日本の保育園とオーストラリアの保育園の両方で働いてみて気づいたことがあります。
それは「どんな子どもも笑顔にできる方法がある」ということです。
さらにその遊びは、子どもの心と体の発達にも大きく貢献する素敵な遊びなんです。
それは誰もが知っている遊びです。
とにかく子どもが笑顔になる、そんな魔法の遊び。
それは「こちょこちょ」。
今回は、簡単にできるのに子どもを笑顔にする「こちょこちょ」の効果と注意点についてのお話です。
この記事の執筆・監修者
かんかん
(インスタ@kankan_kosodate)
幼児教育者で一児の父です。仕事経験を活かした幼児教育と英語教育の情報を発信しています。
<経歴>
・保育士&ベビーシッター 10年
・子ども英語教育業界 2年
・オーストラリアで保育士
・海外留学
・夫婦で世界一周
「こちょこちょ」の良さ
小さいお子さんがいる方、最近、子どもに「こちょこちょ」していますか?
くすぐってあげることは、子どもにとってとてもいいことなんです。
子どもを育てるときにはスキンシップが良いなんて言われたりしていますが、「こちょこちょ」も立派なスキンシップです。
手を握ったり、添い寝をしたりという静的なスキンシップではなくて、どちらかというと活発な遊びの部類に入るアクティブなスキンシップになります。
寝る直前などにやると子どもが興奮してしまい、すぐに寝付いてくれなくなること間違い無しの遊びです。寝る直前は控えましょう。
さらに、「こちょこちょ」には子どもの育ちとって2つの良い面があります。
それは
- 心の育ち
- 脳の育ち
についてです。
心の育ち
子どもが「こちょこちょ」を通して獲得するのは安心感です。
肌と肌の直接的な触れ合いがあることで子どもは安心感を持ち、「ぼく(わたし)の居場所はここにあるんだ」という認識を無意識のうちに持ちます。
大人であれば、嫌悪感を持っている人から触れられたらイヤな気分になると思います。しかし子どもはまだその思いを獲得する発達途中にあります。
「この人は好き」「この人は嫌い」という感覚が大人ほどはっきりしていません。少なくとも「一緒に遊んでくれる人は好き」くらいの感覚なんじゃないでしょうか。
そんな心の状態の子どもが、こちょこちょを通して触れ合ってくれる大人には好印象を抱くこと間違いないと思います。親子の絆を深めるための手段としての「こちょこちょ」、ぜひ実践してみてください。
脳の育ち
子ども時代、特に乳幼児期は感覚神経が育つ重要な時期です。
こちょこちょで触る脇や足の裏への刺激を通して、脳が活発に働いて育ちます。
子どもは刺激を受けて脳内の神経回路をたくさん増やしていきます。
また、こちょこちょ遊びは子どもを一気に興奮状態にします。そしてその後に心が落ち着いた状態になります。
そのメリハリを通して興奮と抑制を加減する力も身につけていくことが脳の研究から分かっているそうです。
また、こちょこちょ遊びをするときにあえて
「次は足の裏をこちょこちょしちゃうぞ〜」
「おなかこちょこちょ〜」
と「今どこをくすぐっているのか」を子どもに伝えることで、子どもが自分の体の部位を知ることにもつながります。
そういった身体感覚を養うことも子どもの育ちには大切です。大人は「ここが腕」で「ここが足」と分かっていますが、まだ小さい子はその概念を遊びを通して覚えていきます。
「こちょこちょ」には心と脳の育ちに必要な役割が含まれていることを感じていただければと思います。
「こちょこちょ」の注意点
保育士として子どもと関わる中でよく「こちょこちょ」をするわけなんですが、気をつけたほうがいい点もいくつかあります。
タイミング
まずは、タイミング。
こちょこちょをしようとする時、子どもがどんな気分でいるのか。
遊びたいと思っているのか、悲しい気持ちなのか、他に遊びたいことがあるのか。その時の気持ちに合わせて「こちょこちょ」をすることが大切です。もちろん子どもの様子によっては「こちょこちょ」しない方が良い時も。
大人でも、お腹が空いていたり眠たかったりするのにいきなり「こちょこちょこちょ〜!!」ってハイテンションで来られたら、「いや、今違うから」ってなりますもんね。
重要なのは、子どもの様子を観察して「今どんな気分なのか」をまず把握することです。
