お金・保険

子どもに伝えたい「お金の価値」と「次世代の価値観」

かんかん

今回は、子どもに伝えたい「お金の話」です。

日本ではお金の話をするのってヤラシイとか恥ずかしいとかって言われてますけど、
その結果、何も知らずに社会に放り出される子どもたちのこと考えたら、
ある程度知っておいた方がいいと思うんですよね。

ぼくは保育士になって働き始めてからお金のことを学ぶようになり、
「いや〜学生の頃から知っておきたかったなぁ〜これ」なんてことが山ほどありました。

そんな「お金」ですが、
時代が変わり、お金中心の価値観から次の価値感へと移行期間に入っています。
そういった新しい時代の変化も、子どもたちには知っておいて欲しいと思うわけです。

今は想像しにくいかもしれませんが、「お金を稼ぎが時代遅れになる時代」がすぐそこまで来ています。
そんな時代に何を知っておけばいいのか、分かりやすくまとめてみました。

お金の現実

Maklay62 / Pixabay

まずはじめに、ぼくが知ってびっくりしたお金に関する事実を3つ紹介します。

富の異常な偏り

今の世の中は、世界の上位1%の人が、この世にある48%の富を所有しているって知ってましたか??

世界人口のたった1%の人たちで、世界のほぼ半分の富を所有してるってどういうこっちゃですよね。

仮に世界中の人70億人を所得順に一列に並べたとすると、
先頭から「80番目」までの人の総所得と
一番後ろから35億番目までの人たちの総所得が同じと言われています。

congerdesign / Pixabay

目に見えないお金が世界中を駆け巡っている

私たちが働いて給料をもらい、買い物をする時に使う現金を使ってどこかの会社の売り上げになって動く経済を「消費経済(実体経済)」というそうです。

そして、お金を使ってお金を生み出す「投資」や「運用」で動いている経済を「資産経済(金融経済)」というそうです。資産家や金融マンと呼ばれる人たちはこの資産経済をメインに生活しています。

そして、ぼくもこれを知った時とても驚きましたが、
世の中に流通しているお金の流れの9割近くは資産経済の方で生まれているそうです。

ぼくたちがコンビニで買い物をしたり、休日に出掛けて使うお金の流れは
全体から見ればたった1割しかないなんてにわかには信じられませんよね。

でも、確かに数字では明らかになっていて、

たとえば2013年のデータでは、
外国為替(資産経済の一部)の取引高は1日平均5兆3450億ドル、
輸入や輸出の世界貿易額(消費経済の一部)の取引高は1日平均1000億ドル。

毎日、世界中で行われる輸出・輸入のやりとり(トヨタの車や工業製品の輸出も含まれる中)の総額の53倍以上のお金が、資産家や金融マンによってインターネット上でやりとりされてるんですって。
(参考:あなたがもし残酷な100人の村の村人だと知ったら

私たちが普段生活していて、ものすっごいお金持ちたちと関わる機会が少ないのは、そもそもメインにしている経済圏が違うからだったんですね。

日本人はお金持ち大国??

さきほど、富の異常な偏りの話を出しましたが、
日本に住んでいる仮にあなたや旦那さんが年収300万円だとしたら、
その時点で世界のトップ1.67%に入る高所得者なんだそうです。(グローバルリッチリスト調べ)

たしかに、世界には、月収5万円という国や、1日100円以下で生活している人たちがたくさんいます。

ぼくがフィリピンに語学留学していた時、ぼくに英語を教えてくれていたフィリピン人の先生は時給が300〜400円くらいだと言っていました。

フィリピンではそれでも高い方なのだと。フィリピンで大学を出て、外国人を相手にする仕事をしてその金額なわけですから、大学を出ず、地元の経済圏の中で生活をしている人たちはもっと低いんだそうです。

日本という狭い枠組みだけで見ていると年収が300万円なのか400万円なのかにこだわり、
年収が1000万円ある人たちを羨むなんてことをしてしまいがちですが、
世界に視野を広げれば、日本人はとても恵まれていることがわかります。

そう考えると、年収300万円の日本人ですら上位1.67%なんだとしたら、
世界の48%の富を所有している上位1%の人たちってどんだけすごいの!?って話ですね。

お金の成り立ち

以前、記事でも書きましたが、お金というのは、物々交換を便利にしていく中で生まれた道具です。

よくわかる
意外と知らない「なぜお金が生まれたか」。子どもに教えられますか??

続きを見る

詳しくは記事の読んで頂きたいのですが、
めちゃくちゃざっくり言うと、

物々交換では物が腐ったりするので、
代わりに貝殻などが使われるようになり、
それでも割れたりするので金属(金・銀・銅)が使われるようになり、
金属だと重いから「証明書」という形で紙幣が使われるようになりました。

それが紙幣となって現在も使われています。

お金の役割

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そんな物々交換を便利する中で生まれたお金ですが、
包丁に「物を切る」という役割があるように、
お金にも役割があります。

これは全国銀行協会のホームページにも載っている公式の情報です。

お金の役割とは主に3つあります。

  • 交換の役割
  • 価値のものさし
  • 価値の保存

交換の役割

物々交換の時代は、相手が欲しい物と自分が欲しい物が一致しないと交換が成立しませんでした。
あなたが魚を1匹持っていて、卵が欲しくて交換を持ちかけたとしても、相手が「魚はいらない」といえば卵は手に入らなかったのです。

