを記事にまとめています。
この記事はこんな方におすすめ
- 保育園・幼稚園の先生
- 子育て中のママ・パパ
- 海外での仕事に興味がある方
※注※
記事中では、ぼくがオーストラリア(シドニー)で働いていた園の名前をP園と記載しています。
今回のテーマは「保育園に通う子どもたちの国籍。グローバルな環境について」です。
P園ではほんとにたくさんの国をバックグラウンドに持つ子どもたちが通っていて、
ディズニーランドにある「イッツアスモールワールド」のリアル版でした。
さまざなま国の子どもたちがいる環境
今回の話は、ぼくがオーストラリアの保育園で学んだことの中でも1、2を争うほどの素敵な事実です。
それは、園にいる職員や園児のバックグラウンドについてです。
ぼくが働いていたP園では多くはオーストラリア人の子どもが通っていたのですが
オーストラリアはものすごく移民の多い国なので、
アジア系、インド系、アフリカ系、ヨーロッパ系、中東系、オセアニア系などなど
様々なバックグラウンドを持つ両親の子どもたちが通っていました。
ディズニー映画「トイ•ストーリー3」を観たことある方は、
舞台になっている保育園の子どもたちをイメージしていただければわかりやすいと思います。
外見では、
肌の色が違い、
髪の色が違い、
目の色が違う子どもたちが同じ部屋で同じおもちゃで仲良く遊んでいる姿は日本の園では見たことがなかったので、すごく新鮮でした。
職員も様々なバックグラウンドを持っている人たちばかりで、
オーストラリア人の先生も多いですが、
他にはタイ•中国•ベトナム•ロシア•フィジー•バングラディシュなどの先生がいました。
移民の先生たちはみんな母国語と英語を話せるので、
先生たちのランチタイムに休憩室で自分の国の家族に電話などしていると、
あっちでタイ語、こっちで中国語、正面でヘブライ語が聞こえるなんてことがしょっちゅありました(笑)
子どもにとって良いことがたくさん!
様々なバックグラウンドを持つ子どもや先生が保育園内にいる環境は、
働きながらすごく良いなぁと思った点です。
具体的には、
この多国籍な環境できちんとした教育を受けて育ったら人種差別とかしない人間が育つだろうなとか、
大人になって違う国の人と話すときに緊張とか抵抗とかなくなるだろうな、とかです。
2〜3歳児クラスの子どもたちを見ていると、
子どもたちは、相手がオーストラリア人の子どもだろうとタイ人の子どもだろうとインドの子どもだろうと、
そんなことお構いなしに友だちとして遊んでいます。
言葉(英語)の発達がお互いにまだ不十分なところがあるので、一緒に遊ぶ基準は、「たまたま近くにいる」とか「自分が遊びたいおもちゃで先に遊んでいる」が多いように思いました。
そして、5歳くらいになると周りの子どもの髪の色や目の色の違いに興味を持つ子もいましたが、
そこでおとな(保育士)が「世界には見た目が違ういろいろな人が住んでいるんだよ」と教えてあげれば子どもは「そうなんだ」と納得してました。
世界地図や地球儀に興味を持つ子どももいて、
「ココは◯◯ちゃんの国、ココは〇〇くんの国」とイメージしながら地理感覚を覚えていました。
ただの「違い」であって、優劣の「差」ではない
このような状況で、P園で大切にしていたのは、
見た目にしても考え方にしても、
ただ「違いがある」ということだけを伝え、
それはべつに「(優劣の)差ではない」としっかり伝えていくことでした。
どっちが偉いわけでもないし、良い悪いの問題でもなく、「ただ違う」。
それだけの話です。
(国同士のトラブルは、宗教や政治などもあいまって、この部分が原因になっていることが多いようです。)
日本の保育園•幼稚園では「周りには日本人ばかり」「先生も日本人ばかり」という環境がほとんどだと思うので、日本人以外と直接接する機会というのが非常に少ないです。
その結果、テレビやネットから得た情報や映画でのイメージなどが印象に残り、
「あの国の人は◯◯だよね」「◯◯人はあんまり好きじゃないな」と一方的に決めつけてしまったり、街で日本人以外に声をかけられたりすると異常に緊張してしまったりする可能性が高くなるでしょう。
何を隠そうぼく自身がそれでした(笑)
生まれてから24年間日本でしか生活したことがなかったぼくは、
