メンタル 人間関係

なぜ人間は悩みを持つのか?〜人生を変える考え方〜

かんかん

今回の話は、「人が悩みを持つ理由」について書いています。

 

あなたは今、どんな悩みを持っていますか?
パッと思いつかない人も、少し考えてみると1つ2つは出てくるのではないでしょうか。

人間は悩む生き物です。
お金や人間関係のこと、健康や将来についてなど、悩みの種はたくさんありますよね。
しかし、日々たくさんのことに悩んでいるぼくたちも、「そもそもなぜ悩みを持つのか」はあまり考えません。

その理由は簡単で、目の前の悩みを解決することに一生懸命だからこそ、その奥にある「そもそもなんでこんなに悩まなければいけないの?」という悩みの根っこみたいな部分にまで思いが届かないと思うのです。

そこで今回は、そんな疑問について考えてみたいと思います。

人間の悩みの出発点

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Foundry (CC0), Pixabay

最初に結論を言うと、人間が持つ悩み事は、すべて対人関係が出発点になっています。どんな悩みごとも、です。

この「対人関係」というキーワードがこの記事で一番大事なので、これだけ意識してみてください。

 

この世に「対人関係」があるから悩みは発生します。あなたの悩みごとのすべては人間関係が影響しているんです。

ちなみにこれはぼくが考えた訳ではなく、あの有名な心理学者アルフレッド・アドラーの教えです。(ぼくはこの考えに納得しています。)

 

アドラーいわく、「どんな悩みごとにも必ずあなた以外の他者が関係している」のだそうです。一見すると自分の内側だけの悩みのように思えることも、その裏には必ず他人の存在が関係しているのだとか。

一体どういうことか、分かりやすく説明していきます。

 

悩みのすべては対人関係の悩み

アドラーは、自分1人で完結する悩みはこの世には存在しないと言います。

その意味を理解するためには「分かりやすい対人関係の悩み」と「分かりにくいけど実は対人関係の悩み」を知る必要があります。

分かりやすい対人関係の悩み

こちらは簡単に納得できると思います。

明らかに悩みの対象とする相手がいて、その人に対して困っていたりイライラしていたり、「どうにかならないものか」を気を揉んでいる状態です。

対人関係の悩みで分かりやすいものといえば、

  • 「職場に苦手な人がいる」
  • 「ママ友の繋がりが大変」
  • 「子どもが話を聞いてくれない」
  • 「夫が育児に非協力的」

などがあります。

 

分かりにくいけど実は対人関係の悩み

続いては分かりにくいけど実は対人関係の悩みです。

こちらは先ほどの「分かりやすい対人関係の悩み」以外の悩みが全て当てはまると思ってください。

これに関する良い例がないかと思って、ネットを検索してみました。つい先日30歳になったこともあり「30代 男性 悩み」で検索した結果をもとにざっとまとめた結果がコチラです。

30代男性の悩みごと

  1. お金がない
  2. 仕事が忙しい
  3. 時間がない
  4. 恋人ができない
  5. 人生このままでいいのか?
  6. 太っている
  7. 後輩指導が苦手
  8. 将来が不安
  9. 育児と仕事を両立できない
  10. 薄毛

いや〜シビアですねぇ。もちろん女性もこれに近い悩みをいくつかお持ちかもしれません。

これらの悩み、直接的な対人関係の悩みって⑦の「後輩指導が苦手」くらいしかないような気がしますが、、、心理学者アドラーは「ここにある悩みも全部、対人関係が影響してるよ」と言うわけです。

どういうことかといえば、簡単に言うと、「他者との比較」です。

「お金がない」も「恋人ができない」も、自分以外の誰か「お金をたくさん持っている人」や「恋人がいて楽しそうにしている人」を知っているから、どうしても比較してしまうのです。

「薄毛」や「太っている」なんかもそうですよね。どこかの誰かが「髪の毛はフサフサで細身のスタイルが良い、だけど体毛は薄い方が良いよね」という勝手なイメージを作ったことによって、薄毛や体毛に悩む人が増えたわけです。

きっとあなたが抱えている悩みも、ちょっと考えてみれば他人と比較していることに気が付くと思います。

つまり、一見すると特定の相手がいないように思える悩みごとも、深掘りしてみると「他者との比較」が根本にある訳です。

そして、何より問題なのは他人と比較したあとで、劣等感を感じてしまうことです。

 

対人関係は「競争」ですか?

レース, トラックとフィールド, 実行している

Free-Photos (CC0), Pixabay

どうして劣等感を感じてしまうかと言えば、対人関係を「上下」で捉えて、そこに生まれる「差」にフォーカスしているからです。

日本人は「自分はあの人よりは上だけど、あの人よりは下である」という序列を作るのが大好きです。

日本語という言語自体が上下関係を強く意識する作りになっているということもあると思いますが、もしかしたらこれは(テストや成績という仕組みによって)小学生や中学生の頃に大人から教わってきたことなのかもしれません。

そしてその結果、「あの人には勝ちたい」「あの人みたいにはなりたくない」という思いが強くなってしまいます。

しかし、対人関係で競争や勝ち負けを意識すると必然的に生まれてくるのは「劣等感」や「優越感」です。

健全な「劣等感」とは、「理想の自分にはまだたどり着いていない」という意味での劣等であって、決して「あの人より劣っているから自分はダメなんだ」という意味での劣等であってはいけません。

