知らないうちに親が子どもに使っている「悪い言葉」があります。それは一体なんでしょうか??
それは無意識に使っていることが多いので、親が気づかないうちに子どもにとって悪影響になっていることがあります。
その悪い言葉とは「悪い固定観念」から生まれる言葉です。そこで今回は「固定観念」のことを中心にまとめています。
ネットでも検索しても、「子どもに絶対に使っちゃいけない10の言葉」みたいな情報記事をたくさん見つけることができます。もちろんとても大切なことなので、ぼくもそういう記事は書きたいと思っています。
しかし、今回の記事はもう少し大きな枠で考えてみたいと思います。大きな枠というのは「多くの人にあてはまる」ということです。
この記事を最後まで読むと、あなたが知らず知らずのうちに子どもに使っている「悪い言葉」に気づくことでしょう。
固定観念から生まれるこんな「悪い言葉」、使ってませんか??
固定観念とは??
固定観念とは、まるで水回りで増殖するカビのように今まで生きてきた中であなたの心に少しずつ根付いてきた心の汚れみたいなものです。
この固定観念が悪い方へ作用すると、たちまち「生きづらさ」へと変化し、子どもにも悪影響を与えるものになってしまいます。
自分の固定観念を知るには良い方法があります。それは、あなたが普段「〜するべきだ」「〜しなければいけない」と思っていることがありませんか??それがあなたの固定観念です。
「朝は早く起きなければいけない」
「朝食は食べるべきだ」
「勉強はしなければならない」
「電車内で騒いでいる子どもがいたら親が叱るべきだ」
「ママ友の集まりがあったら参加しなければならない」
「英語くらいはできるようにならなければいけない」
こうやって、「〜するべきだ」「〜しなければならない」と思っていることがあなたの心に根付いている固定観念です。
しかし、内容も見ても分かるように固定観念も悪いものばかりではありません。良い固定観念もあります。つまり、固定観念自体が悪いわけではなくて、「どんな固定観念を持っているか」が子育てにおいてとても重要だということです。
よく怒る人は固定観念に縛られている
もう少し固定観念の話をします。
たとえば、「よく怒る人」っていませんか。あなたの周りにいるかもしれないし、子どもを目の前にするとあなた自身が「よく怒る人」になっているかもしれません。
実はこの「怒る」という感情にも固定観念が関係しているんです。
どういうことか説明しますね。
まず、最近あなたが怒ってしまった出来事、もしくは誰かが誰かに怒っていた場面を思い出してみてください。
「怒り」という感情が生まれた時は、その前に何かしらの「期待」(こうなって欲しいという思い)があったはずなんです。
子どもに対して怒った時、きっとあなたは「(ママとしては)本当はこうして欲しかったのに、そうならなかった」という事実があったのではないかと思うんです。それが「期待」です。
ということは、よく怒る人というのは周りに対してこうなって欲しかったのに、、、という「期待」していることが多いんですよね。
「期待」とは、口に出すかどうかに関わらず、いつもあなたが心の奥底で望んでいることだと思ってください。そして、この「期待」を辿って行くと、今回の記事のメインテーマである「固定観念」に辿りつきます。
つまりこういうことです。
【感情】怒った・イライラした
↓
【期待】「こうなって欲しい」という思いがあった
↓
【固定観念】「こうなるべきだ」「こうならなければいけない」という思いを持っている
たとえば、(ご飯ができたから、出掛ける用事があるから等で)子どもにおもちゃを片付けるように言ったのに子どもが遊びを止めない時、「早く片付けなさーい!」って怒ったりしますよね。
これも結局、
「早く片付けなさーい!」(怒り感情)の前には、
「子どもにおもちゃを片付けて欲しい」という思い(期待)があったわけで、
さらに元を辿ると、「子どもは親に言われたらすぐ片付けるべきだ」とか「子どもは親の生活リズムに合わせなければいけない」みたいな思い(固定観念)があるからなんです。
これがあなたの持つ固定観念です。
固定観念はいつ作られた??
固定観念とは何か分かりましたか??
次に、固定観念がいつ作られるのか考えてみたいと思います。あなたが持っている固定観念はいつ、どうやって作られたか分かりますか??
