この記事は、
保育士のぼく(@kazukirin1989)が26歳の時に、合計60日間(2016年2月〜4月)でアジアの国を中心に10ヶ国1人で旅した記録です。
せっかくなので旅行記っぽく書いていきます。
1泊560円の宿
あいかわらず安宿での寝泊まりを繰り返しているが、本日の宿、カンボジアのシェムリアップで予約した宿は1泊560円。
今回の旅行の最安値更新だ。
8人部屋で部屋の中にトイレとシャワーがついてる。
安宿ではこの空間をいかに快適に過ごすかがカギになる。
さらに、トイレとシャワーがついてると言っても、日本のホテルにあるようなユニットバスみたいなのを想像してはいけない。想像して欲しいのは、あなたの家のトイレ、その上の方にシャワーノズルがついている様子だ。
百聞は一見にしかず。
この写真↓は今日泊まってる宿ではなく、シンガポールの泊まった安宿だが、トイレとシャワーが一緒とは、こんな感じをいう。
今、「え、これのどこでシャワー浴びんの??」って思いませんでした??
ですよねぇ(笑)その通りなんですよ。
ぼくも最初はそう思った。
「いやいやいや、さすがに狭いわ」って。
オーストラリアのバッパー(安宿)でもさすがにこのタイプは見たことなかったから。トイレとシャワーが一緒というより、トイレにシャワーノズルがついてる場所。である。
しかもこの中に着替えやらタオルやら石鹸やら毎回持ち込まなきゃいけない。壁にフックが数個あるだけで棚なんぞありません。
いかに荷物を少なくできるかが勝負なのだ。
さらに、
見てわかる通りのこの狭さ。
シャワー浴びてるとしぶきが飛びます飛びます飛散します。乾いたタオルや着替えの服が濡れる濡れる!!
たいていの日本人はこの写真を見て、「私、これはムリ」と思うのでしょう。笑
しかしまぁ、驚くのは人間の環境適応力「慣れること」のすごさ。
ぼくも最初は「これはさすがにムリ派」だったが、今ではあの空間でも何も思わなくなった。もう全然平気なのだ(笑)
さらにポジティブなぼくは。良いことを思いついた。
ココならシャワー中に立ってるのに疲れたら、便器に座りながらシャワーを浴びるなんていう斬新なことだってできちゃうのだ。
なんにしても、
今はただただ、「お父さんお母さん、今まで実家のお風呂が狭いなんて言ってごめんなさい」という気持ちでいっぱいだ。笑
ぼくの実家のお風呂場はシャワーノズルの下に便器はない。とても贅沢な場所だったのである。
話がそれたが、とにかくこれが1泊560円の世界だ。
ただ今回はこの「シャワー付きトイレット」の話をしたいんじゃない。旅の中で非日常なことは多くあるから書きたいのは山々なのだが書きたいことが多すぎる。笑
今回書きたいのは今回泊まったこの宿の「宿主の優しさ」についてなのだ。
バスの予約
話は戻るが、シェムリアップの宿について最初に宿主と話をした時、「この人は絶対いい人だ」と思った。
的確に「なぜか」を説明できないのだが、話し方や雰囲気が「良い人感全開」だったのだ。ただの直感である。しかしぼくの思った通り、めちゃくちゃ良い人だった。
(残念ながらこの宿主との写真を撮るのを忘れてしまった。ブログを書いて旅をしているのに、重要な場面の写真がないことにあとから気づくことが多い、、、。)
最初はバスの予約のこと。
ぼくはシェムリアップから次の目的地に移動するための夜行バスを探していて、そのことについて宿主に尋ねると「わかった。時間とか料金とか調べといてあげるよ。今から出掛けるんでしょ??戻ってきたらまたおいで」って。
お客さんに親身になってくれるお店の人ってやっぱり好感が持てる。
街を散歩して1時間後くらいにまた宿主のトコに行くと、「キミの希望の時間だと候補が2社あって、こっちの方が快適なバスだけど値段も高いし乗り換えなきゃいけないよ。こっちのは安いけど寝台バスだし直行だから気楽だと思う。」と。
やさしいなぁ〜
値段高い方勧めた方が仲介手数料多くもらえるんじゃないのか〜い
そんなお客寄りの商売でいいのか〜い
そんなことを思いながらで、宿主オススメのとおり、安くて乗り換えなしの寝台バスを選んだぼく。そしたら宿主、その場ですぐバス会社に予約の電話もしてくれて、、、
宿主とやりとりをしている間ぼくがずっと思っていたのは、「俺、560円(1泊分)しか払ってないのにいろいろやってもらってありがたい」である。
おすすめのディナー
それから、夕方になってご飯を食べようと思い、宿主に「レストランとかないかな??」と聞いてみたら、「地元の料理が食べたいのか??それなら伝統的な踊りも観れる良いレストランがあるよ」って。
