子どもの落ち着きがなくて困っているママは多いと思います。
特に2歳〜6歳くらいにかけては、イヤイヤ期が重なったり、興味が移りやすい時期が重なったりして、じっとしていることが難しい頃でもあります。
買い物などに出かけても、あっちにフラフラこっちにフラフラ。
遊びも集中力が続かず、すぐ飽きて次のおもちゃを出してくる。
食事に集中しない。
夜、全然寝ない。
今回は、そんな「落ち着きがない子ども」に手を焼いている子育て中のママさんに向けて、保育士のぼくが、子どもを落ち着いて過ごすようになるためのコツと考え方を紹介します。
落ち着きがない子ども
今回は特に2歳〜6歳くらいの子どもに絞って話をしていきたいと思います。
「落ち着きがない」と一口に言っても、年齢も性別も具体的な出来事もさまざまだと思います。
それだけ子どもは「落ち着きがない存在なんだ」と言ってしまえばその通りなのですが、親の立場からすると、
「電車の中で落ち着きがないのは困る」
「買い物に行ってフラフラされるのは困る」
「1つの遊びや運動に全然集中しないから心配」
など、複雑な思いが出ますよね。
傾向としては「落ち着きがない子ども」は女児よりも男児に多いと言われています。
発達的にも、子どもというのは「じっとする」のがまだまだ苦手なんですよね。
子どもは刺激に敏感
では、なぜ、子どもは「落ち着きがない」のでしょうか。
理由の1つは、子どもにとって毎日の生活は「初めてのこと」が多く、いろんなことが興奮の対象になりやすいからです。
例えば、あなたが海外旅行に出掛けて知らない街を歩く時、いろんな物事が気になりませんか??
匂い、音、すれ違う人、街の景色、食べ物の味、気温などなど。
子どももこれと同じで、生まれてから最初の10年くらいは毎日が刺激だらけなんですよね。
「初めてのこと」と「面白そうなもの」が周りに溢れていて、「気になること」が山のようにあります。
そんなワクワクとドキドキの毎日を過ごしている子どもたちですから、大人にとっては何気ないものでも気になったりするんですよね。
食事に集中できるかどうかは食卓の環境で決まる
子どもの「落ち着きのなさ」が気になるママにおすすめの方法があります。
それは、毎日の食卓の環境を気にしてみることです。
たとえば、あなたの家のいつもの食卓を考えてみて頂きたいのですが、夜ご飯の最中に、
- テレビがつけっぱなしじゃありませんか??
- YouTubeが流しっぱなしじゃありませんか??
- リビングにおもちゃが出しっ放しじゃありませんか??
- 大人がスマホを触ったりしていませんか??
子どもにとって食事の場も刺激に囲まれた空間であることに違いはありません。
そして当然、刺激が多ければ多いほど、子どもは「何に集中すればいいのか」が分からなくなっていきます。
たとえ、大人から「今はご飯の時間だからご飯に集中するんだよ」と言われても、目や耳などの五感を通して刺激が入って来たら子どもはどうしても気になってしまいます。
これたぶん、大人でも一緒ですよね。
子どもにとっての『テレビがついていたり、おもちゃが見える空間での食事』というのは、例えば、あなたが大好きなアーティストのライブ会場でライブを見ながら一番好きな人と一番好きな食べ物を食べているようなものです。
大人だったら「なんて幸せな空間~」となるかもしれませんが、好きなものに囲まれすぎてどれもが中途半端になってしまいそうじゃありませんか??
そういった環境は、子どもにとっては刺激が強過ぎて集中できない空間です。
しかも、おもちゃが目に入るような空間であれば余計ですよね。
それを考えると、食事の時間というのは子どもにとって刺激になるものを極力少なくしてあげる必要がありますよね。
食事中に子どもの気を散らす刺激で分かりやすいものは、
- テレビ
- スマホ
- 視界に入るおもちゃ
でした。
子どもの落ち着きの無さが気になる時は、食事中にこれらの刺激を少なくするようにしてみてください。
まずは1ヶ月くらい続けて変化をみてみましょう!
大人のスマホも要注意
食事中に大人がスマホを触っている場合も、子どもにとっては落ち着きがなくなる刺激となります。
子どもは大人がずっと覗き込んでいる四角くて小さな板に興味津々です。
「ご飯よりもスマホ??ぼくよりもスマホ??」
子どもたちはそんな思いを感じつつ、「そんなに面白いならぼくだって!」と食事どころではなくなってしまいますよね。
では、今回の記事で一番重要なことを今からお伝えしますね。それは、
子どもと食事をするときは、子どもが「食事」と「会話」に集中できるようにしてみてください。
です。
何度も言いますが、他の刺激が少なければ少ないほど子どもは目の前のことに集中することができます。
落ち着きがない子どもはいつも刺激が多すぎてメリハリがつけられていないだけかもしれないのです。
「静」と「動」を意識する
生活の中で、「静(せい)」と「動(どう)」を意識していくことも大切です。
これは保育園や幼稚園など、多くの子どもが集団生活する場所でものすごく浸透している考え方です。
生活の中で「静(せい)」と「動(どう)」を切り替える習慣を持てば子どもたちは自然と落ち着く場面と興奮する場面を分けて考えられるようになります。
たとえば、日常生活の中での「静(せい)」と言えば、
- 食事
- 入浴
- 睡眠
- 絵本
があります。
反対の「動(どう)」には、
- 運動
- 散歩
- おもちゃ
- ゲーム
- 音の大きい映像
- 激しい映像
などがあります。
この「静(せい)」と「動(どう)」を生活の中でうまく切り替えることで、子どもたちは「メリハリ」を覚えていきます。
これは言い換えると「興奮(動)」と「抑制(静)」のことです。
大人でもマラソンを1時間走った直後に寝るのってすごく難しいですが、クラシック音楽を1時間聞いた直後に寝るのって簡単ですよね??
むしろクラシックなら、聞いてる途中で寝てしまう人も多いと思います(笑)
子どもも全く同じなんです。
寝る直前までテレビや映画を見ていたり、部屋を走り回っていては脳は興奮状態になっていて、いくら電気を消して横になってもすぐに寝ることはできません。
むしろ、大人以上に自分の「興奮」と「抑制」をコントロールできてない時期でもあります。子どもが全然寝ないからといっていつまでも寝かさずに毎日22時や23時まで起きている状態では、脳が十分に成長できません。
だからこそ、寝る前は静かな部屋で横になって絵本を読み聞かせてあげたり、リラックスできる音楽(オルゴールのCD)などを流してあげると効果抜群なんです。
「静」と「動」を意識することで、子どもの姿は確実に変わっていきます。
さいごに
今回は、「落ち着きがない子ども」に手を焼いている子育て中のママさんに向けて、保育士のぼくが、子どもを落ち着いて過ごすようになるためのコツと考え方を紹介しました。
ポイント
- 子どもは刺激に敏感な時期
- 食卓を「食事」と「会話」に集中できるように変えてみる
- 生活の中で「静(せい)」と「動(どう)」を意識する
もちろん今までの習慣がありますから、新しいことを取り入れたからといって1回や2回で子どもの姿は変わらないと思います。
1〜2回やってみて、子どもに変化が無いからといって諦めないで欲しいです。目安としては、少なくとも1ヶ月は続けてみてください。必ず子どもの変化を実感できますよ♪♪
今回も最後までよんでくださってありがとうございました。