どうやって作られたかの結論を言ってしまうと固定観念は「あなた自身」が自分で作ったものです。
Aという物事に対して「◯◯しなけれないけない」「◯◯するべきだ」という固定観念を持っているのはあなた自身なわけですから、あなたの固定観念はあなたが作った。これは間違いない事実です。
しかし!!ぼくは保育士として子どもたちと関わる中でずっと疑問を持っていました。
保育園で0〜2歳と関わっていて「私はミルクを飲まなければいけない」「ぼくはトイレでおしっこするべきだ」なんて思っている子は1人もいないんです。
ということは、固定観念は自分で作ったものだけど、自分ではないものから影響を受けていることになります。
そしてその「自分ではないもの」の答えは簡単で、子どもに影響を与えるのは親であり先生でり、身近な大人です。
つまり、あなた自身が今持っている固定観念はおそらく「小さい頃に親から繰り返し言われていたこと」や「学校の先生が繰り返し言ってきたこと」がベースになっている可能性がとても高いです。
影響を与えてくる人
子どもが固定観念を作るときに影響されやすい人がいます。
あなたもおそらく、下↓に書いてある人たちの影響を大いに受けて、今の固定観念を作り上げてきたと思います。
- 親
- 学校の先生
- 習い事の先生・コーチ
- クラスメイト
- 親友
- 交際相手
- 上司
ここに挙がっている人が、あなたに対して言った言葉があなたの固定観念として根付いていきます。
子どもの頃に「勉強が大事だぞ」と言われれば「へぇそうなのか」と思って育つし、
「勉強より大事なことがあるぞ」と言われれば「へぇそうなのか」と思って育ちます。
つまり、
他人があなたに向かって投げかけてきた言葉を「それが正しいことなんだ」「◯◯が言うんだからそうに違いない」と鵜呑みにして信じ込んでしまったものが、固定観念です。ある意味で「洗脳を受けている状態」です。
でもよくよく考えてみれば、親や先生が言っていることって正しいかどうかは別問題ですよね。学校の先生が言っていたことの全てが正しいかと言われれば、大人になった今ならそうではないことが分かると思います。
子どもの頃は、影響を受ける人が限られるので、他の考え方と比べることなく、身近な人の「常識」や「価値観」を根付かせてしまいます。
よく、「あなたは、あなたの最も身近にいる5人の平均をとった人間性を備えている」みたいに言いますが、子どもにしたら、「親・学校の先生・習い事のコーチ・よく遊ぶ友だち・祖父母」くらいじゃないでしょうか。
影響力が強い人の特徴
ただ、固定観念はやっかいな所があって、本人が、それが固定観念だと気づいていないことが多いんですよね。それだけあなたの心に深く深く染み付いているということなんですが。
たとえば、「朝ごはんは食べるべきだ」「昼になったら昼ごはんを食べなければいけない」という固定観念は、親も先生も繰り返し言うと思います。
確かに朝食は成長期の子どもにはとても重要です。しかし大人になってからもその固定観念を持ち続けていると、太る原因になったり、健康を害する原因になったりもするわけですよね。
もともと江戸時代には日本人は1日2食の生活をしていたわけですし、研究データでも1日1〜2食にするなどして1日の摂取カロリーを抑えた方が病気も減り美容にも良く、ストレスも減ることが分かっています。
なのに、「朝ごはんは食べるべきだ」「昼になったら昼ごはんを食べなければいけない」と今だに思っているということは、それだけ固定観念が強いということでもあり、
もっと言えば、あなたに影響を与えてきた人がとても強い力を持っていたから、他の考え方を受け入れられないくらいに、あなたが強く深く固定観念を根付かせしまったと考えられます。
先ほどの人たち、
- 親
- 学校の先生
- 習い事の先生・コーチ
- クラスメイト
- 親友
- 交際相手
- 上司
には3つの特徴があります。
その3つとは、
- 相手が(「親」や「先生」などの)権威を持っている存在だった
- 相手との上下関係が自分より上位(先輩・クラスで人気)の(だと思い込んでいる)存在だった
- 相手が自信満々に言ってきたから
です。この特徴に当てはまる人だったからあなたは強い影響を受けたのです。
もっと簡単に言えば、「信頼している相手、頼りにしている相手であればあるほど強く影響する」ということです。
さて、ここまでを話しが進めば、大人が子どもに使ってしまう「悪い言葉」の正体がよく分かってきたのではないでしょうか。
