前回の記事で【経験】することの大切さについて書きました。その記事の最後に、「経験は足し算でしか増えていかないけれど、経験したことを掛け算のように何倍にも増やして学ぶ方法がある」と書きました。
今回はその方法について書こうと思います。
1つの経験からより多くのことが学べたら確実に人生が充実しますね。
それが「読書」という方法で実現できるようになるんです。
前回の記事のおさらい
まずは、前回の記事を簡単におさらいします。
-
【経験が大事】子どもの育ちが大きく変わる"0"と"1"の秘密とは
続きを見る
前回の記事で言いたかったことを一言で言うと「よりたくさんの経験をしよう」です。
ぼくたちは生まれてから今日までにたくさんの「未経験だったこと」いわばたくさんの「初体験」を繰り返してきました。今では当たり前になっている「ご飯を食べること」や「歯を磨くこと」「便器で用を足すこと」にだって初体験の時があったわけです。
経験がなかったことを経験したという意味で、小さい頃からたくさんの未経験0を1にしてきたという表現を使いました。(これはぼくが好きな作家の喜多川泰さんが、著書「ライフトラベラー 人生の旅人」で使っていた表現です。)
でも、そんなぼくたちも、子どもの頃から社会に出て2〜3年経つ頃には身の回りに0はどんどんなくなっていき、生活するのに必要な経験は、ほとんど1かそれ以上になってしまいます。
そうすると、何が起こるか。
たいていの人はもう、新しい0をわざわざ探してまで1にしようと思わなくなります。つまり「新しい挑戦」「初体験」をしなくなっていくのです。
なぜなら、そうしなくても生活していけるし、実際その方が楽だから。
でももし、人間の魅力というものが「今までに経験したこと、そしてそこから学んだことの総量」で変わってくるとしたら?
ぼくはそれを経験値と呼んで、
100種類の経験を1回ずつして経験値の総量を増やしたり、
1種類の経験を100回やるなどして深く深く掘り下げて経験値の総量を増やした方がいいんじゃないのか??
というような内容を前回の記事で書いたのです。
そして話の続きがこの記事、キーワードは「経験値の総量を増やす」ことです。
「ベテラン」と「熟練」
会社や趣味のサークルなどで、「ベテラン」や「熟練」と呼ばれている人たちがいます。
なぜそう呼ばれているのでしょうか?
長い年月そのことに取り組んでいるからでしょうか??
勤続年数20年だからベテラン??
「◯◯歴20年」だったら誰でもベテラン??
英語だとベテラン(veteran)には「古株」という意味があります。
単純に昔からいる人、昔からやっているいる人のことをveteranと呼ぶわけです。
日本の会社や趣味サークルなどで「ベテラン」や「熟練」と呼ばれる人には、ものすごく結果の良い仕事をする人や、周りから「すごい」と言われるような仕事をする人たちがいます。
そういう人たちは、長い間それをやっている。つまり、別の視点から見れば、「経験が豊富」だと言えるんじゃないでしょうか?
経験が豊富だから良い結果を残せるし、経験が豊富だから状況に応じたベストな対応ができる。
会社で、新人よりも課長や部長の方が給料が高いのはなぜでしょう??
働いてる年数が長いからですか??
いえ、違います。
新人にはまだできなくて課長や部長にはもうできることが多いからです。
アドバイザーやコンサルタントなどの仕事が特にそうだと思いますが、多くの人は「それまでに培った経験」の対価として給料をもらっていると考えてみてください。
資格を持っている人は、資格を取るために勉強や練習をしたわけで、つまり経験をしたんです。
運転免許も同じです。自動車学校で練習しましたよね??
その経験(勉強や練習)を目に見える形で表現するのが「資格」や「免許」です。
そうやって考えていくと、【いろんなことを経験すること】がとっても重要なことに思えてきませんか??
