0〜2歳

子どもが"そわそわ"落ち着きがないのは脳の未発達が原因だった!?

かんかん

「子どもの落ち着きがない、、、」「子どもがいつもそわそわしている、、、」

ママとして、我が子が心配になってしまう様子の1つですよね。

今回はそんな、落ち着きがない子どもの原因だと言われていることとその対応を、脳研究のデータも交えてわかりやすくまとめます。

子どもの落ち着きのなさは性格というよりも脳の発達が関係していることがわかっています。

しかも、「ある方法」によって上手く発達させることができるということも研究されています。

記事中には人間の脳みその一部である「前頭葉(ぜんとうよう)」という聞きなれない言葉も出てきますが、この記事を読み終わる時には、「落ち着きがある子どもに育てるためにはこうすればいいのか!!」と気分が晴れること間違いなしですよ!

この記事はこんな方におすすめ

  • 子どもが落ち着きがなくて困っているママ
  • 落ち着きがない子になって欲しくないママ
  • 落ち着きがある子どもに育てるための方法を知りたいママ

子どもの落ち着きのなさは脳の未発達が原因!?

いきなりですが、まず結論をお話しします。

年齢の低い子ども(特に1〜6歳くらいまで)は、「落ち着きがなくてそわそわしているのが普通」と思っていて大丈夫です。

その理由は、子どもの"そわそわ""キョロキョロ"といった落ち着きのなさは、脳の一部である「前頭葉(ぜんとうよう)」が関係しているからです。

前頭葉は感情をコントロールしたり、危険を察知したりする機能がある部位で、そこが未発達であるがゆえに、興奮と抑制のバランスがうまくコントロールできずに落ち着きがなくなってしまいます。

では、まずは、この「前頭葉」とその働きについて詳しくみてみます。

前頭葉とは「心の働き」のこと

前頭葉はぼくたち人間の脳の前方にある部分で、どんな働きをしているかというと、
やる気・集中力・判断力・コミュニケーション能力などをコントロールしています。

ぼくたちが普段、「心の中で考える」とか「心の声を聞いてみる」と言ったりする時の「心」は実は脳の前頭葉の働きであることが脳科学の研究でわかっているそうです。

でも、そう言われても「目に見えない心の声や考えが、目に見える脳みそから生まれている」というのは不思議な感じがしますよね。

しかし、これは例えば、

  • スマホは手に持てる物質ですがネット上を移動するデータは目には見えないこと
  • 壁に掛けてある時計は物質ですが時間そのものは目には見えなかったりすること

と同じです。

脳は物質ですが、そこから生まれる感情や考えは目に見えません。

そう考えると、「目には見えない心の声が、物質である脳みそから生まれている」ことがなんとなくわかるんじゃないでしょうか。

興奮(アクセル)と抑制(ブレーキ)

そんな「心の働き」をコントロールする前頭葉ですが、その機能が未発達になることで"そわそわ""キョロキョロ"落ち着きがなかったり、やる気や集中力が乏しい状態になってしまうと言われています。

逆に、前頭葉がしっかり育っていると「心」が安定していて感情をコントロールする能力も高いことが分かっています。つまり、「心を育てる=前頭葉を育てる」ということです。

前頭葉にはキーワードがあります。それが、興奮抑制です。
アクセルブレーキとも言い換えられますね。

たとえば小さな子どもが目の前にある珍しい物を見て「触りたい!!」と思った時に、興奮が強い子どもは後先考えずにすぐ手を伸ばしてしまい、抑制が強い子どもは本当は触りたいのに「触りたい」とうまく表現できなかったりします。

また、すぐキレるような子どもは興奮が強く、普段はあまり怒らないけどたまに大爆発するような子どもは抑制が強いとも言われています。

そんな前頭葉の興奮(アクセル)抑制(ブレーキ)ですが、研究によって5つのタイプに分類されています。
あなたのお子さんはどのタイプに近いでしょうか??また、あなた自身もどのタイプに当てはまるか考えてみると面白いかもしれません。

前頭葉の5つのタイプ

この5つのタイプは前頭葉の"興奮(アクセル)"と"抑制(ブレーキ)"のそれぞれの「強さ」と「バランス」、そして切り替える力がポイントになっています。

車で例えるなら、アクセルペダルとブレーキペダルの

  • グッと踏み込む強さ
  • それぞれの大きさのバランス
  • 踏み変える素早さ

によって、分類されているということです。

タイプ特徴
そわそわ型このタイプの子どもは、物事に集中するために必要な"興奮(アクセル)"の強さと、気持ちを抑えるのに必要な"抑制(ブレーキ)"の強さが両方とも十分に育っていないため、いつも"そわそわ""キョロキョロ"していて落ち着きがないという特徴を持っています。5つのタイプの中で1番幼いタイプです。
興奮型このタイプの子どもは、"興奮(アクセル)"も"抑制(ブレーキ)"もある程度の強さを持っていますが、バランスが悪く、"興奮(アクセル)"の方が強いタイプです。子どもらしく、面白いことや楽しいことを探してつねに動き回っているタイプが当てはまります。
抑制型このタイプの子どもは、興奮型とは逆に、"抑制(ブレーキ)"が強く働いています。おとなしくて"よい子"と見られがちですが、見方を変えれば自分の気持ちを表現することが苦手で集団の中にいると我慢してしまうタイプと言われています。
おっとり型このタイプの子どもは、"興奮(アクセル)"と"抑制(ブレーキ)"の強さもバランスもちょうどいいのですが、その切り替えが発達途中で、のんびりな子・おっとりな子に見られることが多いです。クラスに1人はいる"フワフワしててそのうち宙に浮きそうな女子"もこのタイプになるかもしれません。
活発型このタイプの子どもは、"興奮(アクセル)"と"抑制(ブレーキ)"の強さもバランスも切り替えも上手にできるタイプで、最も成人らしいタイプといえます。クラスのリーダー的存在になる可能性が高いでしょう。

参考書籍(子どものケガをとことんからだで考える)

前頭葉の発達段階は以上の5タイプに分類されます。あなたのお子さんはどのタイプに近いですか?

