不況、少子高齢化、人口減少、異常気象、新型コロナウイルス、、、
いきなりネガティブな内容ばかり並べてしまいすみません。
しかし、ふと世の中を見渡してみると、ぼくたちは今までの常識を捨て去って新しい常識を身につけなければいけない転換点に立たされていることに気づかされます。
なかでも、子どもたちは、今の大人より長く時代を生き抜くことになるわけで、昭和や平成の頃から続く「型にはまった教育」や「型にはめる教育」をしていては文字通り「時代遅れ」となってしまいます。
今必要なのは、今までの型にはまらない新しい考え方です。
そこで今回は、「子どもを型にはめないことのメリット」と「子どもを型にはめないためにはどうすればいいのか」について紹介していきます。
子どもを型にはめないことのメリット
そもそも「型」ってなに?
「型にはめる・はめない」の話の前に、そもそも「型」とはいったいなんでしょうか。
「型」とは大きな枠で言えば「常識」のことです。
常識とは、「多くの人がそうするべき(またはしないべき)だと思っていること」なので、世の中には子どもよりも親や先生などの大人の数の方が多いため、通常は、多くの大人がそうすることが当たり前だと思っていることがその時代の「常識」になります。
しかし、冒頭でも書きましたが、現代(特に新型コロナ発生以降)は、世の中のルールが大きく変わりました。
今まではみんなバスケットボールをやっていたのに、2020年になったらいきなりサッカーが始まってしまったのです。
これまでは手を使ってドリブルしたり、手を使ったシュート練習をたくさんすることが良しとされていたのに、今では「手を使ったら反則です。」というくらいに世の中のルールが変化したということです。
つまり、2020年以前の親や先生が持っている「昔からこうなんだからその慣習に従いなさい」とか「これをやった方がいいんだからやりなさい」という指示が間違った方法になってしまう可能性が高くなった、ということです。
型にはめないことのメリット
そんなめまぐるしく世の中では、型にはまった価値観や教育はすでに過去のものです。
型破りな発想が当たり前のように求められる現代においては、今ままでの教育や生活様式の枠組みを越えた「新しい常識」が必要になります。
斬新なアイディアを産むためには既成概念に縛られない自由な創造力が重要です。
そこで必要になってくるのが、子どもを「型にはめない」という、今回のテーマになるのです。
子どもを型にはめないためにはどうすればいいのか
今回は、子どもを型にはめないために親が出来ることを3つ紹介したいと思います。
- 命令形の言い方を控える
- ネガティブなラベルを貼らない
- 自分で選択する習慣をつける
命令形の言い方を控える
子どもはもともと「型」を持っていないので、子どもが「過去の型」にはまっていると感じるのであればそれはどこかの誰かに押しつけられた型です。
子どもを型にはめないために特に気をつけたい言い方が「命令形」になります。
- 「〜しなさい」
- 「〜するべきでしょ」
- 「〜しちゃダメ」
これらは全て、大人から子どもに言われることの多い命令形の言葉です。
こうした言葉を言われ続けると子どもたちは自分で考えることをやめてしまいます。
周りの大人が「これは正しいからしなさい」「あれは間違っているからしてはいけません」と言ってくれるのですから、従っていた方が楽ですもんね。
会社でも上司から命令ばかりされている部下がやがて自分で考えるのをやめて指示待ち人間になってしいまうのと似ています。
ではどう伝えればいいのか。
そのヒントは「主語を変えること」にあります。
先ほどの「〜しなさい」「〜しちゃダメ」というのは主語が「あなた(子ども)」だと思います。
そうではなく、主語を「わたし」に変えるのです。
「わたしは〜をして欲しい」「わたしは〜だから心配している」というようにです。
すると子どもはそれをアドバイスとして受け取ることができ、どうするかを自分で考えることができます。
ネガティブなラベルを貼らない
家族の会話の中でこんな言い方をしたことはありますか?
- 「うちはみんな文系だから(算数ができなくて当然よね)」
- 「私が運動苦手だから(その血を引いてるのよ)」
- 「ほんとに落ち着きがない子ね」
- 「(子どもが聞いている時に)うちの子、全然片付けができないのよ」
- 「なんで何回言ってもできないの?」
これらは全て「ネガティブなラベル」です。
心理学に「ゴーレム効果」というものがあります。
ゴーレム効果
周囲からの期待が低い場合、その期待通りにパフォーマンスが低下してしまう現象。
子どもは大人になるまで、「自分とはどんな人間なんだろう」という疑問を持ちながら生きています。
そして周りからの評価によって「自分はこんな人間なんだ」と自分を形成していきます。
その時に「運動が苦手だね」「算数が不得意だね」「全然じっとしていられないね」と言われてしまうと、その通りに受け取ってしまうのです。それがネガティブな「型」として残っていまうので注意が必要です。
自分で選択する習慣をつける
3つ目は自分で選択する習慣をつけることです。
- 毎日の洋服
- お風呂に入る時間
- 寝る時間
- 習い事
- 進学の進路
これらを「親の常識」で決めつけたり選択肢を狭めたりしてはいないでしょうか?
先ほども書きましたが、親が子どもの代わりに決めてしまうと子どもは自分で考えることをやめてしまいます。
そしてその1番の問題点は、その選択の結果の影響を受けるのは子ども本人だということです。
誰かに選んだもらったことの結果に負の影響があった時、子どもは自分で決めていないので「人のせい」に出来てしまいます。それが習慣になると「自分は悪くない、◯◯のせいだ」と人のせいにするようにもなってしまう可能性があります。
ポイント
日常の些細なことから習い事や進学先といった大きなことまで、どんな選択をする場面でも親がしてあげられることは、選択肢をたくさん出してあげたり、必要な情報を一緒に調べたりすることだと思います。
(その際、子どもが親の想定外の選択をすると不安になったり否定したくなったりしますが、そこはグッとこらえて、子どもの選択を尊重してあげられるサポートに徹するというのが理想です、、、これがなかなか難しいのですが。)
まとめ
今回は、子どもを"型にはめてしまう"ことの恐ろしさをテーマにして「子どもを型にはめないことのメリット」と「子どもを型にはめないためにはどうすればいいのか」について紹介しました。
最後に1つだけ補足です。
子どもに自分で選択をさせるようにすると、ほぼ100%最初は失敗すると思います。もしくは望ましくない方を選ぶこともあるでしょう。
しかし、子どもの頃の失敗というのは重要な成長の機会です。
失敗したその瞬間だけを切り取ってみてしまうと「かわいそうだな、なるべく失敗させてあげたくないな」と感じてしまうのが親心だと思いますが、子どもの明るい将来のために「価値ある失敗」をさせてあげるのも大切なのではないでしょうか。
(ちなみに、失敗を未来に活かす力や折れた心を自力で戻す力のことを"レジリエンス"といって、近年、教育界で大注目されています。)
参考書籍
最後まで読んでくださってありがとうございました。