仕事でも趣味でも恋愛でも、
その人の魅力がそれまでの経験の総量【経験値】で決まっているとしたら。目には見えないものだけど、【経験値】を増やすことが大事だと思えてきます。
ぼくの話になりますが、中学・高校時代、テレビゲームをやりまくっていたぼくが今は全くゲームをやらない理由もそこにあって、画面の中のキャラクターの経験値を上げるよりも、自分の経験値をあげた方が面白いなって思うようになったんです。
そしたらテレビゲームが全然面白くなくなってしまいました(笑)
経験を【×(掛け算)】する方法
魅力的な人になるために経験の総量である【経験値】をどんどん多くしていきたいところ。
というわけでここからが本題です。
経験を重ねるだけでももちろん経験値は増えていきますが、ぼくは経験は『+(足し算)』でしか増えていかないと思っています。
例えば(歯磨きやご飯を食べる、出勤するなどを「1」と数えたとして)1日で得る経験を「10」とすると、1ヶ月で「300」、1年間で「3,600」、それを10年間続けたら「36,000」になります。そうやって子どもの頃からたくさんの0を1にしたり、同じ経験を繰り返して数を増やしてその人の経験の総量が増えていくとします。
こう考えると、誰でもある程度の経験はしているので誰もが一定の経験値を持っていると考えることができます。
ただしこれは「人の経験値を数値化しよう」みたいな話ではなく、「周りの誰かと比べてその人を追い越そう!!」みたいな話ではありません。
「お前4万しかないのかっ!!雑魚だな!!俺は7万もあるんだぜ〜」「うるさいぞ!ぼくの友だちのユウヤくんはケイケンチ8万あるんだからっ!!」なんてことを始めたいわけじゃありません。それは小学生のゲームの会話です。笑
ここで数字を出しているのはあくまでイメージということで。
話を戻して、「+(足し算)」でしか増えていかない経験値を「×(掛け算)」で増やしていくことができたら経験の総量って桁違いに増えるはずということが言いたいわけです。。
さっきの1年で「3,600」という経験が、もしも毎年2倍ずつ増えていったら10年で「3,686,400」!!約368万です!!
足し算だけだと36,000だったのに、掛け算をして倍々になっただけで368万まで増えました。
さて、経験値を掛け算で増やすことができる魔法のような方法とは一体なんでしょうか??
経験値を掛け算にしてくれるのは【読書】
いろんなことを経験して経験値を増やしていく。
そしてその経験値が多ければ多いほど、人の魅力だったり、器の広さ、もっと言えば社会的地位や給料にまで繋がってくると書いてきましたが、本来足し算でしか増えない経験値を何倍にも増やす方法、それが本を読むこと。
読書です。
本を読むことで得られる知識や考え方は、自分の経験をいろんな角度から見るための助けになります。
ここでいう読書とは、仕事の経験値を上げたいからといって仕事に関係する書籍を読んだり、人間関係に悩みがあるから心理学の本を読んだりといった、一見直接的に関係ありそうな書籍じゃなくて、全然関係なさそうな内容の本でも、どんなジャンルでもいいから読んでみることをいいます。
料理の本でもいいし、
ガーデニングの本でもいいし、
車や電車の本でもいいし、
歴史や経済の本でもいいし、
推理小説だっていいし、
恋愛小説だっていいです。
本を何冊も読んでいくと読書を通して得られた知識や考え方が、いつか自分が実際に経験したことと繋がって今まで考えもしなかった受け止め方をするようになったり、応用力がものすごくついてきます。
その効果があまりにも大きいと感じるので、それを【×(掛け算)】と呼んでいます。
経験値を判断する上で年数とか月日というのは判断しやすい基準になりますが、
例えば、Aさんが1年に1,000個のことを経験するとして、単純にそれを10年続けたらAさんの経験値は10,000です。
Bさんも同じように1年に1,000個のことを経験するとして、でもBさんは1 年間に3冊の本を読んだとします。そしたらBさんは、経験1,000(個)×10(年間)×3(冊)になるので、10年間で経験値を30,000まで伸ばすことができました。
「たった3冊の本で??」と疑いの声がたくさん聞こえてきそうですが、【読書】というのはそれくらい影響力があると言っても言い過ぎではないくらいだと思います。だからこその【掛け算】です。
また、もしかしたら、
さっきのAさんが9年目に初めて経験から学んだことを、
Bさんは3年目の時点で本を読んで知り、すでに実践しているかもしれません。
普段生活をしていて「もっと若い頃に知っていたらなぁ」とか「あの時これを知っていたら、、、」と思うことはありませんか?
