なぜ日本では「母親」のことを「おかあさん」と呼び、「父親」のことを「おとうさん」と呼ぶのでしょうか??考えてみたことはありますか??
もちろんそれにはちゃんと意味があって理由があります。その始まりは過去のこと。大昔のことだから本当に正しいかどうかなんてわかりません。
でももし、あなたの子どもが、「ねぇねぇ、なんでおかあさんのことおかあさんて呼ぶの?」って透き通った瞳をキラキラさせながら聞いてきたら、どう答えますか?
いつか来るかもしれないそんな時のために、自分なりの答えは持っていた方がいいと思います。
子どもたちが、
「なんでぼくたちはこの国を『日本(にほん)』と呼ぶのに、海外からは『JAPAN(ジャパン)』と呼ばれているの??」
「なんで『おかあさん』のことを『おかあさん』と呼ぶの??」
「なんで『おとうさん』のことを『おとうさん』と呼ぶの??」
と聞いてきた時、
あなたはどう答えますか??
なぜ日本と呼ぶの??
「日本人」とはどんな人でしょうか。「日本の国籍がある人」と答えることが正解かと思います。
じゃあぼくたちが住んでいる「日本」とはどんな国でしょうか?なぜ「日本」という名前なのでしょうか。
海外では「JAPAN(ジャパン)」と呼ばれている国を、なぜ日本人は「ニホン(ニッポン)」と呼ぶのでしょうか?
これが分かると、なぜ母親のことを「おかあさん」と呼ぶのかが分かります。
「日本」は、漢字を見ると「日」と「本」に分けられます。これがなにを表しているのかといえば、
「日」=「太陽」
「本」=「元」
と言われています。
つまり、「日本国」というのは太陽の元にある国という意味になります。
日本では昔から太陽を信仰していました。太陽があるから生命が育まれ、お米も野菜も太陽があるから育つ。
太陽があるから日々の生活が成り立つ、そう意味で太陽をとても大切にしてきたのです。
おじいちゃんやおばあちゃんが日の出とともに太陽に向かって拝むのは、「今日も出てくださって有り難いことです、私たちと農作物たちにたくさんの力を与えてください」という意味があります。
「こんにちは」と「さようなら」の本当の意味
ぼくたちが人と会った時に「こんにちは」「さようなら」と言いますよね。実はそこにも「太陽」が関係しています。
「こんにちは」は「今日は」と書きます。変だなと思ったことはありませんか??
現代では省略されてよく分からない文章になっていますが、実は「こんにち」というのは太陽のことを表しています。
昔のあいさつは、
「今日は(こんにちは)、お元気ですか?」がセットでした。
ここには「日」と「元」が入っていますね。
これはつまり、「今、あなたは日(太陽)と共に過ごせていますか??」という質問なんです。
だから答えは「おかげさまで元気です(はい、太陽と共に過ごしています)」となります。
自分が生きているのは太陽があるから。太陽は私たちに力を与えてくださる「お陰様(おかげさま)」なんです。
そしてあいさつの最後は「さようなら」。
今でこそ意味が分かりにくくなっていますが、昔は
「さようなら、ご気元よう(そのようでしたら、今日も太陽とともに良い日が過ごせますね)」でした。それが短くなって「さようなら」だけが残ってしまったようです。
現在はさらに短くなりすぎて、「こんちは」とか「元気??」になってしまっていますが(笑)
ここで言いたいことは、日常の挨拶にその存在が入ってくるくらい重要な「太陽」を国の名前にまで入れて大切にしようとしたのがぼくたちが住んでいる「日本」という国だということです。
日常という言葉も、「日(太陽)」が「常」にあることがぼくたちの生活であることを表しています。「日」が太陽を表していることを知ると、「毎日」「日々」「曜日」など日本人がどれだけ太陽を大切にしてきたかが分かりますね。
パワースポットとして有名な三重県にある伊勢神宮は日本の最高神である「アマテラス」が奉られていますが、「アマテラス」は漢字だと「天照」です。つまり、太陽のこと。日本人は昔から太陽を最高に重要な存在としているんです。
なぜ「おかあさん」と呼ぶのか??
『日本人は太陽を大切にしている。』
これが分かると、なぜ母親のことを「おかあさん」と呼ぶのかも分かります。
重要なのはひらがなの「か」という音です。
昔からひらがなの「か」という音には太陽という意味があったそうです。
そして、母親というのは昔から子どもを産み育てる存在であり、家庭を温かく包み込む存在でした。つまり日本では母親は太陽のような存在であるとされていました。
だから昔、母親は「かか」や「かかぁ」「かかさま」と呼ばれました。
そして時代が流れた今現在、「かあさん」「御かあさん」として現代に残っているわけです。
これが母親を「おかあさん」と呼ばれるようになった由来です。
ちなみに、ひらがなの「み」の音は女性を表す音です。(現代でも日本の女性の名前に「み」が多いのはその名残です。)
それが「か」とくっついて、「おかみ」とか「かみさん」と呼ばれるようになりました。現代でも、奥さんのことを「うちのかみさんが、」と言うことがありますよね。あれは、「ぼくの家の太陽みたいな存在である女性がね、」という意味なんです。
「神さま」も「かみ」ですが、先ほど日本の最高神として話した「アマテラス」は女性の神さまです。
日本人は昔から、
太陽が命を育み、暖かい日差しを大地に届けることで暮らしを豊かにするように、
女性も子どもを産み育て、家に帰れば暖かさと癒しを持ちながら待っていてくれることから、
女性は太陽のような存在であるとしてきたんです。
だから母親のことを「おかあさん」と呼ぶのです。
ちなみに「おとうさん」は??
