以前、言葉の大切さについての記事を書きました。
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言葉の不思議
ぼくたちはふだん、言葉を使って人と会話し、テレビや動画を通して言葉を聞き、雑誌や本•新聞から言葉を読みます。
そしてその時に聞いた言葉や読んだ言葉に「反応」しています。
不快なことを言われてイラっとしたり、間違いを指摘されて落ち込んだり、心にストンと落ちる言葉を聞いて感動したりします。
この『言葉によって「反応」した』ということは、言い換えると「心が動いた」ということ。
ふと疑問に思うことがあります。
なぜ言葉で心は動くのか??
心が動いたと言っても、実際に体のどこかにある「ココロ」が右から左に3センチとか動いたわけではありません。あくまでたとえですよね。
また、「あの人の言葉で私の心は傷ついた」という表現もあります。
まるで言葉が鋭いナイフで、それによって「ココロ」がズタズタになったかのような表現です。でも、そんな現場を実際に目で見たことはありません。あくまで感覚の話です。
感覚の話とはいえ、ぼくたちは明らかに「言葉」によって傷ついたり励まされたりと、「反応」しています。
つまり、言葉には「人のココロを動かす」という力があるということだけは紛れもない事実です。
言葉が心を動かす理由
では、言葉がどうしてぼくたちの心を動かすのか。
考えてみたことはありますか??
その一つの答えとして、ぼくたちが普段使っている言葉には「意味」があるからだと言うことができます。
たとえば、「犬」と聞けば、あなたの頭には、犬の顔や小型犬や大型犬かは分かりませんが犬のイメージがパッと思い浮かぶでしょう。
それは「犬」という言葉に含まれる意味が理解できているからです。
では例えば、「cane(カーネ)」と聞いたら何が思い浮かびますか??
たいていの人は「ん??カーネ??なんだ??」となると思います。
これはイタリア語で「犬」を表す単語です。
「cane(カーネ)」と聞いても犬の顔がパッと思い浮かばないのは、ぼくたち日本人がその意味を理解していないから。「Dog(ドッグ)」と聞けば犬の顔がパッと浮かぶのはその意味を理解しているからです。
つまり、ぼくたちは自分が「理解して意味がわかっている言葉」にだけ反応することができるわけです。
ぼくたちは自分が理解した言葉の意味に対して喜んだり、傷ついたり、励まされたりしているわけで、もし言葉に意味が存在しなかったら、もしくは意味を理解できなければ、言葉を読むことも話すこともできないということになります。
ぼくはこのことを、オーストラリア留学中に体験しました。
ぼくがオーストラリアで英語を勉強していた時、最初の3ヶ月は特にひどくて、英語が聞けない書けない読めない話せないの「4ない」が見事に揃っていました。
そんな時期は良くも悪くも、怒られても悪口言われても全然へこたれませんでした。なぜなら言われても意味が分からなかったから(笑)
後になって、「あの時、悪口を言われていたのか!!」「あの時、あの人は怒ってたんだ!!」とわかるようになるのですが、その時は理解できてないから全然ココロが動かないんですよね。
ということはつまり、日本語もそうですけど、言葉自体に「良い言葉」「悪い言葉」があるんじゃなくて、それをどう受け取るか、という理解の仕方のほうが影響が大きいということなんですよね。
言葉には"意味"がある
他人から「キミはマジメだね」と言われて嬉しく思う人もいれば、嬉しく思わない人もいます。
何かを言われて自分が「どう感じたか」は、言われた言葉を「どう理解したか」と同じです。
人はそれぞれ「自分フィルター」を持っていて、受け取る言葉を自分なりに解釈しているんだと思います。
ぼくたちが言葉に心を動かされるのは、言葉に意味があるから。そして自分フィルターを通してその言葉を理解するから。
これがこの記事で一番大事な部分です。もう一度言います。
ぼくたちが言葉に心を動かされるのは、言葉に意味があるから。そして自分フィルターを通してその言葉を理解するから。
「言葉の力」というのは、「意味の力」だと言えるわけですね。
つまり、誰かを喜ばせようと思ったら素敵な意味を含む言葉を使うことが大切で、誰かを傷つけたかったら悪い意味を含む言葉を使えばいいことになります。
どうせ言葉を使うなら、自分にも相手にも良い言葉を使いたいですよね!
言葉の選びかた、気をつけていきたいです。
さいごに
ただこの話、一つ不思議なことがあるんです。
「犬」と聞いた時、みんなが「犬の顔」を思い浮かべることができるのはどうしてでしょう。
「車」と聞けば、形や色は別にして、みんなが「車」を思い浮かべることができる。
「犬」という言葉には「犬」という意味があるからで、「車」という言葉には「車」という意味があるからですが。
「意味」って誰の目にも見えないのに、全員が共有することができます。
子どもは「役立たず」と言われれば落ち込むし、「天才だね」と言われれば喜びます。これは子どもが言葉の意味が分かっているからに他なりませんが、子どもはいつこの意味を学んだのでしょうか。
これってすごく不思議なことだと思います。
言葉を知っているということと意味が分かるということは別なのか??それはいつ繋がるのか??
言葉は不思議なことだらけ。これからも考えていきたいと思います。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。
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