こんにちは、現役保育士の柴田和輝です。
数年前まで公務員として日本の保育園で働いていたぼくですが、
「海外の保育を知りたい!!」「海外ってどんな保育してるんだろう??」という思いから、
安定と言われていた公務員を辞めました。
そしてワーキングホリデービザを使ってオーストラリアへ留学し、
現地で英語を勉強してオーストラリアの保育士資格を取った上で、
約5ヶ月間、オーストラリアの保育園(チャイルドケア)で働きました。
その約5ヶ月間で現地の保育園で様々な経験をすることができたので、
その中で学んだこと、気がついたこと、日本の子育て•保育との違いなどを記事にまとめています。
この記事はこんな方におすすめ
- 保育園・幼稚園の先生
- 子育て中のママ・パパ
- 海外での仕事に興味がある方
※注※
記事中では、ぼくがオーストラリア(シドニー)で働いていた園の名前をP園と記載しています。
今回は、お弁当の話です。日本の園児のお弁当といえば、キャラ弁がありますが、オーストラリアではどうだと思いますか??
ランチボックスウィーク
ぼくが働いていたP園では普段は子どもたちはお昼ごはんもおやつも園で用意されたもの(給食)を食べますが、ある期間だけ、イベント(行事)として1週間まるっと「ランチボックスウィーク」がありました。
いつもは給食だけど、今週は家からランチとおやつ持ってきていーよーって。
日本でいえばお弁当ですね。
ところで、日本の保育園や幼稚園でお弁当といえば、、、
そう!!!
お母さんの汗と涙と早起きの結晶、
「キャラ弁」ですよね。
ぼくが日本の保育園で働いていた時、遠足や弁当持ちの日のたびに出来栄えとお母さんたちの努力に感心したあの「キャラ弁」たち。
ディズニー、ジブリ、どうぶつなどなど
「どうやって作ったんですか??」っていうくらい手の込んだ仕上がりのキャラ弁たち。
「お母さん!あの鮮やかな水色はどうやって出したんですか!!??」
「あ、あれは食紅です」
なんてやりとりや、
「お母さん、今日のお弁当何時から作ったんですか!!??」
「今日は4時起きでした(笑)」
なんていうやりとりが。
旦那さんのお弁当に食紅は使わないでしょう。笑
旦那さんのお弁当のために4時起きはしないでしょう。笑
そんな母の愛がたくさん詰まったキャラ弁なんですよね。
とにかくクオリティが高い!!日本のお母さんが作るお弁当はすごいです。
作るにあたって大変な面が多いと思いますが、お母さん(たまにお父さんも)たちは愛する我が子のために何を作るか決め、材料を揃え、いつもよりも数時間早起きをして作るわけです。
子どもを喜ばせてあげたいという、その努力と我が子への思いやりには頭が上がりません!!
だから、声を大にして言いたい!
お弁当の日にキャラ弁を作る保護者のみなさん、ご苦労様です!!
子どもたちはキャラ弁を食べる時、すごく喜んでいますよ!!
むしろ、「無くしたくないから食べたくない」という子どももいて、その気持ちもすご〜くわかるのですが、保育士としては子どもに食事をとるように促すというのも仕事の一つなので「あとでお腹空いちゃうから食べようよ〜」と言うしかなく、複雑な気持ちです。
とにかく、子どもは喜んでいますという事実を知っていただきたいのです。
とまぁ、オーストラリアの保育園の話をするはずだったのに、日本のお母さんたちが作るキャラ弁の話になってしまいました。
とにかく、すごいんですよね。
でも、、、日本のお母さんの中には、「正直なところ、、、キャラ弁も周りに合わせて作っているけど、結構負担だわ、、、」なんて感じちゃっている方もいるかもしれません。
「できればもっと簡単なもので済ませたいんだけど、、、。」
「でもウチだけ、質素だと子どもが可哀想だし、、、」
そんな愛ある悩みを抱えているママさんも多いと思います。
今回の記事はそんな方への勇気づけになるかもしれません。
オーストラリアの子どもたちのお弁当、スゴイですから(笑)
P園の子どもたちのランチボックス?
日本のキャラ弁は素晴らしいと思うのでちょっと力が入って本題から少し話が逸れました。
本題に戻って、今回はぼくが働いていたオーストラリアのP園でのランチボックスの話です。
実はランチボックスウィークの際に、担任の先生に許可をもらって子どもたちのランチボックスの写真を何枚か撮らせてもらいました。
というわけで、百聞は一見にしかず、です。
まずは実際に子どもたちが園に持ってきていたランチボックスを見てみましょう!!!
日本の遠足や運動会でよく見るお弁当やを想像していると、オーストラリアの子どものお弁当はだいぶギャップがあるかもしれません(笑)
P園の子どもたちはこんなお弁当でした。
いかがでしょうか??
このランチボックスたちを見てどう感じますか?
ぼくは最初に見た時、「まあ!なんてシンプル!」って思いました。笑
シンプルって言葉がぴったりだと思いませんか?
文化として
保育園で子どもたちが持ってきていたお弁当、どう思いましたか??
ぼくは保育園で働く1年前からオーストラリアで生活しながらカフェとかファームとかで働いていたのでわかりますが、大人のオーストラリア人たちも似たようなランチボックス持ってきてたんですよね。
サンドイッチとリンゴとか、
パンとハムとポテトラサダとか、
フルーツだけとか、
ナッツとゼリーとか、
中年のオジさんたちもこういうお弁当でしたから。
オーストラリア全体で"お弁当"ってこういう感じなんでしょうね。
だからおそらくここに載せている写真に対して
「オーストラリアの子どもたちのランチボックスはこんな感じです」
と言っても大丈夫なんだと思います。
これも文化の一つです。
オーストラリアの人たちは、ディナーは豪華に、しかもガッツリ食べるけど、朝やお昼は軽く済ませるという人が多いので、子どもたちのランチボックスにも納得と言えば納得です。
日本のお弁当と比べたらシンプルですが、これを小さい頃からランチボックスだと思いながら成長し、さらに周りの友だちも同じようなランチボックスを持ってきていたら、それが「当たり前」になるし、「普通」になりますよね。
逆に言えば、日本の子どもたちは小さい頃からキャラ弁がお弁当だと思って成長するから、それが「当たり前」になるし、「普通」になっているんですよね。
オーストラリアのランチボックスはシンプルでいいですよ〜
日本なら食材を切って炒めたり茹でたりしてそのあとで味付けをしてさらに飾り付けもします。
オーストラリアは切って入れてはいおしまい。
流行りの「時短クッキング」の最先端ですね(笑)
シンプルがいいんです。笑
果物だって、日本だったら食べやすように切ってあって、りんごにいたっては可愛いウサギみたいになっちゃいますけど、オーストラリアではまるごと入ってます。
シンプルでいいんです。笑
子どもたちは自分の顔が隠れるんじゃないかって大きさのリンゴを両手で抱えてかじってます。
その姿もものすごく可愛いです(笑)
ちなみにこれらの写真は全部、子どもたちが食べる前に撮ったので量は家から持ってきたそのままです。
他にも、、、
キャラ弁?もありましたよ。
ちょうちょです。
既製品を取り入れるという斬新な方法です。
シンプルでいいんです。
そりゃあピザだって入ります。欧米文化ですから。
水筒にコーラ入れてきてる子どももいましたよ(笑)
シンプルでいいんです。
学んだこと
ぼくがP園のランチボックスウィークで学んだことは2つです。
1つは「キャラ弁を作る日本のお母さんたちってすごい」ってこと。
もう1つは、「日本のキャラ弁が良くてオーストラリアのシンプルなランチボックスが悪いということではない」ってこと。
というのも、
ランチボックスウィークの1週間、P園の子どもたちは毎日自分のランチボックスを胸に抱いて登園し、部屋に来るなり(まだ朝なのに)フタを開けて「こんなの入ってるんだよ〜」と友だちに見せて周り、
「ティ〜チャ〜、ランチタイムまだ〜??」とことあるごとに先生に尋ね、
ランチタイムにはいつもの給食の時の何倍も笑顔を見せながら自分の持ってきたランチを食べていました。
子どもたちはランチボックスをすごく喜んでいたんです。なぜなら大好きなママがランチボックスを作ってくれたからです。
もしかしたら日本の保育園や幼稚園に、今回載せたようなお弁当を持って来てる子がいたら「差」のようなものを感じるかもしれません。
日本には日本の普通というものがあるからです。
保育園や幼稚園の先生も「◯◯くんのお弁当、少な過ぎない??」と心配し、可哀想だと思うかもしれません。
先生たちも、日本の豪華なお弁当しか知らないからです。
でも、日本の普通に近くなくたって、それは「差」ではなく「違い」であって、本来は気にすることではないと思います。
そういう「差」を感じて「格差」として子どもに伝えるのはだいたい大人ですが。
「うちはうち、よそはよそ」。
大切な感覚だと思います。
あのシンプルなお弁当でもオーストラリアの子どもたちはすごく喜んで食べていました。
全然、「差」は感じていませんでした。
それがオーストラリアの普通だからです。
もちろんオーストラリアの保護者も一緒です。
「え!?◯◯くんのランチボックスのりんご、切って入ってたの??ごめんねぇウチは丸ごと入れちゃってー。」なんてことにはなりません。
友だちのお弁当のリンゴが切って入っていても、「あなたはリンゴ切らなくても食べれるでしょ?」って。笑
ぼくはシンプルが好きなので、お弁当に野菜や果物が切って入っているだけでも十分だと思います。
さいごに
そして、子どもたちにとって大切なのは「誰が用意してくれたか」であって、「どんなお弁当か」は二の次だとも感じました。
もちろん、先ほども言ったように日本には日本の「平均」とか「基準」みたいなものがあることも事実です。
でもそれって多くは「大人の都合」とか「大人の事情」だったりするんじゃないかとも思います。
1番大事にしたいことは、子どもが大人になった時に「お母さんがあの時作ってくれたピカチュウのお弁当上手だったなぁ」と思うことじゃなくて、「お母さんあの時、忙しい中で大変だったのにお弁当作ってくれてたんだなぁ」と思うことだと思います。
そして、その大切なことを子どもたちに伝えていくのもぼくたち保育士の仕事なんだと思います。
そんなことをP園のランチボックスウィークから感じました。
ちなみに
P園で一緒に働いていたオーストラリア人の保育士たちに、日本のキャラ弁の写真をいくつか見せてあげました。
日本の保育園児のお弁当はこんな感じなんだよ〜って。
そしたら、「日本のママはみんなこれを作るの!?」「Amazing but crazy!!!!(アメージングだけどクレイジーね!!!!)」って言ってました(笑)
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