ちなみに、なぜ父親のことを「おとうさん」と呼ぶのか。もちろんこれにも由来があります。
「おかあさん」の話だけで終わってしまっては世のパパたちの面目が保たれません(笑)
「おとうさん」の語源は、「とうと」なんだそうです。「尊い」という意味の「とうと」です。
昔の女性たちはこう思っていました
夫は自分や子どものために外へ働きに出て、生活の糧を持ってきてくれる。現代で言えばお金ですね。そして、悪い奴らや乱暴な奴らが来ると立ち向かって追い払ってくれる存在でもある。
「ああ、夫はなんて尊(とうと)い存在なんだろう」と。
その「尊(とうと)」から、夫のことを「とうと」とか「とと」と呼ぶようになったそうです。古い時代をテーマにした映画の中で父親を「トト」とか「トトさま」と呼ぶのはその名残り。
そして時代が少し変わり、「おとさん」や「おっと」「おっとさん」と呼ぶようになり、今の「おとうさん」へと続いてきたらしいです。
ここで出てくる「と」はすべて「尊い」という意味なんですね。
家族のために毎日頑張ってくれる「おとうさん」、
怖いこと大変なことから守ってくれる「おとうさん」、
そんな頼りになる存在である「おとうさん」を敬う気持ちが含まれていたんです。
なんてことを子どもに話せたら、「おお、おとうさんてすごいんだ、かっこいいんだ」って父親への眼差しが変わるんじゃないでしょうか。
知ることで世界が変わる
こんな意味や由来があるってことを知るだけで、言葉に込める気持ちが変わってくるんじゃないでしょうか。もちろん、過去のことだから本当のことはわからない。いあわゆる「諸説あります」というやつです。
でもその中で自分が納得して信じている考えを持つことはとても大切だと思います。
言葉の意味を知ることで、昔の日本人たちが何を考えていたのか、何を大切にしていたのかに興味を持つこと、そして自分たちも同じ「日本人」であることを改めて意識しなきゃなって思います。
なぜ保育士のぼくがこんなことを知っているのか
なぜぼくがこんなことを知っているのかというと、そこにもちゃんと理由がありまして。
保育士だから
1つはぼくが保育士だということ。子どもと関わる中で、子どもが持つ疑問には1つでも多く答えられるようにしてあげたい、一緒に考えてあげたいと日ごろから思っているので、「自分なりの回答」を持つことが大切だと思うんです。
実際に、子どもに「なんでママをママって呼ぶの??」って聞かれたこともあります。
海外生活で無知を痛感した
そして、もう1つの理由はぼくがオーストラリアの保育園で働いていた時に、現地の人に日本の話をする時に「オカアサン」「オトウサン」「コンニチハ」「アリガトウ」の意味をちゃんと説明できなかったからです。
海外の人は「コンニ〜チハ〜」とか「アリガ〜ト〜ゴザイマス」って日本語にすごく興味を持ってくれます。でも言葉を教えることはできても、その意味まで説明できなかった。それが悔しかったんです。
というような理由があって、本を読み、少しずつですが勉強するようになりました。
ちなみに今回の話はこの本の内容を参考にしています。
さいごに
なぜ「母親」を「おかあさん」と呼ぶのか。
なぜ「こんにちは」と言って会い、「さようなら」と言って別れるのか。
なぜ「日本」を「日本」と呼ぶのか。
その言葉の根底には日本人が昔から大切にしてきた「太陽の存在」があります。
その意味を知ることで、自分たちが日本人であることや自分の住んでいる国がより好きになるんじゃないでしょうか。
日本の国旗は「日の丸」です。あの赤い丸が何を表しているか、この記事を読んだあなたならすぐに分かりますよね。
そうです。「日」=「太陽」ですから、「日の丸」=「太陽の丸」です。
日本人は、自分たちの国の名前や国旗に入れてしまうくらい「太陽」が大好きな国民だったんです。
はじめにも書きましたが、過去のことは誰にもわかりません。
でも、いろんな物事に対して、「そういう可能性が高い」「そう思っている」というくらいでもいいから、親や教育者、保育者が自分なりの「一つの解答例」を示してあげることで子どもが「考える力」を養うきっかけになると思っています。
そのためにはまず、親や教育者、保育者自身が自分なりの考え方を持ち、その上で子どもたちに「こういう考え方もあるんだよ」ということを示してあげることが大切なんじゃないでしょうか?
ちなみにぼくは、いろんな勉強や経験をする中で、太陽を大切にするのと同じくらい母親や女性を大切にすることが世の中を良くする秘訣だと思うようになりました。
この記事を読んで頂ければ、それがどういうことかが詳しく分かると思います。
-
【全男性諸君へ】「嬉しい」という漢字は"女性が喜ぶこと"で成り立っている
続きを見る
そして、女性(特に子育て中の女性)の役に立つことを目指した結果、このブログを運営することにしました。子育てママを応援する記事がたくさんあるのでぜひ読んでくださいね!!
-
はじめに
続きを見る