あなたは「夢」を持っていますか??もしくは子どもの頃に「夢」がありましたか??
「夢」というのはとても取り扱いが難しいものです。「触るな危険!」と言わんばかりに危なっかしい。
なぜ危険なのかと言えば、「夢」がとても不思議な扱いをされているからです。
「夢」について少し考えてみると、その不思議さがよく分かります。
小学生くらいまで子どもには「将来の夢」を持つことの大切さがとうとうと伝えられ、
中学生くらいになると「夢の1つや2つ持ってなきゃダメだ」くらいに言われたりします。
しかし、高校生になる頃には一転して「将来の夢」を仲間内で語ることがだんだん恥ずかしくなり、さらに大学生にもなって夢を語っていると「夢ばかり見てないでもっと現実を見た方がいい」とまで言われるようになります。
しかも、それを言うのは身近な大人。親だったり先生だったり。
もちろん100%そうなる訳ではありませんが、日本に暮らしていればなんとなく共感できる流れだと思います。
「夢」、小さい頃は「持った方が良いもの」だったのに、いつからか「持っていてはいけないもの」に変わってしまう。
どうして成長するに従って「夢」の扱いが変わるのか、とても不思議なことだと思いませんか?
今回はそんな「夢」について、子育て中のママに知ってほしいことを書こうと思います。
親が「夢」に対してあいまいな態度をとっていると子どもを苦しめることに繋がります。
「夢」の正体を理解して、子どもを応援しましょう!
「将来の夢」の正体
まず最初に一番大事なことを書きます。
これが勘違いされているから「夢」がややこしいものになってしまっている、そんな話題の核心に迫る内容です。
いきなりですが質問をします。
あなたが子どもの頃、
「あなたの将来の夢はなに??」と聞かれたことはありますか??
その時あなたは何と答えましたか??
もちろん年齢によってその質問の答えは変わったかもしれませんし、ずっと変わらなかったかもしれません。
ここで何が重要なのかと言えば、おそらくあなたが答えた「将来の夢」というのは、「職業名」か「職種」だということです。
子どもの頃にありがちな夢は、
警察官、パイロット、消防士、お医者さん、看護師さん、ケーキ屋さん、保育園の先生、学校の先生、ピアノの先生、スポーツ選手、
最近だと、ユーチューバーやゲームクリエイターなど。
これらの子どもの「夢」に共通することは、「すべて職業名である」ということです。
つまり、現代の日本人にとって「将来の夢」は「職業」になっていて、それが「夢」の取り扱いややこしくしてしまっているということになります。
職業は「手段」でしかない
大半の人はここまで読んで、「将来の夢が職業でいけないの??何かいけないの??」と思っているかもしれません。しかし、ちょっと考えてみると不思議なことだと分かります。
というのも、
「夢」というものは本来、その職業を通して達成できる「何か」のことです。
この文章↑めちゃくちゃ大事な一文なのでもう一度書きます。
「夢」というものは本来、その職業を通して達成できる「何か」のことです。
たとえば、「警察官」という職業は何をする人ですか??
その答えが警察官の「夢」だったりするわけです。
まだ「ん?よく分からないけど??」って感じですかね。
確かにややこしい所なので、もう1つ別の具体例を出します。
小学3年生のAくんは、夏休みに家族で海水浴に行きました。
お昼過ぎ、砂浜に挿したパラソルの下に座っているお母さんに見守られながら、Aくんは5年生のお兄ちゃんと一緒に兄弟だけで波打ち際で遊んでいます。
お父さんは日頃の疲れもあってパラソルの下で爆睡です。
しばらくすると、小魚探しに夢中になっていたAくんはいつの間にか深い所まで行ってしまい、波にさらわれてしまいました。
かろうじて浮き輪につかまってはいるけれど、岸はどんどん遠くなり、ついに溺れかけるAくん。
その時です。Aくんが流されたことに気づいていた海水浴場のライフセーバーが間一髪の所でAくんに追いつき、「もう大丈夫だよ、お母さんの所に戻ろうね」と優しく声をかけて助けてくれました。
その思い出が強烈に残ったAくんは、夏休みの日記にライフセーバーのヒーロー振りを力強く描き、それ以降「将来の夢は?」と聞かれると「ぼくはライフセーバーになる!」と元気に答えるようになりました。
どうですか?違和感の無さそうな話ですが、実はここに「夢」の落とし穴があります。
さきほど、「夢」というものは本来、その職業を通して達成できる「何か」のことですと書きました。
ではライフセーバーという職業を通して達成できることはなんでしょうか??
