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日本と全然違う!!オーストラリアの保育園はこんなに働きやすかった

かんかん

日本で保育士をしていたぼくが、「海外の保育を経験してみたい!」と日本を飛び出し、そこから必死に英語を勉強し始めて、ついにオーストラリアの保育園で働くことができました。

 

そして、オーストラリアの保育園で感じた日本とは全然違う労働環境。今回は、日本とオーストラリア、2つの国の保育園で働いてみたからこそ分かったことをまとめようと思います。

日本では給料の低さ、持ち帰り仕事の多さ、なかなか取れない休憩などが労働環境の問題となっていますが、オーストラリアではこのようになっていました。

 

オーストラリアの保育園と日本の保育園の違い

違いその1:給料が良い

nattanan23 / Pixabay

これはもうダントツで知ってもらいたいことです!

日本では保育士の待遇や賃金の低さについてニュースでも話題になっていますが、オーストラリアの保育園は給料がめちゃくちゃ良いんです!

 

オーストラリアには保育士の資格が3種類あるのですが、ぼくが取得したサティフィケート3という一番手軽に取れる資格で、パート職員として働いていても時給が20ドル〜25ドルくらい。

日本円(1ドル90円計算)だと時給1,800円〜2,250円です。

 

ちなみにぼくは時給20ドルで働いていました。別のセンター(保育園)で働いていた友だちは、同じ資格で時給25ドルもらっていました。

 

同じ資格でもセンターによってばらつきがありますが日本の保育園でパートとして働くと大体時給900円〜1,200円くらいの所が多いと思うので、日本よりは断然良いです!

 

一番上の資格だと、時給35ドル(約3,150円)以上になることあるみたいです。

時給3,150円で8時間働いたら2万5,000円、、、それを週5で、、、、

はッ!!保育はお金のためだけにやる仕事じゃない!!笑

 

けれどもやっぱり給料は大事。

日本の保育士ではちょっと考えられないような金額が、オーストラリアでは稼ぐことができます。

 

 

違いその2:正規職員でも残業がない

Free-Photos / Pixabay

サービス残業の巣窟と化している日本の保育現場。

日案、月案、年案作りに始まり、次の日の保育の準備、月ごとの行事の準備に毎日追われながら、発表会の衣装を作ったり運動会や保育参観で披露する踊りや歌の構成を考えたりし、加えて子ども一人ひとりのために個別記録をひたすら書く。

保育園や幼稚園の先生は日々子どもたちのために頑張っています。

 

保育中というのは先生は子どもたちに付ききりになるので、その間は書類作成や行事の準備などがほとんどできません。労働時間が8時間と決められているのに、例えば保育園の場合だと基本の保育時間は8時間と決められています。

 

子どもが保育園にいる時間と保育士の労働時間が同じで、その間は書類作成や準備ができないとわかっている、、、じゃあいつやるの?

 

今の日本の保育現場では、それは「子どもたちが帰ったあと」です。つまり、拘束時間外、残業です。

 

残業した分、残業代出るのかな??

 

出ない出ない!!

 

もし身近に保育園や幼稚園の先生がいたら聞いてみてください。

 

残業とか持ち帰り仕事どのくらいあるの?残業代つくの?って。

 

ものすごい勢いで「そんなの出ない出ない」って返ってくると思いますよ。

 

さて、日本の保育現場ではそうですが、オーストラリアでは全然違います。

 

オーストラリアでは正規職員でもパート職員でも、退勤時間がきたら定時でパパッと帰ります。

ほとんどの職員は、勤務時間を5分過ぎた頃にはもう園内にいません。笑

 

圧倒的な素早さ。

 

「残業はしない」という習慣が職場内にものすごく浸透していて、

仮に残業するとしても残業代出ないとしたら非難轟々で経営者はとてもやっていけなくなると思います。

 

仕事は仕事、プライベートはプライベートという割り切りが日本よりも強いです。

 

園長先生も正規の職員も毎日定時出勤・定時退勤です。

女性がたくさん働いている職場の労働環境としてはものすごく良いと思います。

 

まぁ、オーストラリアの保育園がこのよう労働環境なのにはそれなりの理由があるのですが、労働環境については日本も同じようにした方がいいのではないかと本気で思います。もしくは正当に残業代をもらえるようにするとか給料を上げるとか、、、ね。

 

 

違いその3:書類や行事の準備を勤務時間内にできる

Free-Photos / Pixabay

これは、「残業がない」ことの理由の一つです。

 

オーストラリアも日本と同様に、在園している子ども一人ひとりの個別記録や個別指導案(その子の成長や発達のためにどんな関わりや経験ができるといいかを書いたもの)があります。

 