そういう気持ちを全くのゼロにすることは無理だと思いますが、【読書】をすることで少なくすることはできます。
同級生の◯◯くんや入社同期の◯◯さん、ママ歴が同じのママ友も、年数は自分と同じだから大体同じくらいの経験をしてると思っていても、実はその人が年に12冊(毎月1冊)の本を読む人だったら、、、
同じ経験年数でもあなたより経験値は12倍以上あるかもしれません。
それくらい、【読書】は有益だということです。
ぼくが実感済み
経験することや読書をすること薦める話を書いてきたぼくですが、
実はぼくも読書大好きです。
ぼく自身は、20歳の頃から本を読むようになり始め、最初の頃は月に1冊くらいのペースでした。それからだんだん増えてきて月に2冊や3冊くらい読むようになり、オーストラリアでワーホリしてた約2年間はタブレットと電子書籍をフル活用して月に10冊くらい読んでました。(友だちが少なかったというのもあります笑)
でも今はワーホリしてた頃よりも時間がないので、月に3冊とか4冊とか、、、だいぶ減りましたが。
会社経営者とかの自伝を読んだすると「ぼくは年間300冊本を読んでます」「カバンには常に2冊は入っています。5分でも時間ができればすぐ取り出して読みます。」みたいな人もいるので、ぼくの目標も1日1冊くらいなんですが、正直「どーやったらそんなに読めるの??」って感じで、ぼくはまだまだそのレベルまで達していません。(笑)
さいごに
今回は、
- いろんな物事をたくさん経験することの大切さ
- 読書が経験を何倍もの価値に押し上げてくれること
について書きました。
結局のところ、同じ経験なんてなくて全部異なった経験なんだからどんどんいろんなことに挑戦して、「未経験」と「経験済み」にしていきましょう!!加えて【読書】するとよりたくさんのことが学べますよ!!ってことが言いたかったんです。長々書いちゃいましたけど(笑)
注意点としては、記事途中にも書きましたが、
経験値は人と比べるものでもないと思うので、むやみやたらに周りの人に経験値バトルを挑まないようにしてくださいね。それはゲームの中だけで。
経験値を増やすというのはあくまで「自分がより良く成長するため」の手段ということで。
経験には同じものは一つとしてありません。初めてのことはもちろんですが、2回目と3回目の経験も絶対にどこかは異なっているはずです。そして読書の掛け算を通して得られることも一つとして同じ内容はありません。
その一つひとつの異なった経験や学びがその人を作っていく事は間違いないと思います。
その経験した事や学んだことの1つ1つが1枚の「羽」だとしたら、
たくさんの「異」なった経験をして、
たくさんの「異」なる事を学んで、
その「異なった羽」の数が1000万にも1億にもなれば、生きていくための大きな「翼」になります。
大きな翼を手に入れて、人生を高く高く翔びましょう。バサバサ〜
おすすめ書籍
「読書って、すると良いとは聞くけどなかなか習慣にならないんだよねぇ〜」「私って読書向いてないのかも。」なんて思ったことがある方には絶対におすすめの1冊です。
読む人がグッと物語の中に引き込まれ、いつの間にか読み終わっている
そんな物語を何冊も出版している喜多川泰さんの「読書」がメインテーマになっている1冊です。