パンフレットを見せてくれてぼくが「ここに行ってみるよ」というと、その場ですぐ予約までしてくれた。現地の言葉が分からない環境で、予約などの手続きをしてもらえるのはありがたい。
そのレストラン、値段は16ドルと観光客プライスで現地プライスに比べて高めだったけど、伝統芸能を観ながら食事ができてなかなか良かった。
レストランを紹介してくれて予約までしてくれたのも十分優しかったのだが、実はこの後、宿主はそれをさらに上回る優しさを見せてくれた。
予約の電話を切ったあと、宿主さんから「予約したレストランは宿からちょっと離れていて歩いて行くにはちょっと遠いんだよね」「ぼくが時間までにバイクタクシーを見つけといてあげるからそれで行きなよ。タクシー代(1ドルくらい)はキミが払うことになるけど」と言われていた。
「それくらいオッケーだよ、ありがとう」と了解して予約の時間まで部屋で過ごした。
そして、いざ指定されていた時間にロビーに行くと、宿主がバイクのヘルメット片手にこう言いました。
「バイクタクシーさぁ、何人かに連絡したけどみんな忙しいって言うんだよ〜。だから俺が今からレストランまで乗せてくねー。お金はいらないからさぁ」と。
「え、そんなのいいよ〜、あなた宿の仕事あるんでしょ〜??(2歳半の娘がいて)子守もしなきゃいけないんでしょ〜??自分でタクシー見つけるよ〜」と心の中では思ったのだが、あまりの優しさについ嬉しくなって、お言葉に甘えてしまった次第である(笑)
店の前まで送ってもらい別れ際に、心ばかりのお礼として相場以上の運賃をお渡した(それでも2ドル)が、ぼくの心には、「今俺が払った金額て今日の宿賃の半額近い額だよな。あの宿1泊560円で人泊めててホントに大丈夫なのか」なんていうお節介とも言える気持ちが引っかかった。
紹介してくれたレストランの夕食はとても豪華で美味しくて、大満足だった。
出発の前に
そして宿主の優しさ、極めつけはシェムリアップ最終日のこと。
シェムリアップを出発する日、ぼくは早朝にチェックアウトを済ませてから大きな荷物を宿のフロントで預かってもらい(これはどこの宿でもだいたいやってくれる。)、予約してもらった夜行バスの時間まで街をぶらぶらしたりカフェで読書したりして過ごした。
そして夕方になって荷物を受け取りに戻ったのだが、その時の宿主の一言に涙が出そうになった。
「外暑かったでしょ〜、バスまでまだ時間あるからシャワー浴びてっていいよ〜」って。しかもバスタオルまで貸してくれて。
アジアを旅したことある人なら共感してくれると思うが、東南アジアの街で1日過ごすと汗や土ボコリで体は汚れるから、そのまま夜行バスに乗るのはしんどいものだ。
そして、シャワーを浴びるとしてもタオルを乾かす時間がないから濡れたままカバンに入れないといけなくなる。半乾きで臭くなる可能性があるからできればそれは避けたい。
そんな2つの「旅人あるある」というハードルを余裕で越えてくる宿主の気遣いに感動したのである。
「最後まで優しいなぁ〜、カラダべたべたなんですよ〜、遠慮なくシャワーお借りしますう」って。ありがたくお借りした。
ま、その時使ったのは、みなさんご存知、「シャワー付きトイレット」だけどねっ。
いや〜本当に最後の最後まで優しい宿主だった。感謝です。
この宿主もパパ
世の中、こういう宿主でいっぱいになったら良いのになと思うばかり。
ちなみにこの宿主も、2歳半の娘を育てるパパだった。子育てをしながらの宿の切り盛り、大変でしょうに。
東南アジアで出会う子育て中のお父さんは「家族のために一生懸命働いてる感じ」がすごく伝わってくる。日本で同じことを感じないわけではないんだけど、なぜだかより強く感じるのだ。
なぜそう感じるのか、理由はよくわからない。父親として「子どもが大切だ」「俺が家族を守る」って気持ちを言葉にしてちゃんと言うからかなかな。
なんにしても、そんな東南アジアのパパ達の姿が今のぼくにとって良い刺激になっていることは間違いない。保育士としてもそうだし、将来パパになりたい1人の男として、「素敵なパパ像」をまた1つ知ることができた。
シェムリアップの宿主さん、ありがとうございました。感謝しています。シェムリアップに行く時は、必ずまたあの宿に泊まりたいと思う。
さて、少し本編とはズレたが、次の記事は世界遺産アンコールワットのサンライズを見に行く所だ。2児のパパであるトゥクトゥクドライバーのルームさんもこれまた良い人だし、カンボジアで出会った人は「優しい素敵なパパ」ばかりだ。
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