「優越感」も同じです。もしあなたの周りに自慢を繰り返すような人がいるなら、その人も「他者との比較で生まれた劣等感」の中で苦しんでいます。自分が優れていることをわざわざ自分から口に出して誇示しないと周りの人は「自分なんか」を認めてくれないのではないか、と恐れているからです。

アドラーは劣等感を理由(言い訳)にして、「ぼくは誰々さんより上手じゃないから◯◯ができない」と言っている状態を「劣等コンプレックス」と表現しました。(自慢を繰り返して自分の存在を高めようとする状態を「優越コンプレックス」と言いました。)

そうやって、対人関係を「競争」として捉え、「勝ち負け」に執着してしまうと、気付いた時には自分の周りが「敵だらけ」になってしまいます。

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TheDigitalArtist (CC0), Pixabay

対人関係を競争だと捉えている人は24時間365日、常に「試合中」なんです。いつも「あの人には負けたくない」「あいつには勝つんだ」と気張ってるわけですから、そりゃあ疲れちゃいますよね。

 

健全な劣等感というは「他人との比較」から生まれるものではなく、「理想の自分との比較」から生まれるべきもので、健全な優越性というのは「他者よりも優れていることを誇示(自慢)すること」ではなく、「昨日の自分との比較」から生まれるものだと思います。

 

悩みをゼロにすることはできない

さて、ここまでみてきたように、悩みはすべて、対人関係があるからこそ生まれることが分かりました。
それと同時に、(これは残念な?お知らせかもしれませんが、)ぼくたちは生きている間、悩みから解放されることが無いということも証明されてしまいました。今持っている悩みの1つが解決したとしても、また新しい悩みが生まれるわけです。

階段, スパイラル, 階段の吹き抜け

Free-Photos (CC0), Pixabay

ただ、よくよく考えてみれば今までの人生を振り返っても、悩みが無かった時期なんて一度もないのではないでしょうか?

「学生の頃は何も考えてなかった」と思うかもしれませんが、「成績が悪い」「モテない」「クラスに馴染めない」など、何かしらは思っていたかと思います。

極端に言えば、あなたが今の環境を捨ててどこかの国の誰も住んでいない山奥で自給自足の一人暮らしを始めたとしても、悩みが消えることはないでしょう。その理由は、「あなたはすでにこの世に自分以外の人間がいて、どんな暮らしをしているか知っているから」です。

もし仮に、生まれた瞬間から地下室に閉じ込められ、ロボットがお世話をしてくれる中で教育を全く受けずに育ったらその人に悩みはないのかもしれません。しかし、そんな状況は現代社会ではあり得ません。

生まれた瞬間からの親子関係、成長するにしたがって広がっていく人間関係。そして、他の人を知っているからこそ誰かと比較して上下・優劣をつけてしまう性質。これらがある限りぼくたちは「悩み」から解放されることはないということになります。

これが、アドラーが「人間の悩みはすべて対人関係が影響している」という本質の部分です。

 

悩みとどう付き合ったらいいの?

じゃあどうすればいいか。

それは、今抱えている悩みと前向きに向き合うことです。どんな形であれ、問題に正面から向き合うことが重要です。それは誰のためでもなく、自分自身のために。

逆に、悩みを抱えた時に一番してはいけないことは、立ち止まってしまうことです。先延ばしにしてしまうことや見て見ぬ振りをすることは一時の心の平穏にはなるかもしれませんが、必ず大きくなってまたやってきます。

 

そもそもぼくたちが何の為に生きてるか、どうして生まれてきたのか、を考えると、ある意味「悩むため」とも言えます。(この話は長くなってしまうのでまた別の記事で書きました→「なぜ人間は生まれてきたの?生きている理由はなに?」)

わざわざ「悩むため」に地球に生まれてきたのですから、悩まなければ意味がありません。

食べ放題のお店に行ったら「食べなきゃ損」だと思いませんか?
地球は「悩み放題」という星なんです。わざわざそこにいるのですから「悩まなきゃ損」ですよ。

だから、「悩みがあることを」を否定しないでください。
悩むことは苦しいことかもしれません。「快」か「不快」かでいえば「不快な感情」だと思います。

しかし、悩みを無くすことはできません。だったら、覚悟を決めていま目の前にある悩みに前向きに向き合ってみてもいいのではないでしょうか。

 

さいごに

今回は「なぜ人間関係は悩みを持つのか」という内容の話でした。

悩みの根本はすべて対人関係にあることを知っておくと、今までに思いつかなかったような解決策が出てきたり、そもそも"悩み"ですらなくなってしまうこともあります。

気をつけることは、「対人関係は競争なんだ」と勘違いしないことだと思います。対人関係は競争の関係ではありません。
私はあの人より給料が低い、自分よりあの人の方が人気がある、いいね!が多い、、、「あの人が、、」「あの人より、、、」と比較した先に生まれるのは「誰も喜ばない勝敗」です。

 

今ある悩みと前向きに向き合う。

これが人間に与えられた大切な役割の1つだと思います。

 

過去の出来事に苦しんでいる人、現状に不満があり、変化を起こしたい人はぜひアドラー心理学に触れてみてください。

読みやすいオススメの本は、ベストセラーの『嫌われる勇気』です。対話式の内容なので、ドラマのようなストーリーで読みやすいですよ。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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