でもお金があれば、もらった人は自分の好きなものに使えるということで、交換という役割があります。

価値のものさし

世の中にある物やサービスには価値がついています。1個いくら、1時間いくら、みたいに。
外国産のお肉と国産のお肉の値段が違うのは価値が違うからで、その価値を誰が見ても分かるようにする役割があります。

価値の保存

あなたが銀行に100万円預けたとして、何もしてないのに1年後に50万円になっていたら困りますよね??
お金は貯蓄できます。

それが3つ目の役割です。


以上の3つの役割のうち、価値保存の役割がやっかいなんです。

最初は、価値が減らないから安心できるじゃんと思われていた。
でも時が経つにつれて、価値が減らないことが問題になってきました。

世の中にあるもので、時間が経っても価値が減らないものってお金くらいなんです。
食べ物はいつか腐るし、家電や車はいつか壊れるし、人間だって老いるし、死にますよね。

でもお金は燃やしたりしない限り、お金のとしての機能を持ち続けます。
車は中古になったら値段は下がりますが、
1万円札は何人の手を渡り歩いても1万円のままです。

現代の問題点

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この結果、お金を貯めるという本来の役割にはなかったことをし出す人が増えました。
そりゃあそうですよね、価値が減らない物であれば多ければ多いほどいいと思うのも当たり前です。

もともとお金というのは、生活を便利にするための道具でしかなったのに、
いつの間にかお金を手に入れることや多く持つこと自体が目的になってしまったんです。
それが現代の資本主義であり、「お金があればたいていのことは出来る」という時代です。

だからみんな、働いてお金を稼ぐことに1日のほとんどの時間を使い、お金持ちになりたいと願うようになったわけです。

でもですよ。
繰り返しますが、そもそも論でいえば、お金は暮らしを便利にする手段だったはず。

言い換えれば「道具」の1つだったはずです。

もともとは「料理するのに包丁やフライパンがあったら便利だよね」って話だったのに、
いつのまにか「私包丁30本持ってるよ」「フライパン全サイズ揃えちゃった」って話になってきちゃったってこと。

たしかに多くあれば便利ですし、あなたのライフワークが包丁コレクターとかフライパンハンターならそれなりの量も必要かもしれません。
でも、そんなにたくさん必要ですか??って話です。

それが手段の目的化です。

「お金が欲しい!!」と叫ぶ前に、なぜ必要なのか、いくら必要なのかを明確に考える必要があると思います。

残念ながら「お金」の時代は終わり

stevepb / Pixabay

今、いろんな業界で言われているのは「お金の時代が終わった」という話だそうです。
お金自体はしばらくは生活の基盤になるでしょうし、少なくとも今現在「働き盛り」として活躍している人たちが、じいじやばあばになる頃までは現金や貯蓄はまだ大切だと思います。

でも、働き盛り世代の子どもやその子どもたちの世代ではどうなっているかというと、今ほど「お金」の価値は高くはないだろうという予想があちこちでされています。

これは、お金の価値がゼロになるわけじゃなくて、
お金の一強時代が終わったということのようです。

お金以外に価値をおけるものが増えてくるから、
子どもたちにはその「新しい時代の価値基準」に合わせられるように育って欲しいし、
もっと言えば、「新しい価値基準」を作るような人たちが日本からたくさん生まれればいいなと思います。

新しい価値基準

ITの進化で暮らしはどんどん便利になっていきます。GoogleやYouTubeやソーシャルゲームなど、娯楽はスマホ1台あればほとんど無料で完結する時代です。旅行などもそうですが、今は交通手段の費用がどんどん安くなり、
この先、自動運転などの機械化・自動化が進めばもっと安くそして早くなるでしょう。

さらに、これからは「お金」よりも「信用」「他者からの好評価」が大事だと言われています。

代表例が、インスタやFacebookの「いいね!」やツイッターの「リツート」です。
いままで、「うらやましいなぁ」「あの人素敵だなぁ」と感覚でしか表現できなかったものが、「いいね」や「リツート」の発明で、数字として分かるようになりました。

ユーチューバーだって、一番気にするのは再生回数やチャンネル登録数だと思います。
それはつまり「他者からの評価」です。

子どもたちには「次の時代の価値」を教えよう!!

alphalight1 / Pixabay

次の時代を生きることになる子どもたちには、
時代にあった情報を伝えていく必要があると思います。

そこで今回の記事ではお金の役割、次の時代の価値基準の可能性をざっくりとまとめてみました。

「今まではこうだったんだよ」「でも、これからはこうなっていくよ」
という見通しを伝えることで子どもたちは自分たちで考えていきます。

だから現代の親の役割とは「こうなるからこうしなさい」じゃなく、
「こうなる可能性が高いよ」という情報提供をしてあげることが必要だと思います。

しかし残念ながら、
今回書いたような価値基準の変化に対して理解できない世代の人たちもいるようです。

高度経済成長を経験し、
1つの会社にずっとお世話になることが「良し」とされていた世代の人たちからすると、

「若者は四六時中スマホを覗き込んでいったい何をやっているのか??」
「『いいね!』の量や『再生回数』で飯が食えるのか??」

って、分からないことだらけなはずです。

もちろん、
その時代の教訓から学ぶことは山ほどありますから
一概に「これだからオジサンは、、、」とバカにしてしまってはもったいない。
「情報」も「お金」と同じ道具です。
要するに大事なのは使い方!!!!!

子どもたちには、情報やお金を上手に使えるようになって、
これからの時代を、毎日ワクワクしながらイキイキと暮らせる大人になって欲しいですね。

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