それは例えば、「人の命を救うこと」もしくは「人を危険から守ること」ですよね。
つまり、実はAくんの「夢」は「ライフセーバーになること」ではなく、その職業を通して達成できる「人の命を救う人になる!」「人を危険から守る人になる!」ということになります。
夢を叶えるための手段は一つじゃない
ここまで書くとなんとなく分かってもらえるかと思いますが、職業は「手段・方法」でしかありません。
何の手段・方法かと言えば、「夢を達成するための手段」です。
おばあちゃんの家に行きたいと思った時に「車」を使うのか「電車」を使うのか「飛行機」を使うのか、はたまた「自転車」や「徒歩」で行くのか。
すべて手段が違うだけ、達成したいことは「おばあちゃんの家に行きたい」です。
さきほどのAくんも同じ。
「人の命を救う人になりたい」「人を危険から守る人になりたい」が達成したいことであれば、医者、警察官、消防士、アルソック、セコムなど、手段(職業)はいろいろあります。
さらに言えば、直接的ではないかもしれませんが、輸血に使う血液を運ぶ人や安全なエレベーターを開発する技術者、車のエアバックの組み立て工場で働くことでも、「人を危険から守る人になりたい」という夢は達成できると思います。
つまり「夢」というのは本来なら、「ぼく(わたし)の夢は◯◯な人になることです!」という文脈になるはずなのです。そして、「だからそのために◯◯という仕事をしたい」と続くはず、、、
ところが大人は子どもに「将来は何になりたい?」と聞くもんだから、子どもは「何なるか」を考えてしまいます。
もしそう聞くのであれば、それを聞いたあとに、「どんな◯◯になりたいの?」と追加で聞くのが良いかもしれません。
子どもが「パイロットになりたい!」と答えたら、「どんなパイロットになりたいの?」と尋ねる。
子どもが「ゲームクリエイターになりたい!」と答えたら、「どんなゲームクリエイターになりたいの?」と尋ねる。
そこで出て来る答えが「本当の夢」だったりするわけです。
「将来の夢=職業」になっているとすぐ夢を諦めてしまう
ここで1つ補足ですが、ぼくはAくんに「他にも手段があるからライフセーバーになる必要はない」と言いたいのではありません。そんなドリームキラーには死んでもなりたくありません。
ただぼくは「ライフセーバーになれない理由が見つかったとしても夢を諦める必要はない」と伝えたいだけです。
そしてこれはAくんに限らず全ての人に言えることだと思います。
たとえば「落ち込んでいる人の心を明るくしたい」という夢を持った人が【臨床心理士】を目指そうとしたら家族に「大学院に行くほどの学費は払えない」と反対されたり、何度受験しても合格できなきなかったり、【臨床心理士】になれない理由が見つかったとします。
しかし、夢は【臨床心理士になること】ではなく【落ち込んでいる人の心を明るくする人になる】ですから、手段は他にもありますよね。
・お笑い芸人
・ディズニーランドのキャスト
・ユーチューバーなどの動画投稿者
・カフェの店員
こういう仕事でも【落ち込んでいる人の心を明るくすること】はできるのではないでしょうか。
多くのは人はこれを勘違いして夢を諦めます。将来の夢=職業になっているからです。
この記事のタイトルにもしている、「夢を持てと子どもに言う大人は夢を持っているのか?」ですが、たいていの大人は夢を持っていないと思います。
「夢=職業」のまま社会人になった大人は、社会人になって何かの職業に就いた時点で「将来の夢」を持つ必要がなくなってしまったのです。
大人だって「夢」を持っていい
しかし、今回の話で「夢=職業」ではないことが分かったと思います。
記事をここまで読んだことで「夢」に対する概念が変わったのではないでしょうか。
夢とは「職業」のことではありません。
夢とはその職業をすることによって達成できる「何か」です。
その「何か」とは、その人が強く感じていることで、千差万別です。
「人を喜ばせたい」
「人を助けたい」
「動物を助けたい」
「街を綺麗にしたい」
「人に夢を与えたい」
「後世に残る作品を作りたい」
「人を楽しませたい」
そのための手段(方法)として職業があります。
もっと言えば、職業でなくても休日にボランティアとしてそれができれば良い場合もあります。
とにかく、
「もう夢とか言ってる歳じゃないよね」なんて思ってる大人がいたら、それは大間違いです!
あなたが何歳で今どこで何をしていようと、「夢」を持っても良いんです。
夢とはつまり「どんな人間になりたいか」だと思います。
あなたはどんな人間になりたいですか?
そうなるためには何をしたら良いですか?
大人が夢を追いかけてイキイキしていれば、子どもたちはその姿を見て「夢を持つって楽しいことなんだ」って思って自分で考え始めますよきっと。
子どもに憧れられるカッコいい大人として歳を重ねていきたいものです。
まとめ
さて、ここまでの話を読んで、「あ、わたし、将来の夢って職業のことだと思ってたわ」なんて方も多いのではないでしょうか。
ここで、今回の話をまとめます。
- 「夢」は不思議な扱いをされている。
- 将来の夢が「職業」になっていることが多い
- 夢は「◯◯がしたい」「◯◯な人になりたい」で語られるもの
- 職業は夢を達成するための1つの手段
- ある職業に就けないからといって夢を諦めなくてもいい
- 大人も「夢」を持っていい
なぜ、高校生や大学生になると夢を諦める若者が出てくるのか。
その答えは「夢」=「職業」だと思っているからです。
その職業に就けないと分かった瞬間に夢を諦めてしまう。
そしてそのまま社会人になると、その人は「夢を達成できなかった大人」として、小さな子に「夢は持った方が良い(希望の職業に就けると良いね)」とアドバイスするようになる。
その繰り返しなんですよね。
今回の話で「確かに」と共感頂けたら、まず自分の夢を考えてみてください。そして身近な子どもに今回の夢の話をしてあげてください♪♪
たくさんの人が自分の夢を自覚して日々生活できることを心から願っています。
おまけ
(※これはぼくではありません。「夢 笑顔」で検索したら出てきたのです。笑)
今回は「夢」について書いたので、最後にぼくの夢も書いておきます!
ぼくの夢、一番大きな夢は、「人に喜ばれる存在になりたい」です。人の役に立つ人間になりたいと思っています。
もうちょっと具体的に言うと、このブログを運営している理由にも繋がるのですが、「悩みや不安があって困っているママの役に立つ人になりたい」と思っています。
女性は家庭や会社の中でとても影響力のある存在です。そして家庭内でママが子どもに与える影響はとてつもなく大きいです。
不安や悩みが少しでも減ることで、ママが毎日ニコニコ・イキイキ暮らすようになれば家庭も会社もさらに良くなると思っています。
これがぼくの達成したい「夢」です。
その手段として、「保育士」「ブログ」「心理カウンセラー」などいろんな方法があると思っています。
これからも夢の達成に向けて頑張るつもりです。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。
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親が子どものドリームキラー(夢を潰す人)になる時
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