この記事は、
保育士のぼく(@kazukirin1989)が26歳の時に、合計60日間(2016年2月〜4月)でアジアの国を中心に10ヶ国1人で旅した記録です。
せっかくなので旅行記っぽく書いていきます。
夜行列車
インドに来て以来最強の腹痛を携えたまま乗り込んだ夜行列車。
今日の目的地はカジュラホというインドの小さな田舎街だ。
デリーでツアープランを考えている時にオフィスのスタッフであるサミュエルが勧めてくれた街で、世界遺産の遺跡群がある静かな街だそう。
ぼくたちがその街に向かう列車は運良く出発時は遅延なくオンタイムで出発した。
インドでは列車が1時間2時間と遅れることは日常茶飯事。オンタイムでの出発はありがたい。
深夜23時ごろの待合ホームはこんな感じだった。
ただ今回の列車移動での心配事が1つ。
今回は終着駅ではなく途中駅で降りるため、間違えずに目的の駅でちゃんと降りれるかどうか。
なにせインドの鉄道、車内アナウンスが一切ない。
しかも駅だけでなく線路上でも突然止まったりする(ウシが線路にいるとウシ優先なのだ)から、駅なのか線路なのかっていちいち気にしなきゃいけなくて気疲れしてしまう。
ヒントとなるのはチケットだ。インドの鉄道チケットには空港みたいに駅名がアルファベット3文字で表記されている。
たとえばバラナシには駅が2つあって、ひとつがぼくたちが到着した駅「バラナシジャンクション駅(Varanasi JN)」、もうひとつが今日の出発駅「MGS」。
「MGS」はMughal Sarai(ムガル•サラーイ)の略である。
今回のチケットには出発駅が「From:MGS」と書いてあって行き先欄には「To:STA」とあった。
ぼくたちが行くのは「Khajuraho(カジュラホ)」という街でその街にも駅があるのは調べてあった。しかし、なぜ表記がSTAなのかわらなかった。
デリーのオフィスでは、この日は「バラナシからカジュラホへ向かうこと」と「駅に着いたらドライバーがホテルまで乗せてってくれること」の2つしか聞いていなかった。
ぼくが乗る電車の終着駅がSTAって駅なのかな??とりあえず電車に乗ったら乗務員に聞いてみればいいか。
そんな気持ちで電車に乗り込んだものの、昼から続く腹痛の影響もあってほぼ思考力ゼロだったのでそのまますぐ寝入ってしまった。
キョロキョロしながら乗る列車
ぼくたちが今回乗っていたのは3等ACという、一つのボックスに8つの寝台席がある車両だった。
ひとつ上のランクである2等ACが一つのボックスに6つの寝台席がある車両で、もう少し人口密度が低いのだが、3等ACでもエアコンはあるし、もっと下のクラスの車両より盗難などの危険が少ないので比較的快適な車両らしい。
今回の列車移動、チケットには到着予定時刻は朝5時半とある。
まぁ予定通りに着かないだろうと思いつつも、一応5時には起きて様子を見ていた。
幸いにも腹痛はだいぶおさまり昨日より体はラクになっている。
5時ちょっと過ぎに一度どこかの駅に停まりまったが、インドの列車が予定時刻より前に着くことはない!!と勝手に判断して周りの乗客に確認することもせず、列車はそのままその駅を出発した。
その後、5時半を過ぎても一向に次の駅に停まる様子はなく電車は走り続けているのでちょっと横になろうとしたら、予約の関係で車両の反対側の離れた場所に席を取ってる友だちアイがやってきて、「まだ着かないのなか??いつ着くか分からないから全然落ち着かない」と一言。
同感です!!
アナウンス欲しいよ。切実に。
インド人たちはどうやって判断してるんだろうか。
乗務員も周りのお客さんもまだ寝てたから、起きたら聞いてみるってことにして友だちと話しそれぞれの席に戻りました。
ギリギリ
それから全然駅には停まらないまま約1時間が経ち、やっとどこかの駅に停まりまった。
降りる人たちが何人もいたのでそのなかの1人に「ここは何て名前の駅か」と尋ねたら「ここはサトナ駅だよ」と教えてくれた。
「カジュラホじゃないのか」ってまた横になろうとしたところ、駅から乗り込んできたインド人がぼくがいる席を指してぼくにヒンドゥー語で何か言っている。
言葉の意味は分からないが、雰囲気的には「ここは俺の席だ、どけっ」って言ってる感じ。
「いや、ぼくもこの席なんですよ」と英語で伝えたが、その人は英語が分からないみたいでヒンドゥー語でひたすらなにかを言ってくる。
ダブルブッキングだったら鉄道会社のミスだよな〜、インドだったらよくありそうだよなぁ〜なんて思いながら「ぼくの行き先はカジュラホだよ。カジュラホ駅まで行くんだ」って話すと、
その隣にいたインド人が「カジュラホ??」と首を傾げてなにやら言っている。
「ビフ、ビフ」
って聞き取れたから「ビフォー?(これより前?)」ってことか??聞き返してみたらウンウン頷いてる。
あ!!まさか朝5時頃に停まったあの駅か!?乗り過ごしちゃったのか!?
やっちまった!
一瞬で焦りがピークに。
そしたら、ぼくの焦った顔を見てか、やりとりを見ていた隣の寝台席の綺麗なサリーを着たお姉さんが英語で教えてくれた。
「カジュラホはこのサトナ駅から車で行くんですよ、カジュラホに行くならここで降りなきゃダメです」
優しい声だった。
そしてその時、ぼくの脳内で一瞬でつながった。
ここはサトナ駅。
きっとつづりは「SATONA」か「SATUNA」。
チケット上にあったのは「To:STA」の駅名。
ここかー!!!!!
STまではわかるけど、なぜ最後Aを採用したのだ!!SATONAならSTNやろー!!!
とそんなツッコミと同時に襲ってきた不安は電車の停車時間。
この駅に到着してからどのくらい経ったか分からないけど、結構な時間が経ってるはず。
いつ出発してもおかしくない。
インドの列車は出発するときも発車の合図とかなにもないから動き出したらおしまいだ。
ただでさえはっきり理解できてない状況なのに、これで電車が次の駅に進んでしまおうもんならそれこそ本日のハッピーエンドはありえない(笑)
焦りは一瞬でMax。
まずはすぐに離れた寝台席で寝転がっていたアイのところへ行って、「この駅で降りるみたいだからすぐ準備して降りるよ」とだけ伝えてから自分の荷物を取りに戻った。
自分の荷物を大急ぎでかき集め、狭い通路にカバンをガンガンぶつけながら友だちのところまで戻り、急いで列車を降りた。
ぼくたちが列車を降りてほんの数秒後、今さっき飛び降りたばかりの列車がゆっくりと動き出した。
あぶねぇ〜ギリギリセーフ。
インドに来てからこんなことばっかり(笑)
全然落ち着けない(笑)
いろんな偶然が重なった結果だが、サトナ駅に2人ともが無事に降りれたのは奇跡に近いと思う。
すべてのことがあと30秒ずつ遅く起きていたら、今頃「どうやってサトナ駅まで戻るか」を考えることになっていただろう、、、
ほんとに良かった(笑)
降り過ごすとこだった。
にしても表記の仕方(笑)日本の常識は世界の非常識を改めて思い知らされた。
インドの鉄道は難易度が高い。そして刺激があり過ぎる。
ドライバーがいない
なんとか予定の駅に降り立ったはいいが、ドライバーが見つからない。
先日、バラナシに着いたときは列車を降りてすぐにドライバーの方から声をかけてきてくれたのだが、今回はサトナ駅のホームを見渡しても全然わからない。
なによりまず、とりあえずチケット通りの駅で降りたはいいけどほんとにこの駅でいいのかもさだかじゃない(笑)
仕方なく出口まで行こうとホームを進んでいたら、身なりの綺麗なインド人が声をかけてきた。「電車チケットいるのか??宿は決まっているのか??」と。
「宿は決まっててピックアップしてくれる運転手がいるはずなんだけど見つからない」
そう伝えると、とりあえずオフィスに入れと言われた。
話を聞くと、そのオフィスもデリーでツアーを予約したオフィスと同じように政府が運営するオフィスなんだとか。
確かに入り口にはデリーのオフィスにはもあった「Incredible India 」の文字が。
世界遺産のチケット売り場の横にもこの文字があったから、この「インクレディブルインディア」っていうのが政府の管轄してる場所のことなのかな。
オフィスに入るとすぐにデリーのオフィスに電話を入れてくれて確認してくれるスタッフ。
20分くらいして話がまとまったようで、電話をしてくれた人がそのままドライバーとしてホテルまで送迎してくれることになったらしい。
デリーのオフィスとどういうやり取りをしたのか知りませんが、料金はデリーですでに払っているので追加で払うようなことはなかった。
カジュラホへ出発
駅から出発する時に、ドライバーに「ここからカジュラホまでどれくらいなの??」と聞いてみると、「スリー!!スリー!!」と連呼している。
ぼくが「3km??じゃあ15分くらいだね」って聞き返すと、
「違う、3時間だ!ここからカジュラホまで125kmあるんだから」って。
まじか。
インド、広いんだな。
舗装が途切れ途切れのガタガタの道を、トヨタのカローラで3時間。おしり痛いよー。
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保育士のアジア旅2016Day48-2@インド【カジュラホという田舎町】
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