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【心が不安定に?】子どもの機嫌に影響を与える「睡眠の質」の話

かんかん

「質の良い睡眠は、子どもの体の成長はもちろんのこと、学力アップや心の安定にも直結しています!あなたのお子さんは質の良い睡眠が取れていますか?」

いきなりこんなことを言われてしまうと「ドキッ」としてしまうかもしれません。

しかし現実には、「子どもの落ち着きがない」「いつもイライラしている」「不安に弱い」という場合にも睡眠の質が影響している場合が多いそうです。

今回は「意外と知られていない睡眠の大切さ」と「子どもの睡眠の質を高くする方法」を紹介したいと思います。

 

なぜ人は寝るの?

そもそもなぜ人は睡眠をとるのでしょうか?

ジョージワシントン大学のウィリアム・スティクスラッド教授(臨床神経心理学者)によると、睡眠には「癒し」の効果があるそうです。

起きている間、人の脳にはストレス(負荷)がかかります。

睡眠は、起きている間に経験した"つらい感情"や"思い通りにいかなくてモヤモヤした感情"などのストレスに関連した神経化学物質を脳から取り除く効果があります。

だから朝起きた時に「頭がスッキリする」のです。

そのため、睡眠の質が悪くなることは子どもにとって影響が大きく、「子どもがキレやすかったり、プレッシャーやストレス、不安に弱い場合、睡眠不足が引き金になっていることがある」と指摘されています。

質の良い睡眠をとる方法は?

それではここから、質の良い睡眠をとるための具体的な方法や目安を紹介していきたいと思います。

まず大前提として知っておきたいのは「日本の子どもは世界的にみても睡眠時間が短い」ということです。

2010年と2017年の調査では、日本の子どもの睡眠時間は調査対象国の中で最下位でした。1位のニュージーランドとは毎日2時間近くの睡眠時間の差があることが分かったそうです。これは2週間にすると約1日分の差です。

そもそも、日本では子どもに限らず大人も「睡眠時間が少ない国」として有名な睡眠不足大国です。

大人が慢性的な睡眠不足の生活環境だからこそ、子どもも自然と睡眠不足が当たり前という状況になっている可能性が高いですよね。

 

理想的な睡眠時間を取る

そんな中、日本人が聞いたら驚く「子どもにとって理想的な睡眠時間」がこちら。

ちなみにこれはWHOやアメリカ国立睡眠財団が推奨している目安です。

子どもの理想的な睡眠時間

(この数字は昼寝も含む1日全体の睡眠時間です。)

  • 0〜 3ヶ月:14〜17時間
  • 4〜11ヶ月:12〜16時間
  •  1歳〜2歳:11〜14時間
  • 3歳〜5歳 :10〜13時間
  • 6歳〜13歳:9〜11時間

あなたのお子様は十分な睡眠時間が確保できていそうでしょうか?

 

お風呂に入る時間が睡眠の質を変える

スタンフォード大学の精神医学者である西野精治教授によると、人は眠くなる時、体の内部温度である「深部体温」が下がる特徴があるそうです。

つまり、この体の仕組みを活かして、寝る90分前を目安に入浴すると、寝る頃にちょうど体温が下がって眠りにつきやすくなります。

21時頃に子どもを寝かすことを目標にするなら、19時00分〜19時30分頃を目安に入浴することで寝つきが良くなるというわけです。

 

朝は朝日を浴びるようにする

「質の良い睡眠を」と聞くとどうしても夜寝る時間や睡眠中の質に目が行きがちですが、実は朝起きた瞬間から次の睡眠のための準備が始まっていることを知っていますか?

睡眠ホルモンの「メラトニン」は脳内で分泌されるホルモンで、このホルモンの働きによって人は眠くなり、眠りにつく仕組みになっています。

そして重要なポイントが、「メラトニンは朝日を浴びることで分泌が抑制される」という点です。つまり、朝日を浴びると目が覚める(脳が起きる)のです。

曇りの日や雨の日に昼ごろになってもなんだか気分が上がらずボーっとすると感じたことはありませんか?それは朝日を十分に浴びていないためにメラトニンが抑制されず脳が眠たい状態を引きずっていると言えます。

 

朝になっても遮光カーテンや暗い部屋で過ごしているとメラトニンが抑制されず脳が起きません。すると夜に脳がメラトニンを分泌する時間も遅くなってしまい、入眠も遅くなってしまうという負のスパイラルに陥ってしまうのです。

 

スマホやタブレットは寝る1時間前から見ない

さきほどのメラトニンの話の続きになりますが、朝の光で分泌が抑制されるということは、言い換えれば夜の暗い環境で分泌が高まるということです。

つまり、夜になったら脳に「そろそろ休む時間だよ」と教えてあげるために暗い環境を用意してあげる必要があります。

いつまでも明るいルームライトの下にいたり、夜にショッピングセンターやコンビニといった異常に明るい空間に行くと脳が「まだ明るいからメラトニンを出さなくてもよい」と錯覚を起こしてしまいます。

そんな夜の環境の中でも最近問題になっているのが、スマホやタブレットなどの画面から発生している「ブルーライト」です。

寝る前にブルーライトに当たると、メラトニンが分泌されにくくなることが分かっています。もちろんこれは、大人も同じです。

子どもの健康のため、良質な睡眠のためには、寝る1時間前は電子媒体は目に入らないようにして、本を読んだり会話を楽しむなど、ノーデジタルな時間を過ごすことが良いようです。

 

まとめ

今回は、「意外と知られていない睡眠の大切さ」と「子どもの睡眠の質を高くする方法」を紹介しました。

睡眠の質を高くする方法

  • 理想的な睡眠時間をとる
  • お風呂に入る時間を寝る90分前を目安に
  • 朝起きたら朝日を浴びる
  • スマホやタブレットは寝る1時間前から見ない

忙しい現代社会の中で全てを完璧に実践するのは難しいと思うので、2週間〜1ヶ月ほどかけて、出来そうなことをちょっとずつ取り入れて、できる範囲で実践してみてください。

個人的に、簡単に始められるのは「朝起きたら朝日(外)を見るようにする」「スマホやタブレットは寝る前に触らないルールを作る」の2つだと思います。

 

参考書籍

「この本は、子育て参考本の永久保存版です!」

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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