今まさに子育てをしている人は、あなた自身が子どもの頃に親から影響を受けて固定観念を身につけてきたように、あなたの子どももあなたから大きな影響を受けていることを自覚する必要があるのです。
子どもに影響を与える親の固定観念
ここまでみてきたように、あなたの持っている固定観念と影響力は子どもにとって強大なパワーとなります。もちろん良い意味でも悪い意味でも。
つまり、子どもと関わる時は、自分が「言うこと」「やること」が子どもにとってどんな影響を与えるかをいつも考えておいた方がいいのです。
そうなってくると良い固定観念を持ちたいと思いますよね。でも、良い固定観念というのは人それぞれ違いますから、結局は自分で見つけることが良いと思うんです。
だって、もしここでぼくが「良いママになるにはこういう考えを持つべきだ!!」「子どもを良く育てるなら口癖をこう変えなければならない!!」なんて言ったところで、それこそぼくの固定観念の押し付けですからね。笑
ただ、固定観念の束縛に苦しんでいるママは多いので、その対処方法だけ最後にお伝えします。
何事もそうですが、良いものを手に入れるには、まずは自分を苦しめる悪いものを捨ててからです。あなたの人生を息苦しくする悪い固定観念は捨ててしまいましょう。
固定観念という束縛から抜け出す方法
大人になるとなかなか固定観念という束縛から抜け出せないのですが、子どものためにも親が柔軟な思考を持っていることはとても大事だと思うので、ぜひこの方法を実践してみて頂きたいです。
固定観念という束縛から抜け出すための方法は、『あなたが持っている固定観念と反対のことも受け入れてみる。』ことです。
固定観念とは、考え方の偏り(かたより)によって起こります。つまり、偏見なんですよね。シーソーで言えば、片側にしか人が乗っていない状態です。人が片側にしかいないとずっと傾いたままですよね。シーソーは両方に人がいることで楽しめる遊具です。
子どもが何かをやったときにもしあなたがイラっとしたら、きっとそれはあなたの常識にはない出来事が起こったからだと思います。その時に、一度受け入れるんです。
「へぇ、私はこう思うけど、この子はこう思うんだなぁ。」「ふーん、私はこうして欲しかったけどこの子はこうしたかったんだ」って。それだけであなたの固定観念は変わっていきます。まずはそれだけできれば大丈夫です。
また、あなたが普段子どもに口すっぱく繰り返し伝えていることも固定観念の可能性が高いという話がありました。あなたは普段子どもにどんなことをよく言っているか、一度考えてみてください。そして次の質問も考えてみてください。
それは本当に子どものためになっていますか??
子どもの「気持ち」や「考え」が否定されていませんか??
絵を描きたいという思いを持つ子どもにスポーツを薦めてませんか??
パズルをやりたい子どもにダンスを薦めてませんか??
もっと体を動かしたい子どもに、じっとすること求めてませんか??
あなたが子どもに普段伝えている固定観念を知っておくことが、変化の第一歩になります。
あなたの周りにもあまり怒らない人、全然イライラしない人が1人くらいいると思います。思わず「心が広いなぁ」「神経が鈍いなぁ」と思ってしまうあの人です。
そういう人は、固定観念を持っていないわけではなくて、自分とは違う固定観念を目の当たりにした時に「そういう考えもあるよね」「この人はこういう考え方をするんだ」と、自分が持っている固定観念と反対のことも素直に受け入れることができるので、気が逆立つことがないわけです。
これも言い換えれば「自分が持っている固定観念とは違う考え方も受け入れるべきだ」という立派な固定観念なのですが、ぼく自身は断然こっちの固定観念の方が良いかなと思っています。
子どもに対しても同じように思えると、子どもの育ちも変わってくるのではないでしょうか♪
さいごに
今回は、知らないうちにオトナが子どもに使ってしまう「悪い言葉」の話でした。固定観念のこと、なんとなく分かったでしょうか??
「〜するべきだ」「〜しなければならない」という固定観念は、意識してみるととても多く持っていることに気がつくと思います。
親であるあなたも、子どもに何らかの固定観念を植え付けている可能性が十分にあるということを自覚しながら、日々子どもたちと関わっていきたいですね。
最後まで読んでくださってありがとうございました!!