3〜6歳

【子どもを上手にしつける方法】「タイムイン」と「タイムアウト」とは

かんかん

今回は、

「子どもの癇癪(かんしゃく)が手に負えない!」

といった子どものしつけ方法に悩むママさんに向けて、アメリカで用いられている効果的な子どものしつけ方法を紹介します。

アメリカ流の方法をそのまま使うには抵抗がある方もいると思うので、日本流にアレンジした方法も合わせて紹介しています。

 

そもそも「しつけ」とは

「しつけ」という言葉を聞くとどんなイメージを思い浮かべますか?大人が厳しい言葉を並べて子どもが従順に従う姿でしょうか。

飼い犬や飼い猫にも「しつける」という言葉を使うため、「子どもをしつける」と言うと「親に従わせる」のようなあまり良くない印象を持つ方もいるかもしれません。

しかし、「しつけ」はもともと漢字で「躾」と書きます。

「身」を「美しく」するという字の通り、本来は子どもに礼儀作法を教えてることを言います。

決して、親や先生の言うことを従順に聞くように育てることを「しつけ」と呼ぶわけではないので注意が必要です。

さらに、昔は礼儀(あいさつ等)や所作(座り方や立ち居振る舞い)のことを中心に指していたのだと思いますが、現代では「しつけ」の意味の範囲はさらに広がって、「社会のルールを守ること」「人に迷惑をかけないこと」などもしつけの内に入っているような気がします。

 

そんな「しつけ」には様々な方法がありますが、今回は「タイムイン」「タイムアウト」という方法を紹介したいと思います。

どちらもアメリカの一般家庭で用いられているしつけ方法です。

 

「タイムアウト」とは

「タイムアウト」は、遊びや生活の途中で望ましくない言動や行動があった時に子どもをその場から離れた場所(多くは部屋の隅など)に移動させて子どもが一人になる時間を作る方法です。

しばらくして(子どもの気持ちが落ち着いて)から子どもに「タイムアウトになった理由」を聞き、もし理由を分かっていない場合は

  • 「ルールを守らなかったから良くなかったんだよ」
  • 「人に迷惑かけることをしたから良くなかったんだよ」

といった理由を伝えます。

タイムアウトの時間は「年齢×1分」(2歳なら2分、4歳なら4分)くらいが望ましいとされています。(How to Give a Time-Out

「タイムアウト」の目的は子どもが気持ちを切り替えたりクールダウンしたりする時間を設けて自分の行いを振り返ることです。

その意味では、日本の学校で昔よく見られた先生が生徒を廊下に立たさせる行為に似ている感じがしますが、それとは全く違います。

廊下に立たせる行為は「悪い行いへの懲罰」として使われる面が強いので、現在では「体罰」として認識されていますよね。

 

その点、「タイムアウト」は懲罰ではありません。あくまでも目的は「子どもの気持ちの切り替え・クールダウン」です。

 

そんな「タイムアウト」のメリットとデメリットはこちら↓

「タイムアウト」のメリット

  • 子どもが遊び場や食卓等から一旦離れることで自分の行いについて考える時間を持つことができる
  • 親が怒鳴ったり手をあげたりせずに済む

 

「タイムアウト」のデメリット

  • 場合によって「親に嫌われてしまうかもしれない」という不安や恐怖を与えてしまう
  • 慣れてくるとその場しのぎの沈黙になったりタイムアウトの場所で遊び始めてしまう
  • 子どもが感情的になっている時も親は冷静でいなければならない

 

「タイムアウト」は、親が感情的になって

「ちゃんと◯◯しないならタイムアウトだよ!」

というような使い方をしてしまうと「懲罰」になってしまうのでNGです。

 

また、望ましくない言動や行動があって「タイムアウト」を使いたい時に

「太郎くん、お話があるからちょっとおいで(少しタイムアウトしようか)」

と声をかけるのと、

「太郎、ちょっとこっちに来なさい!(タイムアウトよ!)」

と声をかけるのでは、子どもにとっての「タイムアウト」の意味合いが全く変わってしまいます。

 

何度も書きますが、「タイムアウト」の目的はあくまでも「子どもの気持ちの切り替え・クールダウン」です。

 

「タイムイン」とは

「タイムイン」は、遊びや生活の途中で望ましくない言動や行動があった時に、子どもの近くに寄っていき、優しく寄り添いながらじっくりコミュニケーションを取る方法です。

「何がいけなかったのか」「どうすると良かったか」などを子どもに寄り添いながら一緒に考えていきます。

部屋の隅に一人きりにしたり、罰を与えたりするのとは真逆の対応です。

そんな「タイムイン」のメリットとデメリットはこちら↓

「タイムイン」のメリット

・子どもが親に信頼を寄せるようになる
・子どもを不安にさせない
・親子のコミュニケーション時間が増える

 