ちなみに一般的には

アクセルもブレーキも未発達な「そわそわタイプ」から始まり、
子どもらしい興奮(アクセル)が強くなる「興奮タイプ」の時期を経て、
興奮と抑制の強さがバランスよく、しかもうまく切り替えができる「活発タイプ」に移って行く

と考えられています。

男の子は小1でもほとんどが「そわそわタイプ」!?

アクセルとブレーキが共に未発達で、"そわそわ""キョロキョロ"してしまう落ち着きのない「そわそわタイプ」ですが、その出現率というのが過去のデータから明らかになっています。

データによると、

6歳の男の子では、
1969年(約50年前)には、研究対象男児の2割くらいが
1998年(20年前)には、5割くらいが
2008年(10年前)には、7割くらいが
「そわそわタイプ」だったそうです。

参考書籍(子どものケガをとことんからだで考える)

となると2018年の現在はさらに増えている可能性が高いですよね。

単純に考えて小1クラスの7割の男の子が、じっと座ってられない、集中力が続かない、すぐ怒る、所構わずフザけるわけですから、1990年以降から教育現場で言われてきた「小1プロブレム」や「学級崩壊」の原因もこれと関係あるようにも思えてなりません。

"よい子"の増加

もう1つ。データによるとブレーキが強めの「抑制タイプ」は1969年の調査では1人も確認できなかったタイプなんだそうです。

それが2008年の調査では、男女ともに6歳〜11歳の各年齢で1割ずつくらい確認されるようになっているようです。参考書籍(子どものケガをとことんからだで考える)

この抑制タイプは自分の気持ちを押さえ込んで周りに合わせようとしたり、周りの大人に褒めてもらうために無理をしたりしながら相手の顔色を強く伺うような子どもが当てはまります。

抑制タイプの子どもは、周りから

  • よい子
  • まじめな子
  • 物分かりのいい子
  • おとなしい子

という評価を受け、集団生活の中でも普段はひっそりとしていることが多いです。

しかし、その抑制がどこかで我慢の限界を超えてしまった時や何かの拍子にプッツンとキレてしまった時、今まで無理やり抑えていた興奮が大爆発して、驚くような行動を取ってしまうのではないかとも考えられています。(もちろん抑制タイプの子どもが全員そうなるわけではないと信じたいですが。)


ここまでのおさらい

子どもに落ち着きがない原因は前頭葉という脳の一部分の働きが原因なのではないかという話から、前頭葉は「心の働き」をコントロールする機能があり、興奮(アクセル)と抑制(ブレーキ)がキーワードになること、そして、前頭葉には5つのタイプがあることまでをみてきました。

前頭葉を育てるには!?

ではさいごに
子どもの前頭葉を育てるためにはいったいどうしたら良いのか、書籍『子どものケガをとことんからだで考える』を参考にしながら考えます。

キーワードは"興奮"

ぼくが保育士をしていて実感するのは、午前中に子どもたちと一緒に体操をしたり、園庭や公園でおもいっきり遊んだりすると、そのあといつも落ち着きのない子が落ち着いてご飯を食べたり、手先を使った作業に長時間集中したりといった出来事が起こることです。

保育園や幼稚園では朝登園すると園庭に出て30分から1時間くらい外で遊びや体操をしてから1日の活動を始めます。

これはおそらく昔から続けられてきた習慣ですが、朝に体を動かすことや思いきり遊ぶことが、その後の活動を集中して取り組むための準備運動になっているんだと思います。

実際に、ある小学校では朝のホームルームの時間に子どもたちが活発に遊べそうな鬼ごっこや縄跳び、手遊びなどを取り入れていて、その結果、「そわそわタイプ」が減って「活発タイプ」が増えていたそうです。

これらのことを考えると、子どもたちには生活の中で脳が"興奮"できることが重要なんだといえます。気持ちを抑え込むのではなく、感情を出してはしゃげるような環境や経験のことです。言葉を変えると、ワクワクすることドキドキすることが子どもたちの健全な成長には必要だということです。

生活にワクワクとドキドキを

落ち着きがない子どもたちの健全な発達のために経験させてあげたいのは、いてもたってもいられないワクワクやドキドキの感情です。

目がキラキラして浮き足立つくらいの経験をたくさんさせてあげることが、前頭葉の発達には必要です。

現代の日本に生きる子どもたちは、テレビやパソコンの画面に注目し、スマホやタブレットをいじり、習い事や勉強に時間を使い、親から離れてのびのびと体を動かして遊べる場所も少ない環境の中で生活しています。

多くの公園では「ここではボールであそばない」と看板が出され、多くの学校では「下校後は校庭で遊ばない」とルール化されているそうです。

そんな状況で子どもたちにいかに脳を興奮させるのか。

ぼくは今までの経験と学習から「自然環境で遊ぶこと」が必要だと思っています。山や川、海、近場の公園でもいいと思います。

現代はいろんな遊びがあるのでアウトドアだけが全てではないですが、
少なくとも子どもが子どもらしく無邪気に笑いながら好奇心全開になれる場所や経験を必要としているのは確かだと思います。

参考書籍・おすすめ書籍

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