こんにちは!この記事は2019年に結婚したぼくたちが新婚旅行で世界一周した時の記録です。
記事概要
【概要】バンコクの病院で1日で一気に7種類のワクチン接種を受けた話
海外旅行は楽しいイベントですが、海外に行くにあたって気になることの1つに渡航国の衛生状態があります。
世界には「狂犬病」や「黄熱病」が蔓延している国がまだまだあり、必要な予防接種をしていないと入国すら出来ない国もあるほどです。
ヨーロッパやハワイやグアムなどに行く場合はそこまで気にする必要はありませんが、海外で大きな病気にならないためにも海外旅行の際には「予防接種」を受けた方がいい場合もあります。
今回は、世界一周するにあたってぼくたちがタイの病院で予防接種した時の話を書きたいと思います。
海外での予防接種と聞くと、衛生面などでなんとなく不安を感じるかもしれませんが、場所を選べば衛生面も問題なく日本で接種するよりも安価で手軽に受けることができます。
※この記事は専門家による医学的な知識に基づいて書かれた記事ではありません。あくまで参考にとどめ、実際のワクチン接種にあたっては医師への相談のもと自己責任で行ってください。
予防接種した病院
ぼくたちが予防接種のために訪れたのはタイのバンコクにある「サオパワー王妃記念研究所(Queen Saovabha Memorial Institute)」です。
ここは世界中を旅する日本の旅人たちにはとても有名な病院でして、「バンコク 予防接種」と検索すればたくさんのブログ記事を見つけることができます。
この病院の真裏に「蛇の研究所」も併設していて「スネークファーム病院」とも呼ばれています。
旅人の間では「タイのスネークファーム行ってきた」と言えば「世界一周に向けて予防接種してきました」と同義であり、一瞬で話が通じるくらい有名な場所です。
場所はこちら
Googleアプリを開いて見る場合はコチラ⇒Queen Saovabha Memorial Institute(スネークファーム)
受けた予防接種の種類
今回、ぼくたちが打ったのは4本のワクチンです。
英語ではワクチンを打つ単位を「ショット(shot)」と呼ぶので、今回は4shot(フォーショット)打ったことになります。
ぼくたちが受けたワクチン
- 日本脳炎
- A型肝炎
- 黄熱病
- 四種混合
四種混合にはその名の通り4種類のワクチン(ジフテリア・百日ぜき・破傷風・ポリオ)が入っているので、今回の予防接種で計7種類のワクチンが一気に体内に入ります。
ちょっと心配になる量ですよね。実はぼくらもだいぶ心配でした。(笑)
日本では予防接種後、数日〜数週間の間隔を空けなければ次のワクチンを接種できなかったりするので、その常識が頭にあるぼくたちは問診の時にお医者さんに何度も確認しました。
ぼく「今日1日で最大何本までワクチン打てるんですか?」
女医「(笑顔で)whatever you want(何本でもいいよ)」
ぼく「え?」
女医「(笑顔で)wahtever you want(何本でもいいよ)」
ぼく「本当に大丈夫ですか?」
女医「yes.」
ぼく「4本でも5本でも?」
女医「yes。ただし、狂犬病は三回に分けて打たないといけないから今回のスケジュールでは厳しいかな。」
ぼく「適当に問診してる訳では無さそうだけど、、、」
笑顔で「whatever you want(何本でもいいよ)」って「あちらに置いてありますのでご自由にお取りください」みたいなノリで言われましたけど、一般ピーポーが自分の意志で決めていいのかなととても不安になりました。
ワクチンの金額
ワクチンの金額は全部で7,820バーツでした。
この金額が高いのか安いのか。日本のとあるクリニックと比較するとこうなります。
日本 | スネークファーム | |
日本脳炎 | 6,800円 | 1,600円 |
A型肝炎 | 8,300円 | 5,200円 |
黄熱病 | 11,180円 | 4,100円 |
四種混合 | 10,300円 | 2,400円 |
合計 | 36,580円 | 13,300円 |
日本でこれだけ打ったら36,580円かかりますが、タイでは約13,300円です。
3分の1くらいの金額。確かに安いです。
何よりすごいのは、日本で全て打ったらおそらく1ヶ月以上かかる本数がたった一回で済むことです。日本なら日程調整して何度も病院にいけませんがタイなら1回で終わり。その手軽さもメリットだなと思います。
旅人の中にはスネークファームに通い詰めて打てる限りの予防接種を受けることで、日本で接種するよりも10万円以上安く済ましている猛者もいます。10万円あればタイで1ヶ月生活できますからね、たいしたものです。
ぼくたちはちょっとでも体調不良だったら辞めようと思いましたけど、あいにく?夫婦2人ともめちゃくちゃ元気だったので、打つことにしました。
受付〜ワクチン接種までの流れ
スネークファーム病院に到着してからワクチン接種までの流れはこのような感じでした。
- 初回登録用紙と問診票を書く
- 受付・登録
- 体温・血圧測定
- 医師による問診
- ワクチン購入
- ワクチン接種
- しばし待機
- イエローカード受け取り(黄熱病ワクチン接種の場合のみ)
- 終了
もう少しイメージが膨らむように、流れを細かく書いていきます。(スネークファーム病院への行き方は最後に記載してあります。)
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初回登録用紙と問診票を書く
まずは正面の入り口を入って左に曲がった所にあるこの台で書類に必要事項を記入します。
手に取るのは次の2つの用紙です。
- 『Patient Information(患者の情報)』
- 『Patient Information for Immunization and Travel Clinic(予防接種と渡航に関する患者の情報)』
記入は全て英語ですが、基本的な情報はすぐ書けると思います。
『Patient Information』の記入項目
- 氏名
- 生年月日
- 年齢
- 性別
- 住所(日本ので可)
- 職業
- アレルギーの有無
など
『Patient Information for Immunization and Travel Clinic(予防接種と渡航に関する患者の情報)』の記入項目は事前に調べて行く方が無難なものもありました。
質問
- Reason for this trip(旅行の理由)→たいていの人は「tourism/leisure」をチェック
- Travel Stayle(旅のスタイル)→都市のホテル滞在中心,バックパッカー,ツアー旅行,冒険など
- Do you carry antimalarial drug for this trip?(旅行に抗マラリア薬を持っていくか)→Yes,Noで回答
- Itinerary(旅程)→渡航予定の国や地域、期間を記入
など
この時に過去に打ったことのあるワクチンを答える欄があるので事前に調べておく必要があります。(打った予防接種を英語でメモしておくと分かりやすいです。)
受付・登録
用紙の記入が終わったら受付をします。1番の部屋に入ります。
この部屋で必要なもの
- パスポート
- 先ほど書いた紙2枚
- 20バーツ(現金で)
20バーツは初診料&初回登録料です。スネークファーム病院では他国通貨はもちろん、クレジットカード支払いもできないので現金の持参が必要でした。
パスポートも絶対に必要です。
むしろ、パスポートと現金があれば手ぶらでも構わないくらいです。
血圧・体温測定
登録が終わると隣の部屋に移動して血圧と体温測定をします。
この部屋では、血圧測定器の前に座ると目の前にヘビやタランチュラなど毒を持った生き物の標本がありました。
血圧測定なのに平常時の血圧を測定させる気が全然ありません。
医師による問診
次は医師による問診です。
ここが1番緊張しました。
なんせ英語でのやり取りです。勘違いがあってはいけないので妻と一緒に診察室に入りダブルチェック体制で臨みました。
事前に調べた限り、スネークファームで問診してくれる医師は「ほんわかおじいちゃん」か「若手の女医さん」のどちらかが多いみたいです。
ぼくたちの時は女医さんでした。しかも思っていた以上にカジュアルな女医さんで、大学の非常勤講師みたいな感じでした。服装も白衣ではなくポロシャツで、「この後サークルのテニスあるんで」と言わんばかりの出で立ちです。
慣れない海外での予防接種で緊張もしていたので嘘でも良いから白衣とか来てもうちょっと権威性出して欲しかったなー(笑)
部屋に入ると問診が始まります。
問診で行われることは1つ、「何のワクチンを打つか決めること」です。
ぼくたちは当初、旅のスタイルや訪問予定国を見てお医者さんの方から打った方がワクチンを提案してくれるものだと思っていたのですが、それは違いました。
女医さんのスタンスは「はいこんにちは!で、今日は何のワクチンを打ちたいの?」でした。
このあとすぐ、先ほどの、「最大何本まで打てますか?」「whatever you want(何本でもいいよ)」のやりとりになる訳ですが、、、
ぼくたちは一応打ちたいと考えているワクチンをピックアップしてあったので、それを伝えました。
ポイント
問診の際は、打ちたいワクチンをあらかじめメモしておくと話が早いと思います。
ワクチンの値段の話もしてくれるので、予算の都合がある場合は尋ねた方がいいです。ぼくたちも聞きました。
医師と相談の結果、今回打つワクチンが決定。女医さんが接種するワクチン等を問診票に記入してくれます。
ワクチンを購入・支払い
診察室を出てワクチンの購入をします。正面入り口を入ってすぐの所にカウンターがあります。
先ほどの紙を渡すとすぐにワクチンを用意してもらえます。この時に『看護サービス費』として50バーツが加算されて請求されます。(支払いはタイバーツで現金のみ)
ワクチン接種
接種するワクチンを自分で運びます。元看護師の妻も「患者が自分でワクチン運ぶのは日本ではあり得ない状況だわ」と笑っていました。
4番の部屋に入りワクチン接種を受けます。
妻とは別々の個室に入って看護師さんにワクチンの入ったカゴを渡しました。
カゴを渡すと50代くらいの看護師さんが「ワーオ、あんたたち4ショットも打つんかー、many many」と言いながら注射の準備する姿を見て、ちょっと不安になりました(笑)
最初に説明があり、「右腕に2本、左腕に2本打つからね」と。
改めて「あぁそんなに打つんだ、、、ちょっとやだな」と心の中でつぶやきながら、笑顔で「OK,No problem」と答えて強がりました。
右腕から順番に打ってもらいます。
薄まっているとはいえ、ほんの数分で7種類のウィルスが身体中を巡り始めたことを思うと不思議な感覚でした。
注意ポイント
「海外の病院って針の使い回しとかしてるんじゃないか?」みたいなイメージがありますが、そのあたりはめちゃくちゃ衛生的で、ちゃんと4本すべてその場で袋を開封して新品の針を使っていました。
しばし待機
打ち終わった後は「待合のベンチで15分くらい待ってね」と言われます。
体調の急変がないか確認するためだそうです。
イエローカード受け取り(黄熱病ワクチン接種の場合のみ)
そして、しばらくしてから「もういいよ」と言われ、予防接種証明書(イエローカード)を受け取って終了。
右腕より左腕の方が痛かったけど、気だるさなどはなく元気でした。ただ、体調万全の時じゃないと7種類は厳しいだろうなと思いました。
重い荷物は持ってこなくてよかったです。
終了
妻もぼくも問題なく予防接種を終えることができました。
初めての海外予防接種。衛生面や言葉の壁の心配はありましたが事前にある程度調べていけばなんとかなることが分かりました。
なによりスネークファームの医師やスタッフが異様に日本人の来院に慣れているので流れもめちゃくちゃスムーズだったのかなと思います。(それだけたくさんの日本人が来ているってことですね。)
注意点
このスネークファーム病院での予防接種を考える場合に気をつけた方がいい点が2つだけあります。
- 余裕を持ったスケジュール
- 接種、副作用も含めて全て自己責任
1つは余裕を持ったスケジュールです。ワクチンの中には期間を空けて複数回打つ必要があるもの(狂犬病ワクチンなど)もあります。またワクチン接種後は体調の変化に備えて数日はバンコクに滞在するなど余裕もあった方がいいと思いました。
そして、もう1つは海外で予防接種を受けることへのリスクと自己責任です。
ワクチン接種後に体調が急変した場合にすぐに助けを求められる環境にあるかはとても重要ですし、万が一副作用が出た場合には海外の医療機関を受診することになり、慣れない土地での手続きやコミュニケーションも必要になります。
海外での予防接種はそういったリスク等を踏まえた上で判断した方が良いと思います。
まとめ
今回は、タイの病院(スネークファーム)にて1日で7種類のワクチンを一気に打った話でした。
同じ経験をする人はかなり限られると思いますが、タイで予防接種を打つことはとても良い経験にはなります。しかも手軽で安価なので、海外のいろんな国に行きたいけど費用は抑えたいという人にはピッタリだと思います。
自己責任にはなりますが、興味がある人は専門医と相談の上、バンコクで予防接種を受けてみてください。その場合は余裕を持ったスケジュールとリスクを理解した上で!
ぼくたちは本当は狂犬病の予防接種も打ちたかったのですが、狂犬病の予防接種は1回ではなく日にちを空けて接種する必要があるので今回はスケジュールの関係で断念しました。
事前に調べておけば狂犬病も間に合ったわけだなので、、、事前準備は大事です。
計画的にやっておけば左右2本ずつ一気に注射打たなくて済んだかも、、、しれないので。
病院への行き方
これから世界一周に旅立とうする人でもない限りスネークファームで予防接種を受けることはないかもしれませんが、もし行く時は以下のマップを参考にしてみてください。
まずはバンコク市内にあるシーロム駅(Si Lom station)を目指し、そのあとは徒歩で行けます。
唯一の注意点と言えば、スネークファームの隣にも大きな赤十字病院があり、そこに間違えて入ってしまわないようにすることです。
これがスネークファーム病院の建物の外観↓です。
【Google Mapを開く⇒シーロム駅からスネークファームまでのルート】
補足:ワクチン接種に関連する英単語
海外でワクチン接種をするにあたり関連する英単語を調べたので参考までに表にしておきます。
日本語 | 英語 |
ワクチン接種 | Vaccination |
ワクチン接種する | Vaccinate |
ワクチン | Vaccine |
ウィルス | Virus |
免疫 | Immunization |
副作用 | Side effects |
アレルギー | Allergies |
経口ワクチン | Oral Vaccine |
マラリア | Malaria |
四種混合ワクチン | DPT-IPV |
ジフテリア | Diphtheria |
百日咳 | Pertussis,Whooping Cough |
破傷風 | Tetanus |
ポリオ | Polio |
コレラ | Cholera |
インフルエンザ | Influenza |
肝炎 | Hepatitis |
A型肝炎 | Hepatitis A |
B型肝炎 | Hepatitis B |
日本脳炎 | Japanese Encephalitis |
麻疹・はしか | Measles |
風疹 | Rubella |
伝染病 | Epidemic |
流行性耳下腺炎(おたふく) | Epidemic parotitis |
狂犬病 | Rabies |
黄熱病 | Yellow fever |
腸チフス | Typhoid |
ヒトパピローマウイルス | Human Papilloma Virus |
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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