オーストラリアではそれらの書類を、勤務時間内に、もちろん子どもがいる部屋から離れて、作業することができます。その間の子どもの保育は僕らのようなパート職員が行います。

毎日1時間や2時間その時間があることがどれだけ助かることか。

 

違いその4:作り物、行事の準備がほぼない

bodobe / Pixabay

ぼくが働いていたセンター(保育園)では、毎日のいわゆる設定保育(折り紙やお絵描き、廃材を使った製作など)がほぼありませんでした。

 

そして、毎週のように行事(園内イベント)が立て込んでいる日本の保育所とは違って、オーストラリアで園内イベントといえば、クリスマス会と卒園式くらいでした。

 

見方を変えれば日本の保育園ではイベントが多いということで、子どもを楽しませる行事が多いとも言えます。

ですが、そのために保育園の先生が家に仕事を持ち帰って画用紙をチョキチョキしたり衣装を作ったりしていることになるのはいかがなものかと、どうしても思っちゃいます。

 

その点、オーストラリアの保育園では行事自体が少ないので、当然準備も必要なくなります。

 

 

違いその5:休憩がちゃんと取れる

保育士関係なく考えて欲しいのですが、仕事における休憩とはどんなイメージでしょうか??だいたいの職種の人が、昼休憩を「昼食をとるための休憩」とイメージするんじゃないでしょうか。

 

しかし保育園や幼稚園では違います。

保育士はお昼ご飯は子どもたちと一緒に食べるんです。

なぜならそこでの教育も大切だから。

食事中のマナー、食材の話など、毎日の食事を通して子どもに伝えていくことがたくさんあります。

 

集団生活の場で食事をするからこそのマナーを学ぶことのできる大切な機会でもあるし、食事中というのはコミュニケーションを取るためのすごく良い環境であったりもします。

このような理由から日本では昼食を子どもと一緒に食べる保育所が多いと思います。

 

 

オーストラリアの園では、年長児のクラスでも子どもが昼食を取るときは先生は食べず、子どものお世話にだけをしていました。そして、子どもたちの食事が終わった後で順番に休憩を取り始め、そこで昼食を個々にとっていました。

 

休憩について日本とすごく違うと思った点が一つあって、

それは「休憩を取らないと怒られる」ということ。

 


ぼくが働き始めたばかりの頃、その日は職員がいつもより少なくて、さらに子どもたちも全体的に落ち着きがなくてケガやトラブルなどが絶えずとても忙しい日でした。

昼頃に「どうやって今日の休憩を回そうか」という話になったので、ぼくは良かれと思って「今日の休憩はいつもの半分でいいよ」ってリーダーの先生に声をかけました。

 

そしてら「何言ってんの!!ランチブレイクは権利なんだから絶対に取らなきゃダメよ!!」って結構強めの口調で言われました。(笑)
英語のネイティブスピーカーが強い口調で言うと結構迫力あります。笑

 

他にも、
違う日にぼくが休憩終了の5分くらい前に仕事に戻ろうとしたら、「まだ時間あるでしょ??ちゃんと休憩取りなさい」って怒られたこともあります。

 

そんな環境で働く中でわかってきたのですが、オーストラリアの職場で休憩に厳しかったりするのは、職場内の秩序を守るために必要なことなんです。

 

もし誰かが5分前に休憩から上がったら、他の人も「自分もそうしなきゃいけないのか」って思っちゃうかもしれないし、

誰かが「今日は忙しいから休憩は半分でいい」って言ったら、他の人も「私も忙しい時は休憩を半分にしなきゃいけないのか」って思っちゃうかもしれない。

 

そういうことを防ぐ意味で、忙しかろうと休憩は全員時間通り取るというのを徹底しているんだと思います。誰かが休憩でいない時は他の職員が協力して乗り切る習慣があるので、お互いに助け合っています。

 

実はこれ、オーストラリアで就いた保育園以外の仕事でもそうでした。最低限のボーダーラインは全員で協力して守る姿勢があるんですね。

 

休憩や勤務時間について言えば、
日本は「みんなでちょっとずつ無理をしていきましょう」方面へ進んで行ってしまいますが、

オーストラリアでは「みんなで助け合って休憩を取るようにしましょう」というのを大切にしているのです。

 

違いその6.製作や活動を子どもに無理強いしなくてもいい

Efraimstochter / Pixabay

最後は子どもとの関わりについてです。

ぼくが働いていたオーストラリアの保育園では、主活動(いわゆる塗り絵やパズル、お絵描き)はやることはやるのですが、日本とは違って「やりたい子だけがやる」というスタイルでした。

先生が「今日は〇〇しようと思うけど、やりたい子〜?」と聞いて、手を挙げた子どもだけがそれをします。そしてそれに興味のない他の子どもたちは、それぞれ好きなおもちゃで遊び始めます。

