日本で暮らす子どもにとって、いつか訪れる課題の1つに「鉛筆」と「お箸」があります。
「日本人であればお箸は使えた方がいい」
「小学校に上がれば鉛筆やペンを持って書くことがたくさん求められる」
それが分かっているので親御さんとしても、お子さんにはなるべく早めに「鉛筆」と「お箸」を使えるようになって欲しいという願いがあるのではないでしょうか。
そこで今回は、「鉛筆はいつから練習したらいいの?」「おはしはどうやって教えたらいいの?」というママの疑問にお答えする内容で記事を書きました。教え方のポイントも参考にしてみてくださいね!
鉛筆が先か、お箸が先か?
まずはじめに質問ですが、
「鉛筆」と「お箸」は、順番でいうとどちらが先に出来るようになった方が良いと思いますか?
日常生活だと「鉛筆が本格的に必要になるのは小学校に入ってから」で、「お箸は食事の時に毎回使うもの」なのでお箸を先に教えた方が良いのでは?と考えている人も多いはず。
しかし、意外にも答えは「鉛筆が先に持てるようになった方が良い」です。
正確に言うと、「鉛筆持ちが先にできるようになった方がいい」となります。
その理由がこちら。
お箸の持ち方を気にしても、鉛筆の持ち方はあまり気にしない親御さんがいますが、実はお箸の持ち方は、まず上の箸を鉛筆持ちしてから下の箸を添えるので、先に鉛筆が持てるようになるほうがいいのです。(『小学校前の3年間にできること、してあげたいこと』より)
つまり、お箸が上手に使えるようになるためには、まず先に鉛筆持ちが綺麗に出来る必要があるということですね。
もちろん、子どもによって興味は様々なので「うちの子は、鉛筆は全然興味ないけどお箸で掴めるのが楽しいみたいで自分から練習している」なんてこともあると思います。
「絶対に鉛筆を先に教えなければいけない」ということではありませんが、綺麗に使えるようになるためのステップは知っておいて損はないと思います。
教え方のポイントは?
それではここから、先ほどの著書『小学校前の3年間にできること、してあげたいこと』を参考に、鉛筆とお箸を上手に使いこなすようになるための練習方法を紹介します。
鉛筆の持ち方を教える時のポイント
鉛筆に対してまず知っておいた方がいいことがあります。
それは、子どもにとって「鉛筆」というのはなかなか扱いづらい道具だと言うことです。
子どもにとって小さな文字を書くことはとても難しいですし、鉛筆はクレヨンやペンのように滑らかに書くことも難しいです。
さらに、鉛筆を使って書くのは文字や数字が多いわけですが、特にカタカナや漢字は「カクカク」したものが多いので、子どもにはその「カクカク」が最初は難しいのです。
鉛筆が上達していくステップとしては、
- 最初は大きな紙と3Bか4Bの鉛筆を用意して自由に描けるようにする
- 慣れてきたら描きたい絵(動物や人間)を描くようになる
- 文字や数字に興味を持ち始めたら、お手本(ひらがな表など)を用意して好きに書けるようにする
- 最初は自分の名前や好きなキャラクター、身近な物がおすすめ
という順序になります。
まずは鉛筆自体に慣れる所から、が重要だということですね。
子どもが興味を持つようであれば、「線」や「ひらがな」のドリルを用意して、「なぞる」とか「真似する」から始めるとスムーズにいきます。
注意点としては決して焦らないことです。
親心としてはなるべく早く上手になって欲しいという思いもあるでしょうが、その期待は時に子どもにとってプレッシャーになってしまいます。
ドリルに取り組むことが苦痛にならないような関わりを意識すると良いと思います。
お箸の持ち方を教える時のポイント
次にお箸の持ち方のポイントです。
いきなりですがお箸の持ち方を教える時によくありがちな「よくない方法」があります。
それは、
- 2本同時に渡す
- 食事の時に渡す
の2つです。
と思いますよね。
もちろん子どもがとても意欲的で「やりたいやりたいやってみたい!」といった気分なら2本一緒に渡したり、食事の時に渡してみるもの良いと思います。
ただ、より早く、しかもより楽しくお箸の使い方を練習する時には「2本同時に渡す」「食事の時に渡す」は間違いだったりします。
まずは1本だけ渡す
そもそもお箸というのは本来、下の箸はほとんど動かず、上の1本だけが上下に動きます。
そして、上の1本の持ち方は”鉛筆持ち”なのです。
2本とも渡してしまうと、2本同時に動かそうとして、クロス持ちになってしまいます。(『小学校前の3年間にできること、してあげたいこと』より)
だからまずはお箸を1本だけ渡し、「こっちは鉛筆持ちだよ」と教えてあげます。
(これがお箸と鉛筆では鉛筆が先に持てるようになった方がスムーズだという話に繋がります。)
お箸の練習は"おやつの時"に
もう1つのよくある勘違いは、いきなり食事中にお箸を練習することです。
その理由がこちら。
親御さんとしては、食事はしっかり食べて欲しいので、こぼしたり、時間がかかって量が食べられなかったりすると、イライラするでしょう?子どもだって、「なんでできないの?」なんて言われると、お箸を持つのも、食事をするのもいやになってしまいます。(『小学校前の3年間にできること、してあげたいこと』より)
さらに、食事のメニューにはいろんな大きさ・形・硬さの食材があります。お箸を練習したての子どもが最初から食材に合わせて使いこなすのは難易度が高いです。それはお箸である程度掴めるようになってからのステップです。
そこでオススメは「まずは"おやつの時間"に練習すること」です。
おやつの時間であれば時間はたっぷり使えるし、食べる量も食事ほど多くありません。子どもも手で食べるより少し難易度が上がるのでゲーム感覚で楽しめるでしょう。
最初の頃は、比較的掴みやすいポテトチップスのような薄くて大きいお菓子やマシュマロのような柔らかいお菓子がおすすめです。
今回紹介した方法が唯一の正解というわけではないですが、「お箸」や「鉛筆」について悩んでいる方の参考になれば幸いです。
さいごに
今回は『鉛筆とお箸のどちらを先に教えるといいか。』について、教え方のポイントと合わせて記事を書きました。
ポイント
- 鉛筆とお箸なら、鉛筆(持ち)を先に練習すると良い
- 鉛筆の練習はまず"なぐり描き"から
- お箸はまず1本だけ渡して鉛筆持ちを
- お箸の練習は"おやつの時間"がオススメ
お子様の興味に合わせて実践してみてくださいね!
最後まで読んでくださってありがとうございました。