オーストラリアで生活を始めた当初、
緊張と英語への苦手意識で人に道を尋ねることすらできませんでした(笑)
その点でいうとP園の子どもたちは、
子どもの頃からヨーロッパ系•アジア系•インド系•アフリカ系•オセアニア系、、、と様々な外見の子どもたちと一緒に生活をしているので、「そういった人たちがいることが当たり前」の環境で成長していくことになります。
そのまま大人になればあの子たちは、
世界中にはいろんな人がいて、見た目や宗教や習慣や文化が違う環境がたくさんあるんだということに柔軟に対応出来る可能性が高くなると思うんですよね。
いろんな外見の人が身近にいて身を持って関わっている分、親近感が湧きやすいのかなって。
国際文化交流が日常的に行われる
先ほども書きましたがP園は職員も多国籍で、
ベトナム、ロシア、タイ、ネパール、バングラデシュ、フィジーなどなど
様々な国の人たちが働いていました。
ちなみに、ぼくがP園で働いていた当時、日本人はぼく1人だけでした。
園児にも日本の子はいなかったので、完全なオンリーワンジャパニーズでした。
そして、男性職員もぼくだけだったので、園内では相当レアな存在でしたね(笑)
さて、そんな多国籍な職員メンバーが揃っているので、
保育中にはそれぞれの先生が故郷の手遊びをしたり、
自分の国の子守唄を歌ったりして、
子どもたちは日常的に国際文化交流ができていました。
4歳や5歳くらいになるといろんな国の挨拶や数字の覚え方にも興味を持つ子がいて、
ぼくも日本語で「こんにちは」や「ありがとう」を教えてあげたり、
簡単な手遊びを教えてあげたりしました。
そうやっていろんな文化を日常的に(しかも本国の人から)学べるのはとてもいいことだと思いました。
職員同士でも、会話では、
日本人同士だったら「あなたの家はどんな感じ?」とか、
「生まれ育った地方や地元」の話になるくらいですが、
ベースは日本の文化であり、日本語です。
しかしP園だと、
「あなたの国はどうなの?」「私の国では、〜よ」みたいな、日本人のぼくからしたらすごいスケールの大きな話が日常茶飯事でした(笑)
良い影響が大きい分、その逆も影響大?
いろんな国籍の子どもたちや職員がいる環境で生活するのは子どもにとってすごく良いと思いますが、
重要なのはその環境にただ身を置くだけじゃなくて、その中でどういった経験をしていくかです。
そして、周りの大人がどういった教育をしていくかです。
実際に働きながら、その難しさについても考えていました。
たとえばもし、インド系の子どもがアジア系の子どもに理不尽な意地悪をされ続けたとしたら、
そのインド系の子どもは「アジア系の人間は意地悪だ!」「僕はあの人種は嫌いだ!」って思いを抱えたまま大人になっていくかもしれません。
良い方向にもそうでない方向にも影響が大きいです。
だからこそ、親や保育園の先生、学校の先生といった教育者という立場の人たちがしっかりとした考え方を持った上で子どもたちと関わっていく必要があるんだなと思います。
さいごに
今回は、P園の多国籍な環境について書きました。
複数の国の子どもと複数の国の保育士が働く保育園という、日本ではなかなか経験できない環境だったので子どもたちの生活の様子や職員同士の生活の様子を間近で見れて学んだことがたくさんありました。
最後にもう一つ、保育園にいろんな国の職員がいて良いなと思ったのは、
保護者の中には旦那さんの転勤についてオーストラリアに来たけど英語が全く話せないお母さんも少なからずいたんですが、
P園にはいろんな国をバックグラウンドに持つ保育士がいたので、担任が英語しか話せない場合などには違うクラスの先生が呼ばれて、
「ちょっとベトナム語の通訳して欲しいんだけど〜」とか
「この内容、タイ語で伝えといて〜」っていうのをあっちでもこっちでもやってたことです。
母国語しか話せないお母さんにとってはすごく安心できる環境だったと思うので、そういう面でもオーストラリアの多国籍感はすごく良いなぁと思いました。
こーゆうのを「グローバルな環境」というのか、、、と身を持って体験しました。
日本もいつかはこんな環境が当たり前になる日が来るのかなぁ、、、、
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