だから、ブロックが好きな子はずーっとブロックで遊んでいるし、ままごとが好きな子どもはずーっとままごとしているといった感じ。

 

子どもたちはやりたいことを自分で選んでやっています。

 

日本だったら、「はーい、じゃあ今日は今から折り紙をしようと思います。」って子ども全員が椅子に座って、同じ活動をすることがほとんどです。

折り紙に興味がない子や、気分が乗らなくてやりたくない子がいると、集団からはみ出しているように思われてしまうのも日本の集団生活の特徴です。

大人だって、自分が興味のないことを「これやってください」っていきなり言われても気分乗らないし、やりたくないって思うと思います。

 

でも日本は集団を重んじる国だから。

子どもが絵を描きたい気分じゃなくても、折り紙をしたくない気分でも「年度末にアルバムをまとめなきゃいけないから」「保育室に飾らなきゃいけないから」「保育参観があるから」という理由でやってもらわないといけない時があります。

ぼくが日本の保育園で働いていた時は、「この子、描きたくないんだろうなぁ」「この子はこれやりたくないんだろうなぁ」と感じながら子どもたちにやってもらってました。

そんな思いを抱えながら子どもにやらせるのは結構心が痛みます。

 

「やりたくないならやらせなかったらいいじゃん」と思う方も多いでしょうが、日本の保育現場ではそれはなかなか受け入れてもらえません。保育士も親もいろんな考え方があると思うので一概にこうだとは言えないところが難しいところ。

 

例えば保育参観の日に、遠足に行った時の思い出の絵が保育室の壁一面に貼られていたとして、自分の子どもの絵だけなかったらどう思いますか?

 

先生は言いました。「何度も誘ったんですが、〇〇くんは描きたくないと言ってずっとブロックで遊んでいました。ブロックで遊ぶのが楽しいみたいです」

 

それを聞いて、
「うちの子は描きたくなかったんだ。じゃあしょうがないね」と思う親御さんもいれば、
「なんでうちの子の絵だけないの。寂しいわ。」と思う親御さんもいるわけです。

 

これはどちらの考え方が良い悪いということじゃなくて、日本の保育現場ではこういう多様な思いへの対応も求められている、ということです。

 

その点でいうと、オーストラリアでは初めから、「やりたい子だけがやる」となっているし、親御さん自身も同じように育っているから、保育室の壁に自分の子どもの製作や絵がなくても全然気にしていません。

 

日本でもオーストラリアでも年度末に子どもに渡すために、子どもたちの製作や絵をまとめて保管してあるのですが、オーストラリアの場合はそのファイルの厚みがものすごく分厚い子もいればスカスカの子もいます。

日本で働いていた時は、そのファイルは全員同じ厚さでした。

 

こういう所も日本とオーストラリアでは全然違うなと思います。

 

欧米人は自己主張がはっきりしているとよく言いますが、保育園での光景を見た時に「これだけ好きなことばっかりやってたら、そりゃあ自己主張のできる大人に育つわ。」って納得しました。笑

 

やる気が出ない子•やりたくない子の気持ちをどう切り替えて、自分から参加したくなるように働きかけるかが保育者の腕の見せ所で、同時にそこが保育の面白い部分でもあるんですけどね。

ぼくはまだまだそれが上手くいかないことが多くて、日々勉強中です。

 

働きやすい国オーストラリア

alicia3690 / Pixabay

オーストラリアの保育園で働いてみて感じた日本の保育との違いを、保育者の視点からまとめてみました。

 

オーストラリアの保育園で働いてみて感じたことは、

(少なくともぼくが働いた)オーストラリアの保育園では、「仕事中の親に代わって怪我や事故の無いように子ども預かる」という「保護」の側面が強く、日本の保育現場で重きを置いている「教育」の側面は薄いなと感じました。もちろん園によって違いもあるみたいですが。

 

今回まとめたようにオーストラリアの保育士が日本の保育士よりも待遇が良く、仕事量にしても働きやすいのは事実だと思います。

日本で保育経験がなくても、英語が話せて現地で資格さえ取れば、日本とは比べ物にならない良い労働環境の中で可愛い子どもたちと一緒に毎日を過ごすことができます。

また、オーストラリアは多国籍国家ですので、保育士の中にも自分の国から移住してきたので英語は第二言語ですって人がたくさんいます。

 

日本の保育現場の現状を嘆いている保育士さんも、より良い労働環境を求めて、オーストラリアへ旅立ってみるのもアリかもしれません。「英語ができないと働けない」というのは逆に言えば「英語さえできれば働ける」ってことですから。

 

英語は道具です。誰でも使えるようになりますよ。

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