「タイムイン」のデメリット

・じっくり寄り添う時間が必要
・親に根気や忍耐力が必要
・子どもが感情的な時も親は冷静でいなくてはならない

 

「タイムイン」も目的も「タイムアウト」の目的と同じで「子どもの気持ちの切り替え・クールダウン」なのですが、「タイムアウト」と明らかに違う点は、子どもが「気持ちの切り替え・クールダウン」をしている最中も親が子どもの近くにいて寄り添うことです。

信頼できる大人が寄り添うことで、子どもの気持ちに安心や安定感が生まれると同時に、まだ言語での表現が上手くできない子どものモヤモヤした複雑な気持ちを言語化するお手伝いをしてあげられます。

 

どっちがいいの?

いったいどちらのしつけ方法がいいのでしょうか?

アメリカでは以前は「タイムアウト」が圧倒的に主流だったようですが、

  • 場合によって「親に嫌われてしまうかもしれない」という不安や恐怖を与えてしまう
  • 慣れてくるとその場しのぎの沈黙になったりタイムアウトの場所で自由に遊び始める

などのデメリットが目立つので、現在は「タイムイン」のしつけ方法が主流になりつつあるようです。

 

 

結論:複合して使うのがオススメ

「タイムイン」と「タイムアウト」の方法を紹介をしましたが、どちらがいいのかといえば、おそらくタイムインの方が良いと思います。

しかし、「タイムイン」のデメリットでも紹介したように「タイムイン」には根気と時間が必要です。

現代の忙しい生活の中では思ったように時間が取れないことも多いと思うので、ぼくは「タイムイン」と「タイムアウト」の良いトコ取りをして使うのが良いと思っています。

 

呼び方はなんでも良いのですが、良いトコ取りした方法を仮に「ブレイクタイム」と呼びます。

「ブレイクタイム」の方法

「ブレイクタイム」の方法は以下の通りです。

step
1
注意を促す

→まずは望ましくない行動を伝えます。(例:「フォークを振り回すと危ないよ」)

step
2
危険を取り除く

→ケガや事故に繋がりそうな物を取り除きます。(例:フォークをもらう)

step
3
環境を変える

→子どもの望ましくない言動や行動に変化がない場合、場所を変えることで子どもが気持ちを切り替えやすくなります。(例:イスから下ろす、違う部屋に移動する)

step
4
気持ちを聞くor時間を置く


→環境を変えたら子どもの気持ちが落ち着くまでしばらく待ちます。話ができる状態であれば、「何が良くなかったのか」を子どもが気付けるように話を進めましょう。(例:寄り添って話を聞いてあげる)

この時のポイントは「大人が冷静で落ち着いていること」です。

step
5
振り返る


→子どもの気持ちが落ち着いたら「社会のルールを守ること」や「自分も相手も心地よく過ごせる方法」を一緒に考えます。(例:「どんな気分だったのかを尋ねる」「何が悪かったのか振り返る」等)

 

こういった手順を取ることで親子共に落ち着いた気持ちで問題と向き合うことができるのではないでしょうか。

注意点

NGな使い方

  • 「狭くて暗い部屋に入れる」「トイレに閉じ込める」などは子どもに不安や恐怖を与えることになるのでNG
  • 「ちゃんとしないならもうあっち(タイムアウトの場所)だよ!」「言うこと聞けないならタイムアウトするよ!」という言い方も脅しのように使っているのでNG

「タイムアウト」も「タイムイン」も「ブレイクタイム」も、1番大事なのは、「子どもが気持ちを切り替える時間を持つこと」です。決して子どもに罰を与えることが目的ではありません。

でないと、「素直にタイムアウトの場所に移動しようとしないことにイライラして怒鳴ってしまう」といった悪循環な状況になってしまいます。

 

 

まとめ

今回は「子どもを上手にしつける方法」として「タイムイン」と「タイムアウト」を紹介しました。

アメリカ流の方法なので日本の子育てには合わない部分もあると思います。子どもの個性によっても合う合わないがあると思います。

「タイムイン」「タイムアウト」の考え方をベースにして、家庭にあったオリジナルの方法を実践してみてください。

1番大事なのは、「子どもが気持ちを切り替える時間を持つこと」です。

 

どう実践すればいいか迷った時は、複合した方法である「ブレイクタイム」をまず試してみて、そこからアレンジしてみてくださいね!

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。

役に立つ記事だと思ったら
ポチッ!とお願いします。

-3〜6歳
-, , , , , , ,