公園や出掛け先で、子どもに「もうそろそろ帰ろうか」と言うと、「やだ!まだ帰りたくない!」「もっと遊びたい!」と言われたことありませんか?
と、親としてはもどかしいところだと思います。
「公園からスムーズに連れて帰る方法があれば知りたい!」
そう思う親御さんも多いはず。
そこで今回はシッターのぼくが実際に活用して効果のある方法を紹介したいと思います。
子どもの年齢や気分によって効果に違いがあると思いますので、組み合わせたりしながら試してみてください。
この記事の執筆・監修者
かんかん
(インスタ@kankan_kosodate)
幼児教育者で一児の父です。仕事経験を活かした幼児教育と英語教育の情報を発信しています。
<経歴>
・保育士&ベビーシッター 10年
・子ども英語教育業界 2年
・オーストラリアで保育士
・海外留学
・夫婦で世界一周
子どもを公園からスムーズに連れて帰る方法
今回は公園遊びを終了したい時にぼくが実際に使う方法を4つ紹介します。
すべてが正解ではないので1つの案と思って頂き、必要に応じてアレンジして頂ければと思います。
案1「あらかじめ帰る時間を伝えておく」
この方法は、時計の針がなんとなく分かるようになった子どもに使える方法です。
公園に着いた時などにあらかじめ帰る時間を伝えておくことで子どもが見通しをもって遊ぶことができます。
伝え方の例
「今、長い針が3のところにあるよね。長い針が9の所になったら帰ろうね」
「長い針がぐるっと1周したら帰る時間だからね」
この方法は、まだ時計が読めない子どもにも「公園にいられる時間には限りがあるんだ」という概念を持ってもらうのに効果的なので、3歳くらいからは毎回伝えるようにしてもいいかもしれません。
案2「本当に帰りたい30分前に一度話をする」
次の方法は意外とやったことのない方が多いと思います。
子どもは公園で過ごした時間に関わらず、親に「帰ろうか」と言われると反射的に「いや!」とか「まだ!」という返事が出るシステムを持っていると感じたことはありませんか?
子どもの習性みたいなものだと思いますが、この習性を活用すると意外とスムーズに公園から帰ることができます。
【方法】
①本当に帰りたい時間の数十分前(15分前や30分前)に、一度子どもを呼び「そろそろ帰ろうか」と声を掛けます。
②子どもが「いや!まだ遊びたい」と言ったら、「じゃあ◯時(本当に帰りたい時間)には絶対帰るからね、約束だよ」と伝えます。
③そして、実際に帰りたい時間になった時には子どもは一度時間を延ばしてもらっている分、ある程度納得してくれるというわけです。
伝え方の例
【16:30に帰りたい場合】
①16:00頃に一度、「そろそろ夜ご飯の準備をしたいから帰ろうと思うんだけど、どう?」と尋ねる。
②子どもが「いや!」「まだ遊ぶ!」と言ったら、
「じゃあ長い針が4のところに来るまでね。約束だよ。」
「スマホのタイマーがなるまでね。約束だよ。」
と伝えます。(「約束だよ」言うことがポイント)
③そして、16:20になったら「さっき約束した時間になったよ。帰ろうか。」と声をかけます。
順調であればそのまま納得して帰ってくれると思います。
もしまだ納得してくれなければ、
- 「じゃあ最後に、一緒に滑り台滑ってから帰ろうか」
- 「入り口まで一緒に競争しようか」
- 「一緒にブランコに乗って10数えたら行こうか」
と”一緒に”なにかすることで納得してくれる場合が多いです。
案3「1つの遊びが終わりそうなタイミングで声をかける」
3つ目は、声をかけるタイミングです。
大人もそうですが、やりたいことをし始めてまだ満足しない内に「はい、もうおしまい」って言われたら嫌だと思います。
楽しみにしていた映画を観始めたのに30分後に「はい今日はこれでおしまい」と強制的に言われたり、
好きな音楽を聴き始めてサビに入る直前で「はい、続きはまた今度ね」と言われたら「え〜!」ってなると思います。
「帰ろうか」と言われる子どもも同じ気持ちです。
なので、「帰ろうか」と声をかけるなら子どもが1つの遊びをある程度遊んだ頃、映画で言えばクライマックスが過ぎたくらい、音楽でいえばサビが終わったくらいに、声をかけるのが一番効果的です。
その場合も、「すぐに帰ろうか」というよりも「最後に滑り台1回だけ滑って帰ろうか」と、映画のエンドロールのあとに流れるおまけ映像のようにプラスアルファを提案すると、子どもも納得しやすくなります。
案4「(2〜3歳児であれば)公園以外の楽しめる場所を提案する」
最後は、2歳〜3歳くらいでまだ小さい子ども向け。
"時間のこと"や"親の家事の都合"などがまだ理解できないけど「いや!」「もっと遊ぶ!」と意思表示は出来るくらいの年齢の子どもに効果的な方法です。
それは、「今いる公園以外で楽しめる場所を提案すること」です。
子ども全般に言えることですが、子どもにとって一番大事なのは「今」「この瞬間」なので、年齢が低ければ低いほど「そろそろ帰ろうか」と言われても「え、なんでこの最高に楽しい場所から離れなきゃいけないの?」という気分になるだけです。
「このあとご飯だよ」「帰ってからも家でおもちゃで遊べるよ」という”先の見通し”は絶賛学習中なので、この時期に活動の切り替えをする時は子どもがグズってしまう覚悟はある程度必要かと思います。
その中でも少しでも早く"見通し"を理解してもらうためには、「次に行く場所も楽しい」と思ってもらう必要があります。
伝え方の例
- 「このあとスーパーマーケットでお買い物しに行こう」
- 「いつもと違う道を探検して帰ろうか」
- (公園でアリを見つけて熱中している子どもに対して)「おうちの近くにもアリの巣があるかもしれないから探しに行こうか」など
「おうちに帰ろう」以外の言葉でおうちの方へ移動する提案をすると意外とスムーズに移動出来たりします。
子どもを傷つけないために大切なポイント
さて、公園からスムーズに帰る方法について4つ紹介しましたが、ここからはぼくも普段から意識している「子どもを傷つけないために大切なポイント」を4つお伝えします。
1、恐怖心を煽らない
不要な恐怖心は子どもにとってよくありません。
公園から帰るための恐怖心を煽る言葉は、子どもを公園から連れ出すことには効果があるかもしれませんが、子どもが大きくなって知恵がついてきた時にはネガティブな効果になり得るかもしれないからです。
例えば
- 「暗くなったらお化けが出るよ」
- 「悪い人が来るかもしれないから帰るよ」
- 「おまわりさんに怒られちゃうよ」
など、不必要に恐怖心を煽る言葉は、せっかく楽しかった公園を怖い場所に変えてしまいます。
また、「嘘」をつくこともいつか限界が来るのでなるべく避けた方がいいですね
2、なるべくご褒美で釣らない
というように、「〜すれば◯◯が手に入るよ」という方法を続けていると、
子どもは次第に「◯◯が手に入らないなら〜しない」という概念を持ってしまいます。
そうするとゆくゆく「宿題しよう」と声を掛ける年齢になった時に、子どもは「宿題したらご褒美は何がもらえるの?」と考えることが当たり前になってしまいます。
ご褒美のためではなく、自分のため(もしくは家族のため)に◯◯をするという概念を育んでいくことが大切だと思います。
3、約束を守る
親御さんとしてはこれが1番難しいかもしれませんが、同時に1番大切なことでもあります。
「約束を守る」というのは重要なことです。それは子どもにとっても大人にとってもです。
ここでいう「約束を守る」というのは、「大人の側が」です。
どういうことかと言うと、
大人の側が「あと10分だけね」と言ったのに、10分後に子どもがグズったからといって「しょうがないわねぇ、じゃああと15分だけね」と言ってしまったら、、、
子どもからすると【最初の約束が破られた(守られなかった)】ことになります。
そして、それが当たり前になった時、子どもが学習する概念は
- 「約束ってそれでいいんだ」
- 「グズれば約束って変えられるんだ」
です。
子どもの気持ちを優先したい思いはとても分わかります。公園でなるべく遊ばせてあげたい気持ちも分かります。
しかし、基本的には「親子でした約束は守る」
これは子どもが社会のルールを学ぶ上で最初のステップになります。
約束を破ると困るのは相手です。
今回の場合、親が約束を破ると困るのは今の子どもではなく大きくなった時の子どもです。
あと10分と決めたら10分後に子どもが渋っても「約束を守らないと相手が困る」ということをしっかり伝えた上で帰るようにしましょう。
もちろん、絶対に毎回じゃなくても良いと思います。
たまには「楽しそうだから今日は子どもから帰りたいと言うまで遊ばせてあげてもいいか」という心の余裕を持つことで、子どもにとって安心感や開放感に繋がります。(そういう時に限って意外と子どもは「早く帰ろう」と言ってきたりしますが、、、)
4、すぐに効果は出ないと思って長い目でみる
今回紹介した方法を取り入れても最初はうまくいかないかもしれません。
理由は、子どもは今までの方法、やりとりが習慣になっているからです。
昨日まで「いや!」と答えれば30分延長できていたのに、今日いきなり「30分前に約束したでしょ?約束を守らないと相手が困るんだよ」と言ってもすぐには納得できないと思います。
新しい習慣を身につけるにはある程度の時間がかかるからです。
しかし、続けることで子どもの習慣は変わっていきます。
将来子どもが困らないためにも、普段の公園遊びから意識して根気強く関わってあげることが大切だと思います。
さいごに
今回は、「公園から帰りたがらない子どもをスムーズに連れて帰る方法」を紹介しました。
はじめにも書きましたが、子どもの年齢や気分によって効果に違いがあると思いますので、組み合わせたりアレンジしながらいろいろ試してみてください。
また、日本のお母さんは抑え込もうとしてしまう傾向にありますが、
- 「家に帰って家事をしなければいけない」
- 「お母さんにもやりたいことがある」
というのは立派な理由で、一緒に暮らしている以上、子どもたちにも理解してもらわなければいけない事柄です。
子どもたちは小さな頃から「いつか社会に出るための準備」を繰り返し練習しているわけなので、将来周りの人と協調して生きていくためにも、まずは社会で1番小さな人間関係の単位である"家族"から始めることが大切だと思います。
公園からスムーズに連れて帰る方法
- 案1「あらかじめ帰る時間を伝えておく」
- 案2「本当に帰りたい30分前に一度話をする」
- 案3「1つの遊びが終わりそうなタイミングで声をかける」
- 案4「(2〜3歳児であれば)公園以外の楽しめる場所を提案する」
子どもを傷つけないために大切なポイント
- 恐怖心を煽らない
- なるべくご褒美で釣らない
- 約束を守る
- すぐに効果は出ないと思って長い目でみる
ぜひお試しください。
最後まで読んでくださってありがとうございました。