気分じゃないのにこちょこちょされたって面白くともなんともなくて、ただ痛いだけになってしまいます。「ひとりよがり」はダメってことですね。
頻度(回数)
そして、頻度(回数)も重要です。
子どもは「繰り返し」が大好きですよね。大人には理解できないくらい同じことを何度も楽しむことができます。
しかし、ぼくの経験上ですが、「こちょこちょ」は3回くらいまでがいいのかなと思っています。
最初は「あははは〜」って楽しんでいる子どもですが、こちょこちょってされる方も結構なエネルギーを使うので、回を重ねるごとに子どもも疲れてくるんでしょうね。だんだん笑いの量が減ってきて、顔が引きつり、最終的には泣き出します。
子ども自身も何回くらいが適度なのか分かっていないので、大人が調節してあげる必要があります。
ぼく自身も保育士としてまだ新人だった頃、子どもに「こちょこちょ」をしていて途中で子どもが顔が引きつりはじめたことが何度かあります。そんな時はすぐにストップしてあげることが重要です。
そうしないとこちょこちょが「楽しい遊び」ではなく「不愉快な遊び」になってしまいます。
信頼関係
もう一つ大事なことがあります。これは親子関係というよりも、自分の子ども以外の子どもをこちょこちょするときに重要なことです。
その重要なこととは、子どもと程度の信頼関係がないとダメだということです。
初対面の子どもや久しぶりに会った知り合いの子どもや、保育園や幼稚園で関わる子どもに「こちょこちょ」をしようとしても、子どもとの間に最低限の信頼関係がないと子どもは露骨に嫌な顔します。
そりゃそうですよね。よくわからない人から「こちょこちょ〜」って言われても拒否反応出ちゃいます。でも、それが子どもの素直なトコロ。わかりやすくて良いです。
そんな時は、まずは握手をしてみてり、子どもを「ツンツン」としてみたり、警戒心を解いてあげる必要があります。
判断にはある程度経験も必要になると思いますが、それは子どもと関わっていく中で自然とわかってくると思うのでまずは実践あるのみです。
親子の場合には、「ある程度の信頼関係」は出来上がっているはずですので、子どもの「今の気持ち」に気をつけてやってあげるといいでしょう。
さいごに
今回は、子どもを笑顔にする魔法の遊び「こちょこちょ」の効果と注意点を紹介しました。
スキンシップにも子どもの心の発達にも信頼関係の形成にも有効な「こちょこちょ」。
おもちゃやゲームなど何もなくても、「あなた」と「わたし」がいればその場で楽しめる「こちょこちょ」。
そんな「こちょこちょ」をマスターして、毎日子どもと楽しんじゃいましょう!!
「子どもの遊び」に関するおすすめ書籍
今回のテーマであった「こちょこちょ」も含まれるのですが、「じゃれつき遊び」というのがあります。
わかりやすく言うと「子どもとたくさん触れ合って遊ぼう」ということなんですが、保育士のぼくから見ても、すごくオススメの遊びです。
高価なオモチャなんか無くたって子どもと楽しく遊ぶことは可能です。
保育園や幼稚園だと、どうしても先生1人に対して子どもが多数になってしまうので、関わる時間も量も分散されています。でも家庭ならより濃い時間を過ごすことができます。
この「じゃれつき遊び」に関して1冊だけ本を紹介しようと思います。
この本では「じゃれつき遊び」を通して脳を鍛えることにメインテーマにしているのですが、そもそも「脳を鍛えるとなぜいいのか?」という疑問から内容が始まっていて、その話がすごくわかりやすいんです。
研究データも載っているので、「こんなに変わるんだ!」「そういう意味があるのか!」って驚きがいっぱいだと思います。
実践編として、
- 「リビングでできるじゃれつき遊び」
- 「お父さんに参加してもらいたいじゃれつき遊び」
などの具体例もたくさん載っているので子育ての役に立つ事間違いなしです。
お金もかからず、親子の信頼関係が形成できて、子どもの発達にも良い影響があるのが「じゃれつき遊び」です。もちろん今回のテーマである「こちょこちょ」も含まれます。
子どもを健康に育てるための一つの手段として、ぜひ日常に取り入れてみてください♪♪
最後まで読んでくださってありがとうございました。