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保育士のアジア旅2016Day12-2@マレーシア【1リンギットの闘い】

かんかん

この記事は、
保育士のぼく(@kazukirin1989)が26歳の時に、合計60日間(2016年2月〜4月)でアジアの国を中心に10ヶ国1人で旅した記録です。

せっかくなので旅行記っぽく書いていきます。

 

セントラルマーケット

バスでシンガポールからマレーシアへ移動し、無事に予約してあったクアラルンプールの宿に着いた。今日の宿は4人部屋で1泊約1,000円

宿に着いた時には夕方5時くらいだったが、日の入りは19時半くらいで外はまだまだ明るいし、暑い。

宿の周りを散歩するクセがあるぼくはいつものようにフラフラと周辺の散歩へ。

ぼくが泊まった宿のすぐ近くには、
「セントラルマーケット」というお土産屋さんがたくさん入った場所があったのでそこに行ってみることに。

セントラルマーケットの入り口

このセントラルマーケットはお土産を買うのに便利な場所らしく、日本からのクアラルンプールツアーには必ずといっていいほどスケジュールに組み込まれているそうだ。

 

確かに建物の中にはたくさんの土産物屋がたくさん並んでいて、キーホルダーやマグネット、Tシャツやマグカップといった「I♡KL」系の定番お土産もあるし、クアラルンプールのシンボル??ペトロナスツインタワーを模したキーホルダーやお菓子の缶が置いてあった

 

 

それを見た感想は「ものすごい日本人向けの場所だな〜」と(笑)

日本人がたくさん来るから、世界一お土産大好きな日本人向けにお土産屋さんもカスタマイズされている。

他にも民族衣装みたいな服をたくさん置いてる店や、シルクの布やストールを売ってる店がたくさんあった。

あとは、ぼくは全然知らなかったのだが「ナマコ石鹸」というのをたくさん売っていた。
セントラルマーケット歩いていると、店員のおばちゃんたちが日本語で「ナマコセッケンッ。ナマコセッケンッ。」と言っているのがいたるところから聞こえてくる。

お店のおばちゃんが美容に良いと絶賛してきたが、日本で人気なのか??

ぼくは”ナマコセッケンッ。”には興味がないので、声を掛けられても、「ん??全然買う気はないよ。ただ見てるだけ〜」と返す。満面の笑みでそういうと大抵の場合はそれ以上声をかけてこない。

東南アジアだと意志をはっきり伝えることは余計な買い物をしないためには必要だと感じる。

 

よし、シャツを買おう

そんなやりとりを繰り返しながらセントラルマーケット内を歩いていると、ふと民族衣装を扱っているお店に目が留まった。

それまで何軒も似たようなお店はあったのだが、なぜかそのお店は見てみようと思ったのだ。

すごく小さいお店で、おばあちゃんが1人で店番をしている。ぼくに近づいてくるおばあちゃんは鮮やかな黄緑色のインドのサリーのような服を着て、顔以外は薄黄色のストールで覆っているのが印象的だった。

ぼくが男性用の服を見ていると、英語で「What do you want??(なにが欲しいの??)」と声をかけてきてくれたので「just look(特にないけど、ただ見てるだけです)」いつものように返した。

その店で売っていた服は、アジアの街中で街ゆく人やタクシー運転手がよく着ているような柄の派手なシャツだった。

 

実はちょっと前から、「せっかくアジアを旅行してるんだし、地元の人っぽい服を着たら現地に馴染みやすくなるかな」なんて考えて初めていたのだ。

それに旅行の後半でインドにも行く予定だったため、その時に着る現地っぽい服を1着欲しいなと考えていたのである。

この店に入ったのも何かの縁。ここでシャツ1枚買っていこうと決意した。

しかし、その店に置いてあるシャツ、どの柄を選んだとしても日本では圧倒的存在感を放ちそうなものばかり。

今回の旅専用のシャツとして限定使用する覚悟を決め、いざ価格交渉へ!!

 

1リンギットの闘い

店内をしばらくうろつき、「これならいいかな」と思ったシャツを何着か試着し、一つ選んだ。

値札には59.9リンギットと書いてあるリンギットはマレーシアのお金の単位だ。

「これ買います」といきなり言うと、そのまま約60リンギットでお買い上げになってしまう。日本で暮らしていると値引き交渉には慣れないものだが、海外では値引きが当たり前。

自分が「これにいくらなら払える」と思った金額と相手が「これをいくらなら売れる」と思った金額が釣り合うことが商売の基本。それを改めて感じさせてくれるのがアジアのマーケットなのだ。

 

買うときの方法はまず第一声で「これ、いくら安くしてくれる??」と尋ねる。

店員のおばあちゃんは値引き交渉は当然だと思っているから、「50リンギットでどう??」と平然と言ってくる。この時点で10リンギットの値引き。

少し話が逸れるが、アジアのマーケットで商売している人に英語で話しかけると、たいてい「お前日本人なのに英語喋れるのか」と驚かれ、日本人観光客の話しになると必ずといっていいほどこう言われる。

「日本人は値引きに慣れていない。値札のまま買うからすごく儲かるよ♪♪」

 

 

日本人のみなさーん!!バレてますよ〜っ!!!

これを「ぼったくられている」と表現する人もいるが、値札のまま買う日本人観光客は「(日本の物価感覚で)この値段なら買ってもいいな」と納得して買っているわけだから、これはぼったくりではないのだ。

話は戻っておばあちゃんとの値引き交渉。

ぼくは40リンギットくらいならいいなと内心思っていたため、とりあえず「35リンギットでどう??」と聞いてみる。

そしたらおばあちゃん、

入れ歯をつけ忘れたことに気づいた時みたいな驚いた顔をして「それはムリだよ〜!!」っと必死な感じ。

「35リンギットは相場以下なのね」と思いながら次の言い値を考えていると、

おばあちゃんがサラッと「55リンギットでどうだい??」って。

 

いや、あんたさっき50リンギットて自分で言ったやんけ!!!

 

最初の59リンギットから50リンギットまで下げたの自分なのに、そのあとにさりげなく55リンギットに上げてくるとは!!!

新手の手法である。

たぶんおばあちゃん、日々のセールスの中で値段交渉し過ぎて、さっきいくらまで値下げしたか覚えてないんだろうな。と感じた(笑)

なんて適当な商売だ(笑)

でもそのユルさが東南アジアのいいところでもある。買う側と売る側の「納得」が大事なのであって、値段はあってないようなものなのだ。

 

おばあちゃんが55リンギットとか言い出すから、そんな新手の手法にまんまと動揺してしまったぼくは、焦って自分のリミットだと思っていた「え、じゃあ40リンギットでどう??」って言っちゃたではないか。

もう引けない。
そしたらおばちゃん、すぐさま「45リンギット!!」って応戦してくる。

 

さっきの55リンギットはもういいのか!?

 

なんにしてもぼくはもう40リンギットから引く気はない。それを感じたのかおばあちゃん「43リンギット」を提示してきた。

そこでぼくもちょっと許容し、「わかった!41リンギット!!」と1リンギット妥協。

そしてそこから全然引かない「43リンギットのおばあちゃん」と「41リンギットのぼく」。

 

おばあちゃん「43!!」

ぼく「41!!」

おばあちゃん「43!!」

ぼく「41!!」

 

なかなか手ごわいおばあちゃん。

こうなったら最終手段である。

 

「じゃあ他の店見てくる」

 

それ聞いておばあちゃん速攻で「42リンギット」に下げた。

 

効果絶大である。

でもそこからまたさっきと同じやりとり。

ぼく「41にしてよ〜」

おばあちゃん「42!!」

ぼく「41でいいじゃんか〜」

おばあちゃん「42!!」

そんなやりとりをしながら、ふとおばあちゃんの手元をみると、

ぼくが買おうとしている服をすでに綺麗にたたみ始めてるじゃないか。

 

「こりゃもうひと押しだな」

そう思いながら、おばあちゃんがたたんでる服をよく見ると、黒いシミっぽいのが見えた。勝機アリ!!!

ここぞとばかりに
「あーーーッ!!おばあちゃん!!汚れてる所見つけちゃったよ!!!ココ!!これ41リンギットでしょ!!!」と勢いにまかせてツッコミんだ。

 

 

そしたらおばあちゃん、めちゃくちゃ気まずそうな顔して両手を壁みたいにして振りながら「アヤアヤアヤ」って言いました。

なんや「アヤアヤアヤ」て。笑

でも、その「アヤアヤアヤ」って言い方めちゃくちゃ可愛いかった(笑)

 

汚れのこともあって、ついにおばあちゃん41リンギットにしてくれたのである。

自分が納得のいく値段で買えるっていいことだ。

 

今回の値引き交渉は1リンギットで闘ったが、あなたは1リンギットが日本円でいくらかご存知だろうか。

1リンギットは日本円だと約25円くらいである

 

25円でこんなにも楽しめるマレーシア、大好き。

 

 

ただ、笑ってもいられない

1リンギットにこだわっていたおばあちゃん。
逆に言えばこれは、クアラルンプールのおばあちゃんたちにとっては1リンギット(25円)でも大きい価値だってことになる。

 

なぜなら、マレーシアで1リンギットあればスーパーでペットボトルの水が買えるし、食べ物だって買える。

「貧富の差」と言ってしまうと言葉が違うと思う(何が貧で何が富かは人それぞれ違うから)ので使わないが、国ごと経済力の違いというのは確実感じるできごとだった。

 

25円をどうみるか。

ぼくは「25円くらいなら安い」と思った。おばあちゃんは「25円でも貴重だ」と思った。
その溝はとても大きい。

価値感覚は住んでいる国によって違うと思う。日本にいるだけでは感じないこの感覚。こうやって違う国に来た時、物価が日本よりも安い国に来た時に、そこで暮らしている人のことを間近でみると、いろいろ感じ方が変わる。

 

さいごに

値引き交渉をする文化が薄い日本ではなかなか経験できないが、東南アジアでは「売る側と買う側がお互いに納得の行く値段で物やサービスをやりとりする」という感覚を肌で感じることができる。

 

ぼくの場合は、いつも安く安く「より安く」と値切っているわけではなく、相場よりちょっと高くても

この運転手さん面白いなとか、
この人からならこの値段で買ってもいいかなって時は多く払ったりもしている。

物にお金を払っているというよりも、その店員から自分がされて嬉しいサービスを受けることにお金を払っている感覚だ。

もちろん気づかずに相場より多くお金を出してることもいっぱいあるが。(笑)

そういうことも含めて、日本以外の国で買い物をして値段交渉をして、良い人生のお勉強ができてるなと自分では思っている。

 

さて、明日はマレーシアの観光スポット、ペトロナスツインタワーに行く予定だ。そびえ立つ2棟の高層ビルは日本と韓国の企業が1棟ずつ立てたらしい。そして、その結果日本の技術力を世界にアピールする結果になったようなのだが、詳細は次の記事で。

 

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保育士のアジア旅2016Day13@マレーシア【ペトロナスツインタワー、そして都会に飽きる】

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