「AI」や「オンライン◯◯」という言葉が当たり前になってきた昨今ですが、どれだけテクノロジーが進化しても「人と人との関わり」や「人が群れる」ことが無くなることはありません。
人と人が関わる時に重要になってくるのが「対話力」です。
最近は「対話力」や「コミュニケーション力」に関する書籍が本屋にたくさん並んでいることからも分かるように、子ども大人に関わらず、対話する力がとても重要だと言うことが分かります。
たしかに、グループの中で人気のある人や世渡り上手な人は「対話力」がとても高い印象です。
対話力が高い人の特徴
対話力が高い人は、物事をいろんな面から捉えることができるので相手に合わせた質問や反論が出せます。すると会話のすれ違いが起きにくいので、コミュニケーションがスムーズに進むということですね。
誰もが知っている有名企業である[Google]や[Facebook]、[Starbucks]の創業者たちはみなユダヤ人であり、そのユダヤ人たちは「議論好き」で知られているそうです。
「この世に誕生したのはニワトリが先か卵が先か」だったり、「人は死んだあと精神はどうなるのか」のような終わりなき議論を日常の中で繰り返しているのだそう。
これにはユダヤ教という宗教的な背景があるようなのですが、とにかく、「終わりがないような議論を繰り返す習慣がある」ということです。
また、東大生へのアンケートでは、その9割近くが、家庭では「食事」「移動」「お風呂」などの時間に親子でしっかり会話をしていたという回答があったそうです。
家庭での対話は、高い学力の地盤になっているとも言えそうですよね。
対話力の育て方
それではここから、子どもの「対話力」を育てる方法を紹介します。
すでに実践していることがある方は、子どもの対話力が向上しているのを感じているのではないでしょうか。
対話力を育てる方法
- 1日10分、子どもの話を聞く
- スマホ・テレビの電源を切る
- 3〜5回質問する
- 共感する
- あえて「反論」する
1日10分、子どもの話を聞く
忙しい日常では、子どもと会話しているようにみえて実は子どもの話がゆっくり聞けていないことが多くあります。
「はやく◯◯やって!」「それやめなさい!」といった"命令口調"
子どもに意見を求める時に「今日はどの服着る?」「晩ご飯何食べる?」といった"オーダー取り"
「今日は◯時に家を出るからね」「週末はおばあちゃんの家に行くからね」といった"業務連絡"
実はこれらは一方通行で、子どもが安心して自分の思いを話す時間ではないことが多いのです。
そこで、1日10分ほど、「子どもの話をとことん聞く時間」を意識的に作るようにします。
他愛のない会話やおふざけの会話でも、「そうなんだ」「おもしろいね」と関心を持つと子どもはどんどん話すことを楽しむようになります。
スマホ・テレビの電源を切る
最近は、スマホやタブレットが自分の見たい世界だけを見せてくれるようになりました。
SNSでは好きなフォロワーや特定の友人だけの投稿を見ることができますし、昔のようにテレビのチャンネル争いをしなくても1人1台のデバイスが好きなメディアを届けてくれます。
しかしその分、自分の部屋にこもり切りになってしまったり、食卓で面と向かっているのにテレビの音と食べ方を注意する声だけが響くダイニングになっている状況も多々あるようです。
現代ではテレビ、スマホ、タブレットのない時間はあえて用意しないと作ることができません。家族で話し合い、「家庭の約束」を決めるのがオススメです。
3〜5回質問する
子どもの対話力を伸ばすためには、子どもの話を聞いて「そうなんだね」「それは面白いね」だけで終わるのはとてももったいないことです。
子どもの話に対して3〜5回質問をしてみましょう。
その際は「イエス」「ノー」で終わってしまうクローズドクエスチョン(閉じられた質問)ではなく、オープンクエスチョン(開かれた質問)で聞くと、話が発展します。
オープンクエスチョンの例
「どうして?」
「どんなふうに?」
「そのあとどうなったの?」
「どう思った?」
「もし〜だったらどうする?」
共感する
子どもにとって、「ここは自分がどんなことを話しても大丈夫な場所なんだ」と安心できる場所があることは大切です。そしてその場所は、小さいうちは家庭がベースになります。
子どもがなにか話をした時は、まずは「そっか、そう思ったんだね」という共感をするようにします。言葉としては「いいね」や「面白いね」が伝わりやすいと思います。
「ウンチ!おしっこ!」や「ぼく今日、保育園でアリを潰してやっつけたんだよ」のような「いいね」と言いづらいことには、「それを言うのが楽しんだね」「そうだったんだ」と言って一旦共感してあげることがオススメです。
そのあとで「その言葉はトイレに行きたい時以外は聞きたくないな」「アリさん痛かったと思うな」のように伝えると、一旦共感してもらっている分、子どもにはよく伝わります。
あえて「反論」する
共感は重要ですが、「いいね」「面白いね」だけで終わっていると、子どもは自分にとって都合の悪いことに聞く耳を持たなくなってしまいます。
そこで、時々、(一旦共感をしたあとで)あえて「反論」や「違う視点」を伝えてみると子どもの対話力が伸びます。
例
「今日、◯◯君がぼくが作った砂のお山を壊したんだよ。◯◯君はイジワルだからきらーい」
↓
「そうだったんだ。でももしかしたら一緒に遊びたかったのかもよ?」
「今度同じことがあったら、◯◯君に一緒に遊びたいの?って聞いてみたら?」
この時の注意点は、「決して子どもの意見を否定するわけではない」ということです。
「間違っている訳ではなく、違う見方もある」ということを伝えることで子どもの視野が広がり、対話も深まります。
子どもが一方的に話し過ぎる場合には?
ここまでの話とは逆に、「子どもが一方的に話し過ぎて会話にならない」という場合もあると思います。
そんな時は「会話のキャッチボールを理解するゲーム」がおすすめです。方法は簡単です。
会話のキャッチボールを理解するゲーム
まずは何か小物を1つ(ぬいぐるみやトイレットペーパーの芯に折り紙を巻いてマイクっぽくしたもの)用意します。
そして向かい合って会話を始めるのですが、その時にルールが3つだけあります。
- 話す人が小物を持つ。
- 小物を持っていない人は話をせずに聞く。
- 自分の話が終わったら次に話がしたい人に渡す。
こうすることで子どもが視覚的に「話す時」と「話さず聞く時」が分かるようになります。
これが会話のキャッチボールを理解するゲームです。
ただしこれを四六時中やると大変なので、1日10分くらい時間を作ってするようにしましょう。
このゲームをすることで他の場面でも聞く姿勢が身についてきますよ。
まとめ
今回は子どもの「対話力」を育てる方法を紹介しましました。
対話力を育てる方法
- 1日10分、子どもの話を聞く
- スマホ・テレビの電源を切る
- 3〜5回質問する
- 共感する
- あえて「反論」する
ぜひ「1日10分の対話タイム」や「隙間時間の有効活用」で、子どもの対話力を伸ばしてあげてください。
参考書籍
最後まで